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魔王に囚われて異世界から英雄(ヒーロー)を召喚した王女様。間違えてゲームのキャラを召喚してしまった。  作者: 昭和おじさん
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第17話 もうっ!! 何なんだよっ!! 変なゲームだなぁ。


 NPCが消えた。消えて、彼女達が捨てたゴミだけが散らばっている。

 そのゴミの中に1つ。チョコの包み紙。


 その紙の中に書かれていた言葉……。


 まったく分からんっ!!


 「結局何だったんだぁ」


 これから壮大に何かが始まりそう。って思ってまずはトイレを済ませようと席を立った。

 そうして戻ってきたら、もう誰も居なかった。


 そしてチョコの包み紙に書かれた謎のメッセージが残されたのだ。

 書いてる内容は……。まったく分からんっ!!


 英語とも、フランス語とも、アラビア語とも……。まぁ全部分からないけど。

 ともかくなんか言語っぽい何か。それが書かれている。


 あれ? でもあの子達日本語話してたよな? うん? じゃあこの文字は……?

 言葉は通じるのに文字だけが分からない。ゲーム内文字とも思ったが、なんか違う気もする。

 文字。ともかく謎。謎の文字だ。

 

 謎の、文字かぁ――。


 そこに書かれていた文字。これはなんて書いてあるんだろうか。

 ただのいたずら。そう思う事も出来る。だけど彼女達が言っていた言葉。


 (問う。貴方が英雄か?)


 英雄。彼女達はそれを探していると言っていた。

 英雄。


 俺はそんな存在じゃない。

 俺はただの中年ニートだしなぁ。


 彼女達が去ったのは俺が求めた英雄ではないと気づいたから。

 そう考える事が出来る。

 だから居なくなった。食事も取ったし、英気を取り戻した。

 なら彼女達はまた英雄を探すのか? あんな廃墟だらけの危ない場所で?

 分からない。分からないけど……。


 画面内の文字を見る。荒くて見えない。なんて事はない。

 鮮明に書かれた、何かの言葉。長いようで短い。その言葉は。


 本当にゲーム内イベントの物なのだろうか。


 分からない。分からない。ゲームは何も説明してくれない。

 分かるのはこの文字。誰かが書いた文字が、そこにあるという事だけ。


 この文字、解読出来ないかな。


 解読……。そんな事出来る人。そんな伝手。


 あるんだなぁ。これが。


 

 ◇ ◇ ◇


 

 「それじゃあニートさんっ!! 今日はありがとうございましたっ!!」

 「うん、良いんだよ。いつでもおいでね」


 「はいっ!! あ、ご飯ありがとうございますっ!! 美味しかったですっ!!」

 「良いんだよ。君のお金だし」

 

 「えっと」


 「また来て、良いですか?」

 「ああ、うん良いよ」


 「こんなおじさんのところで良ければ」

 「やったぁっ!!」


 「それじゃあ今日は失礼しますね――っ!!」

 「うん、それじゃあね――」


 智代さんは時間になって帰っていった。帰り際何度もこちらに手を振ってくれた。

 俺もそれを返し、彼女の姿は見えなくなる。そうして、俺は一人になった。


 さて。

 それじゃあ「伝手」の所に行こうか。


 

 

 ◇ ◇ ◇


 


 「って訳でですね。レイジさん」

 「この文字、なんだか分かりませんか?」


 「ふ、む……」


 って訳で頼っちゃいました。姉の旦那さん。茂山レイジさんっ!!

 とっても頼れるたかしくんのお父さん。お仕事はなんかの博士をしているんだとか。


 「そんな訳分からない事聞きに来たのかよニート野郎」

 「たかし」


 「うっ」

 「まったく、急にレイジに会いたい。なんて聞きに来るから」


 「仕事でも紹介して欲しい。なんて言ってくると思ったわよこの馬鹿弟」

 「由美」


 「もう、レイジはこの子に甘すぎるのよ。いい年してずっとニートなんかして」

 「いい加減働きなさいっ!! 家追い出されてから生米齧ってるって聞いたけどっ!?」


 はわわわ。姉さんとたかしくんのダブルアタックだ。

 やっぱり自宅にダイレクトアタックだから2人は当然の如く在宅している。

 2人のダブルコンボで俺のメンタルはブレイク寸前だっ!! なんつって。


 「由美。人には人にはスタイルがあってだね」

 「そのスタイルを何年続けるのかって話っ!! まったく、家まで追い出されて」

 

 「そんな状況で体壊したらどうするの? 困るのは私達なんですからねっ!!」

 「ひぇええええ。ごめんよ姉さん」


 「分かってるなら何か仕事しなさいっ!! レイジに頼んで何か紹介してもらうからっ!!」

 「いやぁ、働く気は無いと言うかぁ……」


 「もうっ!! この馬鹿ニートっ!!」

 「由美。まったく。ごめんねウチの妻が」


 「私の弟なんですけどっ!?」

 「ともかく黙ってなさい。彼だって困ってるじゃないか」


 「え、えへへ。まぁ」

 「もう……。レイジはまた甘やかして」


 「ねぇたかし」

 「ほんとだよ。父さんはこいつに甘すぎるんだよ」


 「こんなんでも、結城の命の恩人なんだ。いつまでも情けない姿見せるなよな」

 「結城くんかぁ。当時はびっくりしたねぇ」


 「あんたがした唯一の善行ね。あれがあったから父さんも生活費くらいは出してるんだから」

 「もうちょっとお小遣い上がらないかなぁ」


 「なら働きなさいこのクソニートっ!! もう36にもなってっ!!」

 「あんたの同い年はもう結婚して子供も出来てるのよっ!!」

 

 ああん、もう姉さん当たりが強い。今はそれどころじゃないんだけど。


 「私だって意地悪で言ってるんじゃないからねっ!! このままじゃ貴方が苦労すると思ってっ!!」

 「この文字は」


 「この文字はどこで?」


 あ、ナイス、レイジさんっ!! 話を続けてくれるんだねっ!! よしよし、えっとこれは。

 これは……。あ、ゲームの中で見つけましたって。う――ん。言うべきか……。


 「そ、その……。ちょっと道で拾って気になって」

 「なんだよそれ。どうせなんか金になるとか思ったんだろっ!! ……。ないか」

 「そっちのが良かったわね。ゲーム買う以外の娯楽無いからこの子。まったく……」


 「たかしはこんな大人になっちゃ駄目よっ!!」

 「そんな事分かってるよ母さん、まったくこのクソニートはさぁ」


 はわわ。当たりが強い。でもまぁ世の中怒られる内が花だって言うし。

 そう思うとまだ情が残っているんだと思いたい。うんうん。


 「道で、か……」

 

 レイジさんは俺達の会話に我関せずで黙り込む。

 彼は俺が書いた紙。そこの文字をじっと見ている。もしかして何か知ってたり?


 「何書いてるか、分かりますか?」

 「あ、ああ」


 「お礼を言っているようだね」

 「お礼、ですか?」


 「ああ」

 「具体的になんて書いてるんです?」


 「ああ、まぁ」

 「私達は行く。食事をありがとう。と」


 「食事……」

 「へぇ――。流石父さん。分かるんだ。んで。それ何語だったの?」


 「ああ。これは……」

 「ともかく、何かの言葉だ」


 「何かって何なの? 父さん」

 「何かは何かだ。そう言う訳だ」


 「これを書いた人は」


 「きっと、誰かにお礼を伝えたかったんだろうね」


 お礼。


 お礼、か。


 「そうなんですか……」

 「ああ、そうだ」


 お礼、か。

 あんまり、言われた事は無いなぁ。


 「まぁ良いや。ニート、ともかく今日は泊まってけよ。風呂くらい入ってけ」

 「お前いつもドラム缶風呂なんて馬鹿なことして」「ごめん、今日はもう帰るよ」


 「なによ、別に遠慮しなくて良いのよ。泊まって来なさい。ご飯も作ったげるから」

 「いや」


 「俺は」

 「もしまた同じようなメッセージを見つけたら」


 「僕のところに来なさい。解読してあげるから」


 うん。


 そうさせてもらう。


 俺は。

 

 

 ◇ ◇ ◇



 っと言う訳で自宅に帰ってきた。やるべき事は1つ。


 そう。


 「今日は徹夜でゲームしちゃうもんねっ!!」


 やる事と言ったら。


 ゲーム一択でしょっ!!


 俺はコントロールを握って、テレビの電源を入れた。

 そうしてテレビの中と彼と共に。


「外」に転送されるのだった。

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