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9/23

★9 美少女とショッピングモール!

よろしくお願いします。


日曜日の朝、目覚めると雨がシトシトと振っていた。


そういえば、先日、梅雨入りしたってニュースが流れて、

今日は昼から大雨だって言ってたな・・・


時間はまだ8時。瑞希にラインで連絡した。


「昼から大雨だって。もうすぐ期末テストだろ?

今日は家で勉強した方がいいよ。」


すぐにスマホが着信音を鳴らした。

うん?ラインじゃなくって、電話か?


瑞希だ、早い!

「もしもし?」


「おっはよ~。昼から大雨なの?じゃあ、自転車で行けないね。」

あれ、すぐに電話してきたのに、珍しく素直だな・・・


「うん、今日は家で勉強したらどうかな?」

「うん、そだね~!あっ、ちょっと待ってね!」

ガチャ、バタンと音がした。なんだろう?


「あれ~、冷蔵庫の中、なんにもないぞう~

あれ~、牛乳がないぞう~、玉子がないぞう~

あれ~、米までないぞう~

雨なのになあ!

傘さして、米とか牛乳とか、私の細腕で持って帰れるかな?

う~ん、困ったな、どうしよう?」


ワザとらしく、セリフが棒読みだ!

たぶん、嘘だろうけど・・・


「・・・何が言いたい?」

「車でお買い物、行きたいなぁ。ショッピングモール、行きたいなぁ。

誰か、車を家の前に着けてくれないかなぁ。

そんな親切な人、どこかにいないかなぁ。」


「くっ。分かったよ。9時40分に迎えに行くから、家で待ってろ。」

「わ~い、ありがとう!」

・・・

ショッピングモールにケーキ屋さんがあることを思い出した。


「瑞希、もうすぐ誕生日だよね。おめでとう。

ちょっと早いけど、ケーキか、アイスクリームでも食べないか?」


「いいの!ありがとう!

う~ん、アイスか?アイスなのか?そうなのか?」


ルンルンと歩いていた瑞希は難問に遭遇したように悩み出した。

なんて、わざとらしい!可愛いけど。


「うん、やっぱりケーキで!」

ケーキ屋さんのショーウインドウを見て瑞希は堕ちた。


瑞希はザッハトルテを、俺はイチゴショートを選んだ。


「イチゴショート、一口、食べる?」

「いる~!ありがとう!うんま~!」


目を細めて喜ぶ瑞希。うん、一口あげてよかったよ。


「はい、優真さん、あ~ん!」

俺の口の前にニマニマした瑞希がザッハトルテを差し出した。


照れたら負けだ。自然に、滑らかに感想を述べるんだ!

「いただきます!うん、コレ、美味しいな。甘すぎないし。」


「うぷぷ。JKと間接キス!どう、どう?」

ニマニマした瑞希がグイグイ攻めてきた。


「ふ、ふんだ!幼なじみとは何度かしたもんね!」

「ツンデレか!そんなのず~っと前じゃん!」

ニマニマしている瑞希の視線がいたたまれない。


「ほっといてくれ。お前はどうなんだ?」

「うん?」

「男と間接キス、よくしてるの?オッサンとして大丈夫なのか?」

瑞希ははっと赤面して下を向いた。


「・・・初めて。」

小さすぎて聞こえなかった。

「なんて?」

「初めてだったの!」

恥ずかしがる瑞希を見ると、俺も恥ずかしくなってきちゃった・・・


・・・

ケーキを食べ終わると瑞希が俺の目を覗き込んで、

忘れていた重大案件のように話し出した。

「・・・梅雨が終わると夏休みだよ!」

「期末テスト忘れてないか?」


「うん。ねえ、また50番以内だったら・・・」

「遊園地は無しだぞ!」


中間テストを思い出して、慌ててダメだしした。

最近、瑞希に対する課金が酷かったからな・・・


「ゴメン!高校になってから初めてのテストだったから、

自分がどのくらいか分かってなくって。無理だと思っていたんだよ。

それに、乗り放題を付けたら、あんなに高いと知らなかって・・・

その前は服まで買ってくれて。ホントにありがとうね。」


いつものお気楽な調子でなく、真剣に謝られて、お礼を言われてしまった。

貧乏だって言ってたから、課金が高額になったことを気に病んでいるようだ。


「うん、俺も凄く楽しかったから後悔なんて全くないけど、

流石にあんなのはしばらく無理だから。」


「うん。ねえ、あの遊園地にプールがあったでしょ?

自分の入場料は払うから、連れて行ってくれないかな?」


上目遣いで可愛らしくお願いしてきた。

目をパチパチして、あざといわ!可愛すぎるわ!


「・・・50番以内だったら、全然オーケーかな。いいよ。

でもお金は大丈夫なのか?」


「うん!学校にも、お母さんにも頼んで、

夏休みだけアルバイトしてよくなったんだ。だから大丈夫!

あとね、花火大会行きたい!夏祭り!盆踊りも!

キャンプ行きたい!バーベキュー!魚釣り!花火!海!山!川!」


プールに連れて行ってもらえるとわかった瞬間、

満面の笑顔になった瑞希は弾けた!


「うぉ~い!無理だから!そんなの無理!友達と行けよ!」

「うん、友達とも行くんだけど、車が無いとダメな所あるでしょ?

ねえ、おねが~い、キャンプ道具揃っているじゃない!ねえ!」


「なんでそれを?」

「この前、優真さんの部屋、掃除しながら物色しちゃった!えへっ!」


「そういえば・・・てか、やっちゃダメだろ?」

「この前、醤油を切らして買いに行ってもらった時だよ。

でも、イヤらしい本、ないんだね?」


「いや、だからダメだって!ふう~。

門限あるんだろ?泊まりなんてもっての他だろ?」

「親友の紬ちゃんが一緒ならいいって!」


「ホントかよ?」

「ホント、ホント、じゃあ、日程決めようか!」


「くそっ、俺も忙しいんだぞ!」

「分かってる、分かってる。毎週、日曜日が空いてるってね!」

笑顔の瑞希は俺の手帳を取り上げ、

まずはプールとキャンプの日程を書き込んだ。


「おい、勝手に書くな。」

「大丈夫、大丈夫。じゃあ、この日はこれでね。」

はあっと盛大にため息をついて、受入れた。


「じゃあ、水着を買いに行こう!私に似合うの選んでね!」

「ぐはっ!それは、ちょっと無理。」


「ちょっとでしょ!ガンバ!」

「ちょっとじゃなくって、全然無理・・・」

アワアワしている俺の手を意地悪な笑顔の瑞希が引っ張った。

・・・

水着コーナーに拉致されると、瑞希はいくつか水着を選んで

試着室に向かった。


しばらくすると呼ばれてしまった。

「どうかな?」


カーテンを開くと、オレンジを基調にしたワンピ―スの水着の瑞希が現れた。


前に言ったからか、ホントになのか、恥じらっていた。可愛ええ~


他の野郎どもの視線を遮るようにカーテンを少し閉じ、ポジションを変更した。


派手な水着がよく似合っていた。

真っ白い手と足が長く、美しかった。


胸は物足りないものの、腰はしっかりと括れていた。

「うん、可愛いよ。」

上から下まで見直してから褒めると嬉しそうに微笑んだ。

「じゃあ、次ね。」

と言って、カーテンが閉じられた。


「いや、それ、メチャクチャ似合っているよ。」

一刻も早くここから逃げ出したい俺は慌てて伝えたけれど、

「もう少し待ってね。」

と答えられ、衣擦れの音が聞こえた。


2着目は赤ビキニだった。

色っぽさはあんまりだったけれど、これも似合っていて可愛かった。


3着目は、カーテンから顔だけ出して声を掛けられた。

顔は真っ赤で目が泳いでいる。


近づくとカーテンが閉じられ、

「顔だけ入れて。」

と言われた。


「ホントに覘くよ。」

一言かけて覘いた。


頬を染め、ナナメ下を向いていた瑞希の水着は面積が少なすぎた!

正面も面積は極狭く、大事な所以外はほぼヒモじゃないか!

「あわわわ!」

姿見に後ろ姿が映っているが、お尻が半分以上、見えているぞ!

だけど、この水着は巨乳じゃないと似合わないヤツだ。

つまり・・・


「ど、どうか、な?」

「ノーコメント!」


すぐに逃げ出した。

着替えて試着室から出てきた瑞希に何度も背中を殴られた。


読んでくれてありがとうございました。


面白ければ評価をお願いします。


また明日更新します。

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