■4■ いざ参らん、睦月家へ!
遊園地でたくさん遊んだ後、電車で睦月家へ向かった。今回もいつも通り、ボックス席に三人で座る。
今から向かう睦月家と私達如月家は、いわゆる本家と分家の関係だ。睦月家は多くの分家を抱える総本家で、如月家はその分家の一つ。小学生の頃には何度か睦月本家に行ったことがあるけど、しきたりとか礼儀作法に厳しいところって印象で、正直あんまりいい思い出はない。他にも分家はたくさんあるみたいだけど、他の分家についてはほとんど知らない。ずっと昔に水無月家の子と少し遊んだ記憶がある程度だった。
「本家に行くのも久々ね。進は最後に行った時のこと覚えてる?」
彩お姉ちゃんが進に目をやる。
「うーん……ほとんど覚えてないや」
進は少し考えながら言った。進が小学校に上がるか上がらないかの頃だったから仕方ないか。
「鬼が出るか蛇が出るか……」
そういえば本家には、それはそれは恐い婆様がいたハズ。
「兎にも角にも、行ってみるしかないわね」
私の気持ちを察したのか、彩お姉ちゃんはそう言って私に笑いかけてくれた。そんな私達の不安なんてお構いなしに、電車は淡々と私達を睦月家のある山陰地方へと運び続ける。
睦月家に何があるのかは分からない。でもきっと、彩お姉ちゃんがいれば何とかなる……よね♪
そして私達は、睦月家で、衝撃の事実を聞かされることになる──