牧場悠斗は茜亨を隈なく知っている
俺はなんでも知っている。
茜亨についてはなんでも知っている。
だって亨は俺の彼女だから。
なんでも知っている。
彼女が俺を乙女ゲームの攻略対象だと思って俺を避けていることも知っている。
だって彼女の独り言もずっと聴いているから、
誕生日に俺があげた時計…お風呂場も近くまで持って行ってくれている…無防備で可愛い姿も全部俺は知っている。
盗聴器と小型カメラが入っているけどまだ彼女は気がついてない。
俺はそれがこう都合だけど、
少し心配になる。
「牧場ァ!」
風紀委員長が俺に向かって噛み付いてくる。
「なに?佐久間」
俺がにっこり笑いながら言えば顔が歪む。
「茜は…!俺のモノだ!!!」
そういつもそうやっていってくる。
ヒロインが俺目当てだっていうことを知ってから佐久間にべったりな亨。でもバカだなぁ亨が女子に目の敵にされる理由…佐久間が作ってるのに。
「亨は…俺のモノだよ。ずっと…これからもね?」
茜という名字は女らしい、けど亨っていうのは男でも結構いる名前だから俺はそっちを呼ぶ。
女の子たちは亨くんだと思ってる。だからそれは好都合。
あはは、だって亨は俺のものなんだもん。
高校卒業したらすぐ結婚して、子供ができないようにだけ気をつけて。
ずっと俺なしで生きていけないようにする。
監禁して、ずっと俺だけを見るようにする。
「亨は…俺のだから」
目の前で顔を真っ赤にしている佐久間を目を細めて見る。
どうせ副委員長としてよいしょして頑張っているあなたはかっこいいです、とか優しい言葉をかけられてころっと落ちたんだ。
亨は人の心がよくわかってるから扱いが上手い。風紀委員をまとめているのも実質亨だ。
そんな哀れな佐久間は亨の気持ちがわかってないらしい。1ミリもお前に気持ちなんて向いてないのに。
亨に思われてるのは俺なのに。
それも気づかないなんてバカみたいだ。
俺なんかよりずっと思いの丈は短い。
「あの子は前世から俺のものだよ」
あの子が転生したのも後から知ったけど
俺は今世からの記憶しかないけれど
彼女のあの話を知っているのは俺だけだ。
「お前になんかやらねぇよばァか!」
俺はものすごくご機嫌で生徒会室に向かう。亨はまだ少し帰るまで時間がかかるらしい…待ち伏せして一緒に帰ろう。
ここに優しい生徒会長はいない。
いるのは亨に執着する俺だけ。
だって亨は俺に惚れてるんだ。俺が生徒会長になったあの日の放課後からずっと。
ずっと高校一年生の春一目惚れしたその日から俺はずっと亨を見続けていた。
亨をどう囲い込むかどう惚れさすかずっと。
大丈夫うまく行く…ヒロインを使って俺は絶対に亨を手に入れる。
俺のことを恐怖じゃなくて愛で好いてくれるように。
「ふふ亨は、ずっと前から俺のもの」
もう亨用の部屋は用意したんだ。
通りの足につける軽くて丈夫な鎖だって用意したし亨が好きそうな服だってたくさん用意した。
下着が俺の好みになったのは…ちょっと旦那様の特権ってことにしてほしい。
あったかいベッドも用意したし、一緒に出かける予定もたくさん立ててるからただの監禁ってわけじゃない。
亨の意見は尊重するよ。
俺から逃げたら足腰立たないくらいまでずっとベットの住人にしちゃうくらい愛しちゃうけど
きっと亨なら許してくれる。
ね、亨、俺のお姫様。
僕だけのヒロインは、もうとっくの前に君だから…今のうちに自由を満喫していてね。
「子供は2人くらいで十分かなぁ」
え?学校でこんなこと呟いて大丈夫かって?大丈夫大丈夫だって…聞かれても問題なんかないことだしね。
ヤンデレを書きたい衝動に駆られたんです




