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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

柴犬ホラー百物語

牛の首

作者: 柴犬

 ある日僕は何故か土に埋められていた。

 何故か。

 そう何故か。

 顔だけを外に出されている。

 土の中はひんやりして居る。

 恨まれた覚えはない。

 誰かを害した記憶はない。


 というか……何此れ?

 鉱石ラジオ?

 何で此処に有るの?

 意味分からん。


 御腹が空いた。

 物凄く空いた。

 喉が渇いた。

 ああ~~。

 何でだ。

 何でだよ。

 僕が何をしたと言うんだ。

 僕は何も知てないだろうに……。

 何でだよ……。

 長い時間こうしてるためかお腹が冷えた。

 ああ~~嫌だ。

 嫌だ。

 おしっこがしたい。

 したい。 

 したい。


 ラジオの音が煩い。

 どうすれば良い?

 

 く~~此処から出られない。


 糞。

 糞。

 あ~~糞。

 我慢だ。

 我慢すればまだ……。

 我慢。

 我慢。

 我慢。

 我慢だ。




 一時間後。




 う……。

 うっ……。

 うっ……漏らした。


 ああ~~漏らした。

 

 こんな年齢で漏らすなんて……。


 誰だよこんな事をしたのは。


 恨んでやる。


 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。


 僕をこんな風にしたやつ覚えてろよ。

 

 それから暫くした。

 時間は可也経過したと思う。

 多分。


 アレからどれぐらい時間が経過した?


 一時間か?

 二時間か?

 それとも……。


 まあ~~良い。

 僕をこんな目に遭わせた奴は酷い目に遭わせてやる。

 

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。

 糞。



 更に時間が経過した。

 糞……。

 喉が渇いた。

 喉が……。


 水。

 水が欲しい。

 

 あ~~。

 あ~~。


 水が欲しい。

 水。

 水なら何でも良い。

 だから水。




 更に時間が経過した。



 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。

 水。




 更に時間が経過した。

 

 意識が朦朧としていた。

 思考力がない。

 

 何も考えられない。



 バシャンッ!




 何かを掛けられた。

 うん?

 此れは水?


 僕は慌てて滴り落ちる水を口に寄せて飲む。

 足りない。

 全然足りない。

 

 追加で頭に水が掛けられる。


 其の水が口に入るように頭を上に向ける。

 ゴク。

 ゴク。

 うく……。


 ふう~~。


 少し満足した。


 気がついたら眼前に知らない男がいた。

 斧を持った。

 其れよりも僕の関心は男の足元。

 芋がある。

 サツマイモ。

 蒸したサツマイモだ。

 美味しそう。

 ぐう~~と腹が鳴る。

 お腹すいた。

 お腹すいた~~。

 現状を眼前の男に訴える。

 お腹が空いたと。

 無視された。

 

 何でだよ……。



 いやまて。

 まさか眼前の此奴が今の元凶?

 なら慎重にならないと。




 更に時間が経過した。



 お腹が空いた。

 お腹が空いた。




 更に時間が経過。


 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。 

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。 

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。



 更に時間が経過した。




 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。 

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。 

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。 

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。 

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。

 お腹が空いた。



 更に時間が経過した。




 空腹は限界を超え僕は狂気にもにた飢餓感に苛まれていた。


 思考力はない。

 有るのは唯の狂気。

 飢餓感を満たしたいという狂気。

 眼前の芋を食いたいと思う狂気。



 その時だ。

 眼前の男が動いたのは。


「頃合いか」



 其の言葉と共に視界が回転している。

 其れは良いっ!

 其れより食い物っ!

 

 サツマイモが大きくなっている。

 近づいているのだ。

 サツマイモに。



 口にサツマイモを入り其れを頬張る。

 美味い。

 



 其の感情を最後に意識が無くなる。








 犬神。


  飢餓状態の犬の首を打ちおとし、さらにそれを辻道に埋める。

 此れは人々が頭上を往来することで怨念の増した霊を呪物として使うためだ。


 また、犬を頭部のみを出して生き埋め。

 または支柱につなぎ、その前に食物を見せて置き、餓死しようとするときにその頸を切る。

 頭部は飛んで食物に食いつき、これを焼いて骨とし、器に入れて祀る。

 すると永久にその人に憑き、願望を成就させる。



 ということを主に教えてもらいました。

 今の自分が其の犬神だということを。


 首はねられてたんかい。

 此奴に。


 いつか殺す。


 何で人間の自分を犬神にしたんやっ!

 頭にくるっ!

























 十年後僕は自分の敵を取りました。 

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― 新着の感想 ―
[一言] 途中からまさかのワンちゃんかと思ったら人間だった!?(゜Д゜;) 衝撃に次ぐ衝撃。 ……でも待て? 自分を人間だと思っている牛という可能性も(ぇ そして最後……よかったね( ´∀` )
[良い点] ∀・)怨念にのって描かれし「牛の首」でしたね。因果はハッキリしていますが、その独自の文学感が魅せてくれる怪談でした。最後の文言が「お見事」です。 [気になる点] ∀・)これは……もしかして…
[一言] 怨念が見事に表現されていたと思います。 ラストに一言。 おめでとう。
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