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ちあふる☆じゃーにー ~三人姉弟の電車旅~  作者: 霧南
七尾村-ななおむら-(8月1日)
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■6■ 五郎助奉公

 夜、私たちは蚊帳の中で三人並んで寝た。家の中は昼間とは違った雰囲気を醸し出していた。家の後ろは森になっていて、梟の声が聞こえてきた。


「こんな一日もいいかもね……」


 不意に彩お姉ちゃんが言った。


「楽しかったよ」


 進も言う。進は今日、神社に行って、地元の小学生の子と遊んできた。夕食の時に、その様子を嬉しそうに皆に話してくれたのだ。あんなに嬉しそうな進は、久しぶりに見た気がする。最近塾だのなんだので忙しかったからね、進も。


「ね、明日もここにいようよ」


 進が言った。きっと、明日も来ると約束してきたのだろう。


「もともと明日出発する予定だったんだし、長居をすると迷惑になるかもしれないわよ?」


 彩お姉ちゃんは少し悩むような口調で言った。


「そんなことないよー」

「千歳が一番の心配なんだけどな……」

「どういう意味よ」

「大食漢」


 そう言っただけで、彩お姉ちゃんは私に背を向ける形で寝返りを打った。


「そんなこと……」


 あった。お昼にあれだけ食べておきながら、夕食ではそれ以上の量を平らげてしまったのだ。


「もうっ、おやすみ!」


 私も彩お姉ちゃんに背を向けた。


「うん、おやすみ……」


 彩お姉ちゃんが言った。進も小さな声でおやすみ、と言った。遠くから聞こえる梟の声を数えているうちに、いつのまにか私は眠ってしまった。

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