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未来童話  作者: 志風梢洋
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私達の世界は、この半球の中。

今現在、壁の向こう側に何があるかは誰も知らないし、誰も興味を持たない。

かつて、何かが起こって、どうにかなって、とんでもない状況に陥った、とだけ伝え聞かされている。

このドームはその「何か」から人という生き物を守るための城だ。


息苦しくない?


バカ言っちゃいけない。

ここには何だってある。


壁面に投影される景色はここに住む全ての人々のメンタルを健常に保つためコントロールされ、衣食住から公的サービス、娯楽に至るまで完全無償提供されている。


会社に向かう、なんて仰々しい表現をしたがそんな大層な話ではなく言うなればボランティアみたいなものだ。

このドーム内をより良く健全に運営するためのボランティアに過ぎない。


私の務めるこの【緑化機構】も例外ではなく有志の集まりだ。


ドーム内に植えられた植物の管理。

より良い影響を与えるためのデザイン考案。

植物を見た人々の影響をモニタリング、等々。






謝ろう。


またまた大層に話をし過ぎた。


ほぼ全てはAIによるもので自動化されている。

我々は突発的な事態に備えるために椅子に座って日々を過ごしているだけで、仕事なんて呼べるものは行ってはいない。


これが我々のドーム。

これが我々の生活。

死ぬまで続く平穏な日々、だ。





異変を知らせたのは小さな電子音。


『ピピピ…』


という初めて聞いた音だった。

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