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ちあふる☆じゃーにー ~三人姉弟の電車旅~  作者: 霧南
七尾村-ななおむら-(8月1日)
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■5■ 麦茶と縁側、昼下がり

「ふぅ……風があるとはいえ、暑いわね」


 彩お姉ちゃんが少し気だるそうに言った。午後の昼下がり、縁側に出て三人でくつろいでいた。傍らには三人分の麦茶がコップについである。


「でも、都会の暑さよりはましよね」

「うんうんホントだねー。都会の夏はただ暑いだけだもん」


 とその時、進が立ち上がった。


「お姉ちゃん、僕、外に出て遊んでくる」

「おいおい、どこにー? 遊ぶとこなんてないんじゃないの?」

「おばあちゃんから聞いたんだ。自転車で少し行ったところに小学校とか神社とかあるって」

「こんなとこにも小学校なんてあるんだ……」


 私は口に手を当てて言った。


「それじゃ、行ってくる!」

「気をつけなよぉー。夕方までには帰って来るんだよー」


 私の声は家の中に響いて、蝉の鳴き声にかき消された。


「進はまだまだ子供だねー」


 くすっと笑って私が言うと、彩お姉ちゃんも同じように笑った。


「千歳も、ね」

「むっ、失敬な。私のどこが子供だって言うのよ」

「ほらほら、そうやってすぐ怒るところっ」

「そんなことないもんっ」

「あらあら、仲ぁよろしかで」


 おばあちゃんがいつの間にか縁側に来ていた。


「そんなことないもんっ。彩お姉ちゃんなんか知らないもんっ!」


 そんな風にして、私たちの午後は過ぎて行った。

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