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8/23

★8 優真さんと遊園地!

よろしくお願いします。


日曜日、朝8時、私の家の近くのコンビニで待ち合わせした。


5分前に着くと、優真さんがカフェオレ片手に店から出てきた。


「おっはよ~、じゃあ遊園地に向かって、しゅっぱ~っつ!」


中間テスト頑張ったらご褒美ちょうだいって言ったんだ。


そしたら50位以内だったら、ご希望の遊園地に連れて行ってくれるって

言うから、マジで勉強したら50位以内に入れたのだ!

イエス!


サファリと遊園地、さらにアトラクション乗り放題を組み合わせると

かなりの高額になるらしく優真さんは青くなっていた。


先週も予定外の私の服を買うことになっちゃたしね。


だから、会社から割引券をもらってきたみたい。


ホントは遊園地のお店で食べたかったけど、

少しは節約しないと申し訳ないから、お弁当を作って来たよ。

優真さんの胃袋は離さないよ!


本格的な遊園地もサファリも行ったことがないから、超楽しみ!


「遊園地とサファリ、どっちから行くの?」

「遊園地で!」


「おっけー。どれから乗りたいんだ?」

「まずはループしないジェットコースターから!」

・・・

どひゃー!結構、楽しいよ。うん。


優真さんもへっちゃらそうだから、全部、行っちゃうよ!

乗り放題だしね!


「楽しかったね!じゃあ、次はループするヤツ!」


ジェットコースターがゆっくりと頂上に近づいて行く。

ドキドキが大きくなってきた。


ちょっと!いつまで上がるの!高すぎる!怖すぎる!助けて!

「ぎゃー!」


すんごい勢いで落ちてからぐるんと回転した!今度は急カーブ?

なんなの~


永遠に続くかと思ったジェットコースターが停止し、

ふうっと一息ついた。


あ~、怖かった!

だけど、メチャクチャ楽しい!


うん?なんで優真さんと手を繋いでいるの?

慌てて手を離した!


「くくくっ、今頃、気付いてやんの!照れてやんの!」

「イジワル!」

ニヤニヤしている優真さんの肩をばちっと叩いた。

・・・

4種類のジェットコースターを制覇した次は観覧車に乗った。


ゆっくりと上がっていく観覧車。


友達の一人が、観覧車でファーストキスしたって言ってた!


さっきまで保護者で、お父さんか、親戚のお兄さんって思ってたのに!

なんか緊張してきた!ドキドキが止まらな~い!


「プ、プ、プール、色んなスライダーがあるね!」

10分位乗っていたのに、言えたのはこれだけ。


この遊園地は比較的人が少なく、並んでいないので、

3時間ほどで興味あるアトラクションを制覇することが出来た。


少し遅い昼ご飯はベンチに座って、私が作った弁当を食べた。


「天気もいいし、弁当も美味い。最高だな!

ホント、瑞希の作ってくれた料理は美味しいな!」


優真さんはいつもちゃんと美味しいと言ってくれる。

笑顔になってくれる。幸せがじわーっと広がっていくよ。


「でしょ?我ながら料理は絶品なんだよね!」

「うん、良い奥さんになれるよ!」

「んがくっくっ!」


「なにその反応?面白すぎだろ?」

ニヤニヤしながら、優真さんが顔を覗き込んできた!


「ウルサイ!」

私が叩きやすいように左肩を差し出してきた。

こんなところも良いカンジ!

・・・

弁当を食べ終わったら、優真さんの車でサファリを回ることにした。


猛獣セクションから始まり、まずはチーターがいた。


「何々!足がめっちゃ長くて、スマート!顔が小さくて可愛い!」

1頭のチーターが近寄って来た!


「優真さん、来たよ!近いよ!目が合ってるよ!

可愛い!ねえ、頭、ナデナデしたい!」


「ダメダメ!自分の頭をナデナデしておきな!」

「うん、分かった!」

って優真さんの頭をナデナデしたあげた。ぐへへへ!


「こら、俺はチーターじゃない!」

「バレた!」


こんな感じで楽しくしていたのに、

ライオンの雄が雌に覆いかぶさって、腰を振っているもんだから、

また話せなくなっちゃったよ!あの、エロライオンめ!

・・・

帰りの車の中、流石に話すネタが尽きてしまった。


私は結構、モテる。

同級生の男の子たちから何度も告白された。全部、断っているけど。

いつも相談している親友の紬ちゃんは不思議そうだった。


「瑞希ちゃんってどんな人がタイプなの?」

「えっと、同級生の男の子はなんだか子どもに思えちゃうんだ。」

「そうなんだ。年上好きなんだね?」

「う~ん。どうなんだろ?年上って先生くらいしか知らないし・・・」


男の子とはグループでしか遊びに行ったことがなかったのに、

毎週、優真さんと二人っきりになってる。


・・・私は優真さんのことをどう思っているんだろう?

うん、色々、シミュレーションしてみよう。


まずは・・・担任の茅本先生。28歳かな、ほんわか美人。割と好き。

茅本先生が優真さんと付き合って・・・ってイヤ!

イヤ、イヤ、イヤ!絶対にイヤ!


ふう。次は・・・

優真さんが私に壁ドンをしてキスを迫ってきた・・・


うん、しちゃうね、キス。初めての。あげちゃうわ!


でも、優真さんは私をお子ちゃま扱いしているから、

そうなるには私が好きって伝えるしかなさそうだけど・・・


ないわ。ないわ~。

それはないわ。うん、ない。


私は両手をじっと見てみた。

ジェットコースターで初めて手を繋いじゃったけど・・・


覚えているのは、右手はいつもお母さんと繋いでいて、

左手はいつも空いていたこと。

他の子どもたちが両親と両手を繋いでいるのが羨ましかったな・・・


私の右手はお母さんの左手と、私の左手は優真さんの右手と繋いでいる・・・・


うん、イヤじゃないな。

うん、嬉しいな、すっごく。


恋人より、家族に、お父さんになって欲しいのかな・・・


読んでくれてありがとうございました。


面白ければ評価をお願いします。


また明日更新します。

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