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エスプレッソの悪戯
君の瞳に映る景色は桜色
いや、むしろピンク色
春を待ち焦がれて
冬に凍えているのに
大地の下のマグマのように
人生の美味しさを求める心は
100℃を超えている
君の首筋やうなじを通る血管の
透ける赤みは
ぼくの食欲をそそる
苦く甘いコーヒーの香りに
君の汗の芳香を紛れさせて
本能のままに泣いている魂を
性欲に似た生命の勢いで
貪ってみたい
これはぼくの本能
清純な少女の潔さを保つ君を
止められない衝動で愛したいという
ぼくの生存の意義
アガペとエロスの狭間のぼくの魂
ダブルのエスプレッソを啜る時の
文学的な妄想の賜物