君の淹れた珈琲
君の淹れたコーヒーが香り立って
ぼくのリビングの空気を満たす時
シャワー浴びて来て
ほっと一息
フルのまっぱのままで
制服の姿の着替えもしていない君を
後ろから抱きしめる
いや抱きしめたい気持ちのまま
問題のないように衣服を探す
次からは君が居心地良く過ごせるように
君のくつろぎの部屋着でも買うために
一緒に街に行ってみようか
そんな君は
クローゼットの中から
着慣れたぼくのジャージと
最近のお気に入りの変な模様のTシャツを見つけて
照れくさそうに微笑んで
シャワー室に入っていった
ぼくはとっておきのウェッジウッドのソーサーとカップを
二組テーブルにセットして
コーヒーが冷めないようにポットごと保温して
君を待つ
君は天使だ
側にいると温かい
心が明るくなれる
すこし咎める気持ちになるが
君の仕事の汗を感じたくて
脱ぎ捨てた制服を手に取ってみる
君の許可をとも思うけれど
そんなの恥ずかしがって
断られるに決まっているので
それより中に入ればって
まるで見ているかのように
曇りガラスのような扉の奥から
君の声
本当は脱ぎ捨ててはいない
綺麗に折りたたまれた君の制服に重ねるように
今度は自分の服を脱ぎ捨てて
裸の君のところへ