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★2 美少女を家まで送った!

よろしくお願いします。


本日、もう1話投稿します。


5分ほど早歩きしていると24時間営業のファミレスが見えた。


「なあ、俺はここで晩ご飯を食べるけど、君はどうする?

奢ってやってもいいけど。」

「ホントですか!ありがとう!」

ずいぶん、嬉しそうな声が聞こえた。


外が見えない席を選んで座ると、

女の子は物珍しそうにキョロキョロしていた。


俺は親子丼セットを頼んだ。

店が違うから少し落ちるけど、今晩は親子丼が食べたいんだ!


女の子は楽しそうに悩んでからイチゴのパンケーキセットを頼んだ。


明るい光の下で改めて女の子を観察した。


その子は高校生だろうか?

かなり若いっていうか、俺から見ると幼い。


短い黒髪、くりっとした大きな目でメチャクチャ可愛い。


一瞬、間違えた幼なじみの冬美は超絶キレイだったから、系統が違う。

なんで間違えたんだろう?

あえて言えば口元が少し似ているくらいだな。


俺がジロジロと凝視していることに気づいた女の子はニッコリとした。

「あの、助けてくれてありがとうございました!」

満面の笑顔になると可愛らしさが一層、増した。


「それはいいけど、こんな遅くに何してんの?」

「実は母親とケンカして家出を・・・」


「はあ、何やってんの?食べ終わったらすぐに帰れよ?」

笑顔はしぼんでしまったが、俺の言葉に弾けた。


「イヤです!最近、毎日ケンカしていてもう限界なんです!

・・・お願いです。一晩でいいので、泊めてもらえませんか?」

手を組んで、目をウルウルとさせている!


表情がクルクル変わってホントに可愛いな!

だが、俺はロリコンではないからな。


「バカか?女の子が知らない男の家に泊まるなんてダメに決まっているだろ?

あっと、まずは親に連絡しろ。」

また、しおしおとしぼんでしまうと、小さく呟いた。


「・・・母の電話番号、覚えてないの。スマホ、充電なくなっちゃったし。

ちなみに財布の中身はあと100円。」


「ホント、バカなの?」

「ひどい!!」

俺がついバカにしてしまうと、プンスカ怒りだした。


「しょうがない、送ってやるよ。家はどの辺りだ?」

「あんな家、帰りたくないんだけど・・・」


「あんな家って言うけど、お前、ちゃんと愛されているだろ?

大切にされているだろ?」


「そんなことない!自分が面倒だから、私になんにもさせてくれない!

門限が6時なんだよ?高校生なのに!

部活も、友達と遊ぶことも、恋も出来ないじゃん!」


親に対する不平不満が爆発して、本気で怒っていた。


「門限6時はあれだけど、話した感じ、お前はちゃんとしているし、

親の文句は言っているけど、嫌悪してない。

それにホントに毒親だったら、お前の目はそんなに輝いてないよ。」

「うっ・・・」


女の子が黙り込むとちょうど親子丼セットとパンケーキセットが運ばれてきた。


「良かったら名前を教えてくれないか?

俺の名前は守屋優真もりやゆうま。会社員だよ。」


リセットして落ち着いた笑顔を見せると、女の子も少し微笑んだ。

「私は上条瑞希かみじょうみずき。元町高校1年です。」


「へ~、市内で一番賢い学校だよね。凄いね。」

「ふふん。バカ、バカって言ってたけど、見直した?」

少し褒めるとたちまち調子に乗った!ははっ、面白いわ、コイツ!


「勉強は賢くても、行動はバカだよな。」

「べ~だ!」


ついからかってしまうと怒って舌を出した。

やっぱり百面相で面白可愛いわ。

守備範囲外だけど。


瑞希はパンケーキセットを、目を輝かせながら食べた。


ホントに親の束縛がキツいせいか、ファミレスに来ることが珍しいみたいだな。


食べ終わるとこの店までタクシーを呼んで、まずは俺の家に向かった。

タクシーの中では瑞希は黙り込んでいた。


マンションに着くと、すぐに駐車場に向かい、我が愛車ワゴンZに乗り込んだ。


「ねえねえ、守屋さんってこのマンションに住んでいるの?

何号室?一人暮らし?結婚しているの?」

我が愛車に乗るとさっきまで違って一気に食らい付いてきた!


「ええい、質問が多すぎる!まず、お前の家はどこだ?」

教えてもらった住所をナビに入れると、ここから10分くらいだった。


「私、助手席初めて!やった~!」

無邪気に喜ぶ瑞希を微笑ましく思いながら、

ゆっくりと走り出し、質問に答えていった。


「俺はこのマンションの401号室に住んでいて、一人暮らしの独身だ。」

「へ~、独身なんだ。結構カッコ良くって、メチャクチャ強いのに!

もしかしてバツイチなの?あっ、バツ2?」


カッコいいって、強いって言われて鼻高々だったから、

そこで止めとけよ!


「うるせ~。結婚なんてしたことないわ。

先に言っとくけど、カノジョもいないぜ!」


「なぜ、得意げに・・・はっ、もしかして男が好き?」

ワザとらしくドン引きする瑞希。


「違うわ!女の子、大好きだわ!」

「マジにしてやんの、うぷぷ!」


くそっ、バカにしてたら、しっかりと返されてしまった。

生意気な女子高生め!

この会話のラリー、負けるわけにはイカン(笑)!


「そういうお前は鼻ピアス野郎、タンクトップ入れ墨野郎、頬切り傷野郎と

バリエーション溢れる男に好かれていてうらやましいわ。」


「意地悪な口はこれか!」

ほっぺをぎゅうぎゅうにつねられた。


コイツ、倍の年齢の男に遠慮がねえわ。面白いわ!


そうこうしているうちに、瑞希の住んでいる県営住宅の前についた。

302号室らしいが、灯りがまだ点いていた。


「心配して待ってるんじゃない?ちゃんと謝れよ。」

「うん、そうする。ホントにありがとうね。

・・・あの電話番号、教えてくれないかな?またお礼、したいし・・・」


さっきまでとは打って変わってしおらしくなった瑞希。

やっぱりちゃんとしているよな、コイツ。


「お礼は不要だけど・・・090×××××××××だ。」

家に戻って、風呂から上がるとショートメールが届いていた。


「母がちゃんと待っていてくれて、メチャクチャ泣かれてから

すっごく叱られました。どうもありがとうございました。」

ホッとしたよ。



読んでくれてありがとうございました。


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