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★17 美少女と花火大会!

よろしくお願いします。


高評価、ブックマークありがとうございます。


「彼女を尾行してみた!」を投稿しました。よろしくお願いします。


夏休みに入って最初の土曜、花火大会の日、

突然、広報の松室奏まつむろかなでから呼び出された。


連れて行かれたそこは花火がよく見える高層ビルの最上階、高級フレンチレストランだった。


「おい、凄いな。こんな所、よく予約出来たな?」

「まあね。半年前の予約競争に勝ち抜いたの。」

それは分かる。


「・・・なんで俺なんだ?カレシいたよな?」

「・・・別れた。・・・アイツ、浮気していやがった!」

いつもにこにこ微笑んでいる奏が怒っていた。


「今日、プロポーズさせるつもりだったのに!」

「・・・えっと、せっかくだから、楽しくいこうや。」

・・・

高級フレンチは最高に美味しかった。

店内の雰囲気も最高だった。ただし目の前は除いて。


酒に強い奏だが、グラスワインをかぱかぱ飲み干していた。

赤、白、スパークリング、赤、白、スパークリング。

2周終わるとへべれけになっていた。


「ねえ、優真、カノジョ出来たんでしょ?なんで私に報告しないのよ~」

「彼女なんていないよ。」


「じゃあ、なんで遊園地の割引券、2枚もらったの?

2枚、2枚、2枚、2枚、2枚、2枚。」

くそっ、百里のやつ、バラしやがった!


「なんで私を誘わないのよ?優真が誘ってくれるの、ずっと待ってるのに!」

奏の目が完全にすわっている!


「カレシ、いただろ?」

「待ってたの!それなのに初対面の営業先の女に手を出すなんて!」

米谷、お前もか!ペラペラと話しやがって!


そのとき、巨大な音とともに目の前で花火が花開いた!

うぉ、凄い!迫力がケタ違いだ!


俺を追及していた奏も呆然として黙り込んだ。


しばらく花火を堪能していたらスマホが震えた。

瑞希からだ!いつもはラインなのに電話だ!


急いで店の外に出ながら受話してみた。

「・・めて!いいだろ?・・めてったら!・・・」

瑞希が!男につきまとわれているのか!


この花火大会に来ているハズ!

「奏!悪い、先に帰る。」


「えっ、あっ、ちょっと!」

5万円を手渡し、エレベーターに駆け込んだ。


位置情報アプリを立ち上げた。割と近い!


走り出して3分、いた!瑞希だ!1人で花火を見ている!なんで?


「やっほ~。」

俺を見つけた瑞希が笑顔になって手を振った。


白い生地に色んな色の朝顔の花が咲いている浴衣を着ていた。

いつもは可愛いって思うけど、今日は綺麗だった。


「なんで?どういうこと?」

「ゴメンなさい!」

瑞希は表情を改め、深く頭を下げた。


「高級フレンチに行くって聞いたから、ちょっとイタズラしてみようかなって。

あっ、でも、すぐに電話したし、ラインもしたんだよ!」


はあっと大きく息を吐いて、膝に手をついた。

「勘弁してくれよ。メチャクチャ焦ったよ。」


「ゴメンね、デート邪魔しちゃって。」

「いや、デートじゃないし。料理は全部終わっていたからまあよしとしよう。」

「ホントにゴメン。」


「俺も瑞希と花火見れて嬉しいけど、もう2度とするなよ。」

俺の言葉に瑞希ははにかんだ笑顔を見せた。


「もうしない。来てくれてありがとう。ホントに嬉しいよ。」

おい、その表情、初めてだぞ!可愛いな、ちくしょー。


「ところで、なんで1人なんだ?」

「えっと、クラスのみんなと来たんだけど、

男の子と二人っきりになっちゃって・・・」


「告白されて、ゴメンなさい、か?」

憮然として瑞希は肯いた。


花火が終わった。久しぶりに間近で見た花火は感動的だった。

「じゃあ、ちょっと遠回りして帰ろうか?」

「えっ、なんで?」


「最寄り駅で高級フレンチの人とばったりしたらイヤだから。」

「ゴメンね。」

ゆっくりと歩き始めた。


瑞希は浴衣、草履が慣れていないのだろう、歩きにくそうだった。

タクシーを見つけたら、捕まえよう。


「足は痛くない?まだまだ歩ける?」

「うん。・・・手を繋いでくれないかな?右手。」


「いいけど、なぜ右手限定?」

右手を差し出すと、嬉しそうな瑞希の左手と繋がった。

「お母さんと繋いでたのは右手で、ずっと左手は空いてたんだ。」


「そうか。・・・でも、手を繋ぐって嬉し恥ずかしだな。

外で手を繋ぐのは冬美と繋いだ小学校以来だ。」

そわそわして、恥ずかしくって、正直な気持ちを言ってしまった。


「うわぁ、笑劇のカミングアウト!

優真さんって武闘家だと思っていたら、

DT魔法使いにジョブチェンジしてたんだね!」


頬を染めた瑞希がにんまりと俺の顔をのぞき込んだ。

「あっ!あの、さっきの話は無しってことで・・・」

「え~、どうしようっかな?」


「忘れろ!忘れるんだ!」

繋いだ手をブンブン振ると瑞希の笑顔は大きくなった。


「じゃあ、お高くて、美味しいモノを奢ってね!」

「ぐはっ!」


読んでくれてありがとうございました。

面白ければ評価をお願いします。

また明日更新します。

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