表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シテキなもの  作者: 滑瓢
4/15

ラブテキなもの 3

何だかラブテキとはどんどん離れっててる気がしますが、ご了承ください。

 一般的常識に基づいて、考える。

 男の子が好きな女の子は、どんな風な子なのか・・・。

 私がこれまで散々十年ちょっと悩んできた末に出てきた結論で言うとあまりにもベターというか何というか王道臭いが、しかしこれが結局一番良いのだということを私は私なりに知っている。モテる女の子、やはりそれは今ドキという雰囲気をかもし出したいかにも『女子高校生』の看板を背負うかのような女子。いや、そりゃあもう女子高生と言ったらアレだ、花の女子高生ってやつでもういかにも華やかって感じで・・・。時にお洒落に、時にスポーティーに。ほら、やっぱ身体的にも精神的にも今が一番元気な年っていうかね、同じ女子高生としてそういう子たちって、超まぶしい。イケイケオーラはやはりモテ度に相乗してあるもんで、まぁ大抵そういうまぶしい子らには彼氏がいたりする。リア充がァァァァァアアアアアアアアアアア!滅びろ!!!!!・・・なんてことになりかねんが、しかしそんなもんただの憧れであり、私のそういった類の恨み言はイコールして単に羨ましいだけなのも私は自覚している。まぁ私の知り合いというかよく喋る子なんて皆そんなもんなのでその雰囲気に便乗してるのも少しはあるだろうが、どちらにしたって痛々しい話だ。というか痛々しい子の話だ。そんな感じです、私!・・・もうね、人生一回きりってのに何やってんのって話ですよ、なろー、このヘタレが。お前が滅びろよ。

 自虐思考なぞ日常茶飯事である。ぶっちゃけ言ってしまえば自信というものがびっくりするぐらいない私からして普段から自分を底辺の位置に設定することで安心しているのだ。ぬるま湯ってやつ・・・?フフン、ちょっと『ぬるま湯』っていう表現使いたかっただけだったりするから意味分からんとか言うなよ。私傷つくから!ペッラペラの自信なんておぼつかなさ過ぎてもう普段から安定してないからね!というわけで、自信がないからその上で胸張って生きてられないというかね、私の自信なんていう土台がきちんとしていないもんだからちゃんと真っ直ぐ背筋伸ばして生きられないんだよ。背筋縮こまりまくりだよ、猫背過ぎて一遍親密検査受けるはめになっちゃったからね、これマジの話。

「DVD?」

 まぁ言ってしまえば、私はそんな自信張ってイケイケ女子やれてて彼氏もいて楽しそうに生きてる女の子が羨ましいのだ。

「中村さんってこっから近いっけ?おんなじ町内やんな」

 でもヘタレだからなりたいとは、思わなくて。どうせ自分だからと、ハナから変わろうともしないのだ。うん、そういう話だ。世の中にはモテる女の子がいて、私はそうではないというお話だ。

「ここよう来んの?俺結構来んねんけどさぁ、中村さん会ったん初めてやな」

 モテたことがない。傷つくのが怖くて、自信がなくて、恋することから逃げてきたヘタレ。青春時代楽しもうとしない、自分のせいだからって、分かってる、分かってるからって心のバリアー張って他人が何か言う前に自虐思考に走って自己満足に、自己完結に。ウハハハハハハ、シンジくんか。君シンジくんですか。

「俺の名前覚えてる?一年のときも一緒のクラスやってんけど」

 でもあの少年スペック自体は高いんだぜ。料理できるし、チェロ弾けるし。アスカやレイやミサトさんとか、女の子にモテまくりだぜ、とかやっぱシンジくんでもなかったわ、シンジくん以下だわ、ってかお前と一緒とかシンジくんに失礼だろぉがァァァァアアア!!!!!

「さ、さ、ささ・・・あー・・・ささ、佐々倉くん?」

 何で疑問系?知ってたろうが、何意識ぜんぜんしてない的な?まぁ私、本当に人の名前とか覚えるの苦手だけどね。その苦手っぷりや大してしゃべったことない佐々倉くんにまで知り渡ってるんだから、相当だよね。前、机を介しての「○○に渡して」的やり取りの渡し役になりきれんかったとき・・・あれは申し訳なかった。いくら○○の部分が下の名前でも、まぁ一応同じクラスメイトだし。てか女の子だったし。女子の名前でさえすぐには思い出せない人が、常に数人はいる。どうなってるんだろう私の記憶力。覚える気がないからこんなんなのだろうか・・・興味がないから?んー・・・。

「そうそう」

 無邪気な笑顔で、佐々倉くんは頷く。

「下の名前は?」

 ・・・・・・え?

「・・・・・・」

「あ、覚えてへんか」

「いや・・・ えぇ・・・でも、ほら、あれ・・・。佐々倉くんウチの名前覚えてんの?」

「真里やろ?」

「・・・・・・」

 ・・・・・・ななななななななななななんで覚えてるんだこの人!!!!!!・・・くそぉ、調子に乗ってはいけない私!もしかしてこの人私に気があるんじゃ・・・的な!的な的な!そんな!そんな発想はしてはいけない!

「DVD借りんの?」

「ん、あ。いやぁ・・・」

 ろくな返事ができない。コミュニケーション能力の低さを思い知るときである。それは主に、こんな風にあまり喋ったことない人と喋るときである。これはちなみに女子であろうと男子であろうと関係ない。主に彼氏彼女いるに関係なく顔スタイル運動神経そこそこ友達不自由なしのリア充さんたちにはいつもこんな風にカッチカチ。私をよく知る女子、由美の証言より抜粋『真里はな、もう心の扉ガッチガッチ。もうめっちゃ固い。しかもなかなか時間かけて、開くのホンマに少しずつ』。うん、その通り。人見知り過ぎるだろおい高校生。

「まぁ・・・見に来ただけ」

 頭がショートしそうである。グルグルと頭の中で思考だけが回り続け、その場の会話には到底着いていけていない。アドリブ力が悪すぎるのだ。いつもこうやって、会話続かないから私にはなかなか友達というものが出来ない。

「俺も。ていうかさ、放課後結構な確率で寄ってんねん。昨日の日曜も来たしな」

 そういえばテニス部は月曜日が休みだった気がする。・・・だから帰宅部の私でも会えたのか。今さら気付いたが、まぁ結果オーライ。土日に割とここに通っている私だけれど、しかし今の今まで会わなかったのは時間帯の違いらしい。私は主に朝からお昼ごろまでに行くことが多いが、昨日は奇遇にもたまたま夕方ごろ寄らなければならなくなったため(読んでいたライトノベル一巻に思いの他ハマり、続きがどうしても読みたい衝動に駆られる)四時ごろにここに立ち寄ったのだ。そして、佐々倉くんを発見した。

「佐々倉くん・・・」

 ・・・ヤバい。言いたい。どうしよう・・・超言いたいぞ・・・。

「あ・・・あー・・・あの、あれ・・・昨日・・・」

 ・・・良いのだろうか。

 大して親しくもない女子から、『昨日AV借りてたやんな』の指摘はあまりに衝撃ではなかろうか。

 ・・・しかし・・・んー・・・・・・超言いたいぞ!!!!!!!

 いや、だってだってもしかしたらだけどその話で打ち解けられるかもしれないし!私心開けるかもだし!佐々倉くん、何か今めっちゃとっつきやすいし!というかぶっちゃけ興味あるんだよぉぉォォォオオオ!!!男子のエロ事情!!!!!

「ん、何?」

 ・・・んぐぐぐぐ、やばいやばい、人の好い笑顔浮かべちゃってまぁ・・・ぬぬぬんぐぐぐぐぐぐっがががががうわっうわっもうっバクバカウバカウババクバクバクバク胸が、胸が!ときときときめくときめくっっ!!!ふぎゃっんがぁああっんななななぎゃうっぐがっ!!熱い熱い顔顔顔!!火照っ火照っ!!!火照っとる!!!ンンンぎゃろろろろおおおおおおおんにゃあああァァァァアアアアアア!!!!!!!!

「行った、・・・見た」

「ん?」

「あの・・・・・・」

 んんんんががががががっがぎゃおおぉオオオオォオオぬぬぬぬぬぬーふぎゃっなーうなーううがっうがっっまっまっまっまっま!!!ふんがぎゃおろおおぬぬぬぬがぐわぁあァアア!!!!!!

「・・・十八禁」










 ・・・言ってしまった。

最後、え?人外語?いや・・・うん、違うからね。あの・・・心象内の困惑ですよ。すいません、たまにあんな奇声を週一回は心の中で叫んでいる気がする私、おかしいんですかね・・・?あぁ、うざいなすいません。まぁあるよね、うん。・・・たぶん。そして、まさかの関西弁でした。だってこれ私の妄想だから・・・。関西地方なんです。ちなみに猫背過ぎて病院行くハメになったのは、リアルにマジな話。あぁ、そうか・・・。猫背猫背とは思っていたけれど、私はあれか・・・背骨がどうかしてたんだな、私の姿勢が悪いからどうこうではないんだな!!と夏休み汗だくで病院行って、レントゲンとられて、「ただの猫背です」と言われたときの衝撃・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ