神
・・・どこだ?ここ。
少年は自分の体を確かめ、あたりを見渡した。
「残念だけど、まだ母親の所に逝っちゃうには早いよ?」
うしろには、自分と同じ青い髪の少女がいた。
「・・・君は?」
「私は神様。あなたをここに連れた来たのは私。使命は人を幸福にすることなの。」
「・・・幸福に・・・」
少女は名簿を取り出した。
「本当はこんなことできないんだけど、あなたの人生の悲惨っぷりをみて、名簿にコーヒーかけて神様のミスで死んだってことにしたのよ。こうすればイヤでも神様はその人物を能力値最大にして転生させなきゃいけないって規則があるの。」
名簿にはコーヒーのシミがある。そこに自分の名前があったのだろう。
「でも、現に俺はどうみても自殺・・・」
「実はね、あなたは地面に落ちる前に心臓発作で死んでるの。だから問題ないわ。」
幸福の神は自慢げに話す。
「悪いけど、転生する世界はこちらで決めといたわ。魔法とか当たり前にあるから楽しいと思うわよ。そこで満足に生きてから、母親に会ってね。じゃ、いっくよー!」
「ちょっまだ俺は行くとは一言も・・・」
その言葉は虚しく少年の足元に空いた穴に消えていった。
「にしても、転生先が同じだなんて・・・どうしてるのかな?黒神君は。