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7/23

★7 美少女とグルメイベント!

よろしくお願いします。


木曜日に中間テストの結果が発表されたらしく、

瑞希からラインが届いていた。


何度も。


『見て、見て!ホラ、39位!頑張ったでしょ!凄いでしょ!

遊園地、連れて行ってね!』


『返事、ま~だ~?』

『今更、行かないなんて無しだからね!』


『優真さ~ん!無視されたら、私、泣いちゃうよ?』

『・・・』


取引先の発注ミスの対応に忙殺されて、

返事がメチャクチャ遅くなってしまったら、こんな具合に連投されていた。


お昼から1時間ごとだったので、瑞希なりに気を使ってくれていたのに、

無視し続けてしまった。


あのクソ担当者め!自分の発注ミスをこっちのせいにしようとしやがって!


そのせいで瑞希に連絡が出来なくって、不安にさせ、

悲しませてしまったじゃないか!


19時過ぎに、職場から出るとすぐに瑞希に電話した。


1コールで出てくれた!

もしもしも言ってくれないけど。気配が剣呑だけど。


「ゴメン!遅くなった!」

「・・・」


「す、凄いよね、39位って。頑張っていたもんね!」

「・・・」


「ゆ、遊園地、行こうね。ああ、瑞希と行く遊園地、楽しみだな、

あはははは。」


「・・・次はないからね!」

「ひゃい!あ、あの、瑞希さん?お願いがあるんだけど。」

「・・・なに?」


「遊園地は次の週にして欲しいんだ。

仕事に活かすため、今週は岡山県である地域グルメのイベントに行きたいから。」


「行く!」

うぉ!入れ食いだ!


「行くの?遠いし、人が一杯で行列に並んで食べるだけだよ?」

「私が行けば、全部半分こになるから、倍の種類、食べられるよね?

ご馳走様!」


「うぉい!ちゃっかりしてんな!」

「うん、ご馳走様!」

くそっ、抜群の笑顔が目に浮かぶわ!

・・・

日曜日朝8時、瑞希の家の近くのコンビニで待ち合わせした。


10分前に着くと、瑞希がコーヒーカップ片手に店から出てきて、

俺を見つけて笑顔になった。


ソースや汁物なんかで汚れるかもしれないから、

今日もパーカーにジーンズだけど、おい、やっぱり可愛いな、チクショ~


「おっはよー!早いね!はいこれ、カフェオレ!」

「おはよう。ありがとう。早速行くぞ!」


「楽しみで、目覚まし鳴るより早く、起きちゃったよ!

今日はいっぱい食べようね!」


「ああ、この1週間、胃を大きくするため、

毎食、大盛にしていたからな。イケるぜ!」


「お腹ぷよぷよになってない?」

俺のお腹を人差し指でつんつんしてきやがった!


「あ、こら、危ないだろ?」

「ゴメンなさい。・・・でも、カッチカチだね?みんなそうなの?」


「30代になると鍛えていない奴はぷよぷよだよ。

俺は割と鍛えているからな。」


「凄いね~。33歳だったよね?誕生日はいつなの?」

「8月25日だ。」


瑞希をチラッと見ると、こちらを期待の目で見ている。

これか、狙いは?


「・・・瑞希の誕生日はいつ?」

「7月1日だよ!」

「・・・もうすぐだな。」


「うんうん、期待していいかな?いいとも~!」

「おい、期待なんかするなよ?」


「うん。期待なんてしてないよ!期待しないで待ってるよ!待ってるからね!」

わざわざ、耳元で、少しずつ声を大きくしていく瑞希。

「期待してるじゃね~か!」


「てへっ!あっ、全然話は変わるんだけど、お願いがあるんだ。」

「なに、まあ、言ってみなよ。」


「この車でかかっている音楽さ、全部20年くらい前だよね?

私も好きなんだけど、もう古いよね!」


「ぐはっ!俺の青春の名曲たちが!古いのか!」

「うん!友達は誰も歌ってないね。だから、流行っている歌を掛けさせてね。」


最近、全然テレビなんてみないから、どの歌も知らなかった。

アーティスト名を言われても、半分以上、知らなかった。

もう、俺はオッサンなのか、ぐすん。

・・・

かなり早く到着したから行列が短かったので、

俺は焼きそば、瑞希はぎょうざと別々に並んだ。


すぐに俺は焼きそば、瑞希はぎょうざを手にして、

二人が合流したころにはどのお店も長蛇の列となっていた。


お互いの皿をつつきあう。

「うん、焼きそばで何故タレって思ってたけど、美味しいね。」

「うん、こっちの餃子もかなり食感が違うわ。でもいいカンジ!」


二人とも笑顔だった。美味い物を食べると笑顔になっちゃうよな。


次はタコヤキに二人で並んでくだらないことを言って、

ボケて、突っ込んで、笑っていた。

・・・

お昼近くまで6品食べて、二人とも満腹感を感じてきた。

だけど、次の行列に並ぼうかと歩いていた。


「あっ、あのソバはどうかな?」

瑞希が急に方向転換すると、走ってきた男の子とぶつかってしまった!


「きゃっ!」

お互い止まろうとしていたのだが、軽くぶつかってしまい、

男の子が持っていた、なみなみと入っていたオレンジジュースが

瑞希にぶちまけられた!


瑞希の服は上から下までオレンジ色に染められた!


ビショビショになった瑞希は半べそをかいていた。


「ゴメンなさい!」

男の子が大きな声で謝ったが、

追いかけてきたお母さんに思いっきり拳骨をくらった。


「このバカ!走るなって言ったでしょ!

ごめんなさい!ああ、どうしよう?」

お母さんは瑞希の余りの惨状にオロオロしていた。

瑞希は瑞希でショックの余り、なんにも言えない状況だ。


「着替えはあるので、大丈夫ですよ。もう、叱らないでくださいね。

ぼく、もう走っちゃ駄目だよ。瑞希、行くよ。」

「う、うん・・・」


「すいませんでした!ホラ、あんたも!」

・・・

車に戻ると、常時積んでいる大きなリュックを渡した。


「この中に、タオル、シャツとジャージが入っている。

かなり大きいだろうけど、これに着替えて。

歩いて10分のところに、「しまくら」があるみたい。

着替えたらそこに上から下まで、下着も買いに行こう。

誕生日プレゼントだよ、かなり早いけど。可愛いヤツ、選びなよ。」


「えっ!ホントにいいの?」

べそをかいていた瑞希がようやく立ち直った。


「じゃん!どうかな?」

笑顔で車から飛び出してきた瑞希。


ブカブカのジャージなのに、なんだか可愛らしい。

これは、寝室だったら破壊力さらに倍だったな。


「くそっ、こんな恰好でも可愛いってなんなんだ、お前は!

よし、写真撮ってやる!」


「ええ、いやだ、恥ずかしいよ!止めてよ~

子猫のポーズ!」

「女豹のポーズ!」

「必殺!レッサーパンダのポーズ!」

「それ、ぼーっと立ってるだけ!」

俺のツッコミを待ちながら、色んな表情で、色んなポーズをキメる瑞希だった。


読んでくれてありがとうございました。


面白ければ評価をお願いします。


また明日更新します。

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