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モテ期到来?!

作者: しろかえで

今日は、安心安全?のしろかえでです(^O^)/

 この間の文化祭の模擬店……“メイド喫茶”で女装したオレになぜか一目惚れしたという同い年のJK(先生情報によると『晴海女子(はるみじょし)』の生徒らしい)からラブレターを貰って……今日は先生立ち合いの元での“初デート”だ!!


“先生”と言ってもただの先生では無い!!

我が応江(おうえ)高校(男子校)のアイドル!!“香穂リン”こと飯島香穂(いいじまかほ)センセイだ!!


 例えまだ見ぬ今日のおデートの相手が()()()()()()(メンゴ<m(__)m>)だったとしても、 “デート服” の香穂リンが拝めるだけで十分OKの可愛らしさ!!


で、当日、香穂リンはダボっとしたベージュのパーカーと茶色のスカートでやって来た。


「今日の主役はあなた達なんだから地味にしてきたの」なんて言うけど、モフモフのバッグやマフラーまでベージュコーデされたトップスに……くすんだ白のソックスとスニーカーが更に可愛らしさマシマシで……どっから見ても“同級生”にしか見えない!! 

 もうこのまま()()()()()()()だ!! なんて感じで目尻を下げていたらジャンバーの袖を引っぱられ、香穂リンからオペラグラスを渡された。


「通り沿いの『voyage(ボヤージュ)』ってカフェの窓際! ちょうど赤い車の辺り 覗いてみて!!」


 覗いてみると、モスグリーンのロンTを着た超絶イケメンが頬杖をついていて……ウェイトレスが入れ替わり立ち替わりオーダーを取りに行っては断られ……断られたウェイトレスは向こうの方で固まってキャッ!キャッ!やってる。


そんなのを見せられてオレはちょっと不愉快だ!

「別にセンセイの趣味に付き合うつもりはないんだけど!!」


「フフフ!オトコならあれくらいはツンデレになってもらわなきゃね!……なんて話じゃないの!あの席が『木ノ内彩音(きのうちあやね)』さんとの待ち合わせ場所だったのよね~」


「席指定までしてたんですか?」


「うん! 私もカノジョの顔は知らないし、会う前に様子観察しようかなって! ひょっとしたらあの子、木ノ内彩音さんのカレシかも!」


「えっ?! センセイも木ノ内さんの顔とか知らないんですか?」


「そりゃ! あなたより先に顔、見たりするの悪いでしょ?!」


「でも、担任として……生徒に言い寄って来る“不審者”をメールでのやり取りのうちにチェックしようとは思わなかったんですか?」


「そんな無粋な事を言うんならオペラグラス返してよ! キミの恋敵のイケメンくんをもっと見たいんだから!」


「えええ!! もう恋敵確定ですか??」


「いいじゃない!! 一人の女の子を巡って二人のイケメンが決闘とか!!」


「あの……オレもイケメンの()()に入れてくれるのはありがたいんですけど教師として、けしかけるのはどうかと……」


「なによ!意気地のない!! 二人の()()()()女の子が見守る中の決闘!!……全力を出し切って闘う二人は同時に力尽き!!お互いを認め合って固い握手を交わす!!それがいつしか抱擁に変わり……ああ!! なんて尊い!! さっ!!石井君!! 今こそ突撃よ!!」


 オペラグラスをパチン!と閉じるとスキップをしながら横断歩道を渡って行く香穂リンは“学校”という()()()()()()と、かなりアブナイ()の様だ!!


でもやっぱり可愛いので……ともかく香穂リンの後を追った。



--------------------------------------------------------------------


「私、応江高校で教師をしております飯島と申します。で、こちらが私のクラスの生徒で石井智久(いしいともひさ)くん。失礼ですがあなたは木ノ内彩音さんのお知り合いですか?」


テーブルに水のグラスを置いたきりの“あの”イケメンくんは手に持っていた文庫本を閉じ、微かなため息を付いてオレ達を見上げた。


「私が木ノ内彩音です」



挿絵(By みてみん)



『「??!!」』


と言う声にならないオレ達の声に


「よく間違われるんです」と木ノ内さんは苦笑いした。


『しまった!!!! “へちゃむくれ”の可能性は予想したが、まさか“イケメン女子”とは!!

どうする?!オレ!!

えっ?!!香穂リンはうっとりしてるし……』


なんて事をグルグル考えてドギマギしているオレに木ノ内さんは深く頭を下げた。


「今日はお呼び立てして申し訳ございませんでした。でも、石井さんは本当に普通の男の子なんですね」


どう返事を返していか分からないオレは「ええまあ……」と曖昧に応える。


すると木ノ内さんは“イケメン満載の”爽やかな笑顔で


「これですっかり夢から醒めました! 私、やっぱり女の子が好きみたいです!! 私の学校は女子校で、私を好きになってくれる女の子はたくさん居るのですが……本当に素敵だなと思ったのは“メイド喫茶でのあなた”だけでした。でもそれは……あなたにはご迷惑にしかならないし、もう幻を追いかけるのは止めにします!!私を好きになってくれる人の中から合う人を探します!」


『エエエエエ?????!!!!!』


とオレは心の中で叫びフリーズした!!


しかし香穂リンが発した言葉が更にオレを驚かせた!!


「そんな!! 勿体ない!!! 聞いて!木ノ内さん!! 石井君はとっても素敵です!! あなたはきっと“心の目”でそれを見出したのです!! あなたが“女の子”の石井君とお付き合いしたいのなら私に任せなさい!! 会う度に胸がドキドキするように仕上げてあげます!! いいですか!! ()()()()はとても短い!! そのほんの一瞬を大切にしなきゃ、きっと後悔します!! 私がきちんと言い聞かせて置きますから!! あなたは石井君から男の子の素晴らしさも学ぶべきです!!」


 香穂リンの有無を言わせない物凄い“圧”にオレも木ノ内さんも「よろしくお願いします」とお互い頭を下げ、

香穂リンの奢りで「まあ、シャンパンには程遠いけど」とレモンスカッシュで乾杯した。



こうして……


 香穂リンの……『自身の趣味への飽くなき追及の為』に無理やりお膳立てされた……この“男女逆転のお付き合い”は……

いったい、如何なる事になってしまうのか??


それはまた、別のお話




                   おしまい


このお話は




「聖女 イシイ」 https://ncode.syosetu.com/n8670ip/


の続きとなります(^_-)-☆


ウケが良かったら続きが書けます!!




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