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どらたび~ドライブ女子の旅物語~  作者: yuuki
そうだ、海行こう
10/10

思い出とお昼寝

家に帰るまでが旅

旅の終わりをかみしめながら南知多道路を走ること数十分。

東浦知多ひがしうらちたインターチェンジで、目の前を走る結衣さんのスープラが左ウインカーを出し、離脱していった。

一台いなくなるだけで何か物寂しいというかなんというか。

そのまま二台で道なりに進み、とうとう音羽蒲郡おとわがまごおりインターチェンジでシルビアも左に曲がっていった。

ついに一人になってしまった…と思いながら東名高速を飛ばしていく。

加奈さんはもう家に着いたのだろうか…

別れたのはもう一時間近く前になるので、さすがにもう帰宅しているだろう。

家まで大体あと一時間か…。遠いな。

思いながら、今回の旅を振り返ってみる。


最初の目的は田原市の恋路ヶ浜で海を見ることだったな…。それも、会社のカレンダーを見てその日に即行くことを決めたし。

海岸で偶然結衣さんと湊さんに出会って、湊さんが車好きなのがわかって。

次の日にはホテルの駐車場でバッテリーが上がっている加奈さんのスープラを助けて、お礼で朝食を奢ってくれて。

流れでドライブ行くことになって、そこに結衣さん湊さんも一緒に行くことになって。

美浜サーキットではほかのクルマのクラッシュに巻き込まれなくてよかったな…。加奈さんはちょっと危なかったように見えたけど。

あのバカみたいなタイムを見ると、マシンパワーって恐ろしいと思う。ロードスターも軽さで言えば一番のはずなのに…。

お昼はさっき食べたといっても過言ではないな…。結衣さんが見つけてくれたお店、美味しかったな。覚えておこう。


脳内回想を楽しんでいると、いつの間にか静岡に入っていたようで、見覚えのある湖が目に飛び込んできた。

浜名湖。せいぜい一日ぶりとかなのに、地元に帰ってきた感がとても私を安心させてくれる。

ほっとするとともに、帰ってきてしまった…とも思う。

ナビに表示されている時計を見ると、今は二時半ちょっと前。家に着く頃は優に三時を超えているだろう。

街に入る前の一面田んぼの中を駆け抜けていると、助手席に放ってあるカバンの中から通知音がした。

なんていうタイミングだよ…今運転中なんだけどなぁ…

幸いなことに電話ではないようだが、その後も二、三回通知が鳴った後に、スマホは静かになった。

多分メールだろう。家に着いた後に見ればいいや。

そう思い、再び運転に集中した。


シフトレバーを下に押し込みながら左上にグイっと動かして、バックギアに入れ、ハンドルをぐるぐると回して車庫に押し込み、ハンドブレーキをギッと引く。

「ついたぁあぁぁぁあぁぁ…」

しおれた花のようにハンドルにぐでーっと倒れこみながら呟く。

ふと、先ほどスマホに通知が来ていたことを思い出し、腕を伸ばしてスマホを取り出した。

画面を見てみると、いつの間にかグループチャットが作られていて、そこに通知がいくつか溜まっていた。

結衣さんが画像送信してる…と、言うことは。

よっこいしょと体を起こし、シートを少しリクライニングさせてスマホを眺める。

そこには、サーキットで話していた写真たちが何枚も送られていた。しかも、車別にまとめて。

こうやって改めて見てみると、もっとここ攻められたなぁ…などとも思うが、たぶん、私が気にしてもどうしようもないだろう。

シルビアの写真の中にはちゃっかり例のドリフト写真が何枚か入っていたし、これは湊さんが心配になってくるな。

そのまま写真を鑑賞すること五分ほど。さすがにずっと車の中はアカンと思い、エンジンを切って荷物を抱え、家に向かって歩き出した。

「ただいまー」

言いながら玄関ドアを引きあける。やっと家だ…

よろよろと階段を上がり、自室に入るとそのままベッドに倒れこんだ。

疲れた…今回は異常に疲れた…

なんか二泊三日くらいしたときぐらい疲れた…

エアコンもついていない真夏の部屋の中でゴロゴロしていると、さすがにばか暑い。

手探りでエアコンのリモコンをつかみ。設定温度を驚異の二十二度に設定する。

ともかく一旦、汗を流そう…と棚から着替えを引っ張り出してお風呂場に向かった。

服を脱ごうとシャツに触れると、汗のせいか少し湿っていて、少々気持ち悪い。

さっさとシャワーを浴びようと洗濯機に服を全部放り込む。

今更になって、適当に温泉でも行ってこればよかったな…とも考えたが、今となっては後の祭りだ。

今度みんなと会う機会があったら誘ってみようか。

などと考えながら少し温度を下げたシャワーを頭から浴びた。

降ろすと肩甲骨くらいまである髪も丁寧に洗って、旅の汚れを落としていく。

ざっと全身を洗って泡を流していると、鳥肌がぞわっと立つ。

「…ちょっと温度下げすぎたかな」

一人で呟きながらシャワーの温度を四十弱まで上げる。

部屋は冷やしているのだから、今あったまっても何も問題はないだろう。

とは思ったものの、あまり温めすぎるとかえって体調が悪くなりそうなのでほどほどでシャワーを止めて、お風呂のドアを開けた。


ダボっとした半袖と緩いハーフパンツというぴっちぴちの社会人女性とは思えない服装で二階に上がり、帰宅時同様ベッドにダイブする。

キンキンに冷やしてある部屋ではベッドも冷えるようで、シーツのひんやりとした質感が肌にダイレクトに伝わる。カーテンが開いている手前、部屋に日光は差し込むが、ベッドにはかすりもしない。

何もせずにベッドで転がっていると、旅の疲れが眠気として一気に襲ってくる。

壁掛け時計をちらと見ると、時間は三時四十分ほど。

まだこんな時間か…と思うと同時に猛烈な眠気に耐えられなくなっていく。

夏用の薄っぺらい掛け布団の中にもぞもぞと入りこみ、明日は日曜日だし…と思いながら昼寝の体制をとった。

次はどこに行こうかな…と考える間もなく、私の意識は夢の中に落ちて行った。

キリの良いep10です!そしてキリよく旅の終わりです!

麻衣さんからするとこの二日間はとても濃密なものになったのではないでしょうか!

新しい出会いもたくさんあって。新しい体験もあったことと思います!

さて、続きについてですが、この後は気が向き次第ちまちま書いていこうと思います!

とは言ったものの、岐阜県や三重県。さらに遠くの方まで足を延ばしていきたいのも事実…!

多分がんがん書き続けると思いますゆえ!よろしくお願いいたします!

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