さっちゃんとプッププップ
さっちゃんは、おいもがだいすき。
今日も、おやつは焼き芋です。
「ほかほかのおいも、おいしい!」
さっちゃんは、パクパク食べました。
しばらくして、おなかがもこもこしてきました。
ぷ〜
「あっ、おならがでちゃった」
さっちゃんが、はずかしがっていると、
「さっちゃん、おならしても、はずかしくないよ」
どこからか声が聞こえてきました。
さっちゃんが、きょろきょろあたりをみまわすと、目の前に、黄色いワンピースを着た小さな小さな女の子があらわれました。
「わたし、プッププップ。おならの妖精なの」
「おならの妖精?」
「そう! おならをがまんすると病気になるんだよ」
「えーっ」
プッププップは、さっちゃんのおなかに手をあてました。
「さっちゃんは、おいもや野菜をいっぱい食べてるから、おならの匂いもくさくないよ」
「でも、やっぱりはずかしいよ〜」
さっちゃんが言います。
「じゃあ、おならの国においでよ」
プッププップは、
「プリプリプリン 小さくなぁれ」
と、呪文をとなえました。
すると、さっちゃんも、すーっと小さくなりました。
窓は開いています。
「それ〜」
プッププップとさっちゃんは、手をつないでジャンプしました。
いつの間にか、黄色い部屋に入っています。
「ここは、おならの国。おならの子がいっぱいいるでしょ」
黄色や茶色、黒色の子どもたちが、遊んでいます。
「黄色い子は、野菜をたっぷり食べた子、茶色い子は、お肉と野菜を食べた子、黒色の子は、お肉ばっかり食べて野菜を全然食べなかった子なんだよ」
さっちゃんが黒色の子を抱っこすると、ぷーんとくさい匂いがします。
茶色の子は、ちょっぴりくさくて、黄色い子は全然匂いません。
「ふしぎ〜」
さっちゃんが言うと、プッププップは言いました。
「お肉ばっかりとか、好きなものばっかり食べちゃダメなんだよ。それから、おならはがまんしないこと!」
「うん、わかった」
プッププップとさっちゃんは、おうちに帰ります。
「プリプリプリン もとにもどれ」
さっちゃんは、もとの大きさにもどりました。
すると、
ぷ〜
かわいいおならの音がします。
「また、おならしちゃった!」
さっちゃんが照れくさそうに言いました。
「気にしない、気にしない。じゃ、またね」
プッププップは、そう言うと窓の外に消えていきました。