不要
......目が覚めると、よくわからない部屋にいた
ただ、周りには点滴などの沢山の管が私の体に付いている
「大丈夫ですか!?」
看護師らしき格好をした女性が、こちらに駆け寄ってくる
「痛いところなどはありますか?」
痛いところ....?
そうか....私は激しい頭痛に襲われて、倒れたんだ
その時誰かが助けてくれた.....
ここは病院......
一旦、看護師の方の質問に答える
「今のところ特にないです」
「それはよかったです!今すぐお医者様を呼びますので、お待ちください」
しばらく経つと、男性....いや、女性...?中性的な顔をし、白衣を着た医者と呼びに行った看護師が共に来た
「あなたの担当をさせていただく、アエスと申します」
.......医者の顔は、とても辛そうな顔をしていた
「.....はい....よろしくお願いします」
「あなたの現在の状況を説明させていただきます。あなたは......」
嫌な、予感がする....
「.....率直に言っていただいて大丈夫です.....」
「.....あなたはくも膜下出血が起こったと思われます。そして、そう長く生きることはできません。目が覚めたのもほぼ奇跡に近い状態なのです。」
「くも膜下.....出血....?」
う....そだ.....そんな....そんな....わけない
くも膜下出血....?あの....くも膜下出血....?
長く生きられない....?
そ、んな......
「今あなたの家族に連絡をとっているところです。」
私はくも膜下出血になったという事実に直視することができなかった
そして何も考えることができずに時間だけが過ぎていく
その間に、何回か頭痛が起きては強力な痛み止めで少し抑える
そんなことを繰り返していた
1時間ほど経って、またアエス先生が来た
その顔は、悲しみと辛さ、失望、怒りその全てが混ざった、そんな顔だった
もう、体を動かすことも声を出すことさえできない
死が近づいている
「あなた......のご家族は来ることができない、と......」
予感はしていた、どんなに死が近づこうとも私の家族、いや、血縁者は来ることはないだろうと
分かっていた
でも.....でも......
目が霞む.....これは死が近づいているから?それとも悲しいから....?
今の私には到底分かる訳がない
何かが顔を伝っているようにも感じる
感覚すらも感じなくなった私に涙を流すなんてそのような機能を持っている訳がないじゃないか.....
「っ....申し訳ございません....」
アエス先生は、記憶の最後までずっと謝っていた
あなたが謝ることじゃないですよ
それすらも伝えることができずに、私は永遠の眠りについた




