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ちあふる☆じゃーにー ~三人姉弟の電車旅~  作者: 霧南
西園寺-さいおんじ-(8月11日)
29/48

■4■ 夏だ、お寺だ、肝試し!

「「「肝試し!?」」」


 私と彩お姉ちゃん、そして進は見事にハモってしまった。


「ええ。そこの墓地でみなさんやっていくんですよ」


 ぼーさんはご飯を呑み込んでから言った。


「結構スリルありますよ」


 そう言ったのは、眼鏡をかけたぼーさんのお弟子さんの一人、眼鏡ぼーさん。


「そうそう、この前なんか、失神した人とかいたしなぁ」


 もう一人のお弟子さんが笑って言った。お気楽ぼーさんだ。


 私たちは横に並んで、三人のお坊さんと向かい合った形で食事をしている。正座をしているから少し辛い。


「墓地を抜けて、社にある紙を一枚ずつ取ってくるという、単純なものです」


 ぼーさんが笑って言った。


「なんか、面白そうじゃない?」

「そうだねー。なんかワクワクしてきちゃう☆ ね、進?」


 進を見ると、進は青白い顔をして震えていた。


「えっ? あ、う、うん、そうだね」

「どうしたの? 顔色悪いよ? 寝すぎた? 風邪ひいた?」


 進の様子がおかしい。明らかに挙動不審だ。


「そ、そんなことないよ。ただ……」

「ただ?」

「なんか、急にお腹が痛くなったから、肝試しは遠慮しておくよ、うん」

「はっはーん、さては、進……怖いんだねー?」


 ビクッと進が明らかに動揺する。


「そ、そんにゃことなひよ!」

「あハハっ! 舌が回ってないよ」


 みんなでドッと笑い出す。


「ハハハ、坊主、怖いのか」


 お気楽ぼーさんが進の頭をわしゃわしゃする。


「そ、そんなことない。そもそも科学的に考えて幽霊というものは……」

「まぁいいでしょう。怖いなら三人で行っても構わないですぞ?」


 ぼーさんはあっはっは、と豪快に笑いながら言った。


「だ、大丈夫だよ! ちょっと武者震いしただけ!」


 進はとっさに口から出てしまった、とばかりに口元を押さえた。有言実行、これで後には引けないね♪

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