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序章
陰陽寮。
千年以上、暦を作り天文を観測し、鬼を祓い、帝都の結界を守ってきた国家機関だ。
しかし明治になると、急速な西洋化の波に飲まれ、「時代遅れの迷信」と切り捨てられた陰陽寮は、明治三年に明治政府により廃止された。
ところが、陰陽師たちが表舞台から姿を消したその隙に、古い信仰や風習が忘れ去られ、行き場を失った怨念が蓄積していった。
やがてそれは怪異として姿を現し、結界の失われた帝都を脅かし始めたのだ。
政府はやむなく、密かに霊術者たちをかき集めて対応に追われることになる。
『陰祀庁』――表向きは存在しない、帝都を陰から守る裏・国家機関誕生である。




