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ちあふる☆じゃーにー ~三人姉弟の電車旅~  作者: 霧南
山陰村-やまかげむら-(8月17日)
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■3■ フェリスな午後のひと時

「んー、ちょっと疲れたねー」


 園内のカフェテラスでくつろいでいる最中。彩お姉ちゃんも進もぐったりしている。


「いやアンタ、ちょっと疲れたどころじゃないわよ。進、大丈夫?」


 彩お姉ちゃんは円卓に頬杖をついて進を見やる。


「ダメ、もうダメ……死んじゃう……」


 進は顔を伏せたままだ。


「なぁんだ、二人とも若いのにだらしないなぁ、もぅ」

「ジェットコースター二回も乗って、コーヒーカップもぐるぐる全力で回して、落下系アトラクション制覇も二周して……よく酔わないわね」

「朝飯前だね♪」


 とにかく激しい乗り物はあらかた全部制覇してしまった。


「もうしばらく休もう! ね、千歳お姉ちゃん」


 進が必死に訴えてくる。


「仕方ないなぁ……」


 もう昼下がりも過ぎて、陽もそろそろ傾きかける時間。私達はしばらく休んで、体力を回復させたのでした。




……





「観覧車っていうのもいいね!」


 眼下に広がる景色、人か米粒みたいに小さく見える優越感、遠くまで見渡せる開放感……ここは、私のためにある場所だ!


「やっほー!」

「……」

「……そういえば、何とかと煙は高いところが好きって言うよね」

「何とかにつける薬はない、とも言うわねぇ」


 あぁもう、二人とも好き勝手言ってくれるじゃないのーっ!


「はいはい、どーせ私はお馬さんと鹿さんですよーっ」


 私は思いっきり顔をそらしてやった。


「ぁはは♪もう、千歳ったら機嫌直して、ね? 降りたらアイス食べましょ」

「アイス!」


 交渉成立ー♪アイスは正義、だよ☆


「ねね、彩お姉ちゃん、進、見て見て! 遠くに大きな山が見えるよー♪」

「切り替え早っ!」

「本当、綺麗な山ねぇ」


 流れについてこれない進と、山を見て息を漏らす彩お姉ちゃん。


「即座に環境に適応できない種は、絶滅するのよ……」

「えっ?」


 私が言うと、進はきょとんとした顔になる。


「いやいや、こっちの話! あっ、それよりグライダーやってる人がいる! 気持ち良さそー」

「ほんと、和やかねぇ」

「……」


 進はまたもや私と彩お姉ちゃんの会話について来れず、頭を抱えていたのでした。ちゃんちゃん♪

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