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第42話 筋肉HEY!

 南の強国――ローラシア王国――。


「蒸し風呂とは言いませんけど、結構熱いですね」

「そうだね。私も来るのは初めてだけど、これは中々……」


 一応入国こそしたものの、まだジェノア王国との国境付近だってのにかなり温暖――いや、不快な暖かさを放つ地域のようだ。


「それでみんな海に行くわけでもないのに薄着なんですね。今までと気候も文化も違いすぎて、軽くカルチャーショック――」


 そのせいもあってか、町を行き交う面々や商人たちはラフすぎる格好――というよりも、殆ど半裸に近い。海パン姿の男や、三角ビキニとでもいうのか小麦色の肢体を放り出したような露出のとんでもない女の人も――。


「――い、っッ!?!?」


 行き交う人々に目をやっていると、突然頬が引っ張られる。


「アーク君、この間お話ししたばっかりだと思うんだけどなぁ?」


 困惑しながら声がした方へ目線を向ければ、ムスっとした顔つきで軽く睨んで来るルインの姿――。その白くて長い指は、俺の頬を掴んで離さない。


(あれ……またやらかしたのか?)

「静かな感じの女の子の次は、ああいう露出が激しい人……可愛い顔してるくせに結構見境ないのかな?」


 ダメだ。今回も理由がさっぱり分からん。純粋に服装に対する興味で見ていたわけで、そこに下心はなかった。ゼロとは言わないけど――。


「狼さんなのかな?」


 もしかして、鼻の下でも伸びてたのか――とはいえ、今はとにかく誤解を解かなければ、俺に左頬の肉がとんでもないことになってしまう。


「HEY! そこの痴話喧嘩してるお二人さん!」


 そんなこんなで、わちゃわちゃやっていた俺たちだったが、明後日の方向から聞こえて来た野太い声に呼び止められる。何事かと視線を向ければ――。


「この辺でそんなに着込んでるのは、お二人さんだけだぜぇ! うちで服を見繕っていかねぇか?」

「――うぇっ!?」


 これまた焦げた肌をしたゴリゴリのナイスガイが、威勢のいい声を上げていた。だが、それを目の当たりにした俺たちは思わず頬を引くつかせながら固まってしまう。


(こ、この露店商人……薄着というか、何も着てないと同じというか……開放的すぎる――!?!?)


 というのも、そのゴリマッチョな商人の格好は、中心の形が浮き出るほどピッチピチのブーメランパンツ。


「……っ!」


 無駄に厚い胸板を張りながら大声を上げる筋肉ダルマを見た時の衝撃は、顔を真っ青にしたルインさんが腕に抱き着いて来た事にすら反応できない程だった。


「ほら兄ちゃんも、この嬢ちゃんのから選んでやれよ! これなんてどうだ!?」

「へっ……!?」


 意味ありげな表情を浮かべた筋肉店主は小指を立てながら、細くて薄い服らしきものをルインさんの前に差し出して来る。


「ふ、服……? これが……か?」


 不意を突かれて受け取ってしまったルインさんの指に引っかかるのは、V字の紐のようなもの。


「こ、これって――ッ!?!?」


 それを見て疑問符を浮かべながら首を傾げている俺の隣で、俯いたルインさんの白磁の顔が熟れた林檎の様に真っ赤に染まる。


「服、布地の薄い……身体と同じ大きさって、まさかッ!?」


 指にかかっている紐の大きさは、ちょうどルインさんの肩口から股下くらいまでだ。それをルインさんが身に纏うという前提で彼女の体にスライドさせれば、隠さないといけない箇所だけを覆う形となり――。


「――っ、ぅぅぅっ!?!?」


 ボンッという音を立て、真っ赤に染まった俺達の顔から湯気が立ち昇った。


(何を考えてるんだ、俺は……!?)


 あの紐のような水着をルインさんが来ている姿を想像をしてしまったせいで、恥ずかしさのあまり隣に目を向けることが出来なくなってしまう。


「おぉん!? お二人さんは、初心(うぶ)だねぇ。駄目だぜぇ、兄ちゃん。こんなバインバインな嬢ちゃんを捕まえたんだから、ちゃんとやることがあるだろうがよぃ!!」


 だが、ゴリゴリの店主は、そんな俺達に対してニヤリと笑うと、ルインさんに目を向けて鼻の下を伸ばしながら陽気に腰を振り始めた。


(コイツ、思考回路と下半身が直結してるのか……。そういや、こんな感じのノリをつい最近体験したような……って言ってる場合じゃないか、隣のお姉様が怒りに震えてらっしゃる)


 踊る店主(わいせつ物)を見たルインさんが真っ赤になったままブルブルと身体を振るさせているのが、抱き着かれている腕越しに伝わって来る。


(それに……ルインさんがコイツに変な目で見られてると思うと、何かムカつくしな)

「お!? 何だいお二人さん! そんな怖い顔して……」


 とりあえずギルドに移動する前に、この変態にはお話をする必要がありそうだ。

因みに筋肉店主の出番は、この話で終わりです。

次回から、真面目な内容に戻ります。


パーティーメンバー


アーク・グラディウス

職業:処刑者

武器:虚無裂ク断罪ノ刃(処刑鎌)

防具:黒ノ鎧


ルイン・アストリアス

職業:武帝

武器:逆巻ク終焉ノ大刀(青龍偃月刀)

防具:金剛の武鎧


本作を読み、面白い、続きが気になるという方は……。

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― 新着の感想 ―
[一言] これナニがとは言わんが変態が潰されるパターンよなw ご愁傷様ww でもルインさんのセクシー(過ぎる)水着は見てみたいかも・・・
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