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詩を送る人に、贈る
雪が降る
寒気の中に
珈琲の焙煎の熱い空気が放出されている
夏は情熱を傾けて
妥協のない芳香と味わいを求めて
酸欠と脱水症状に気付かないほど集中して
収穫までの苦労を無駄にすることなく
最高の一杯の抽出に備えるべく
最善の焙煎をめざす
秋は
誰もが生活のゆとりに安堵して
食前や食後のための価値ある琥珀色の液体を
愛用のカップに注ぎ
天地創造の神の愛を思い
農園の労働者の未来を願いつつ
信頼して委ねる焙煎家の才能への祝福を
信仰の取次者に希う
春。
友と出かける喫茶房。
親切な店員とのささやかな交流も喜び
ぼくの人生に
コーヒーのない日はない
どこのお店の人であっても
珈琲を生業とする人となら
同じ夢を語れると思う
たとえ
彼らが創造の神を否定していても
自然を造られた神の愛を認めていなくても
人の進化と努力を喜ぶ神が隣りにいることを知らなくても
あと数年後
果たして神々は人を滅ぼすのだろうか?
地上から琥珀の飲み物をなくしてしまうのだろうか?
たとえばその時
アブラハムがヤハベに談判の祈りをしたように
ぼくはコーヒーの存続のために
人類の継続を乞い願うでしょう




