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肉じゃが

なんとなく思いつきで書いてみました。

最後までお楽しみください。

 私には、近所に住む、大好きなおじいちゃんとおばあちゃんがいる。私は、小さい頃から優しい2人が大好きで、よく学校が終わると遊びに出かけた。それは、大きくなった今も変わらない。


 仕事が終わると、毎日のように料理を一品作っておじいちゃんとおばあちゃんの元へ行って一緒に食べる。


 今日も仕事終わりに、肉じゃがを作っておじいちゃんとおばあちゃんの家に向かっている。


 「ただいま!おじいちゃん、おばあちゃん、入るよー」と肉じゃがの入った鍋を持って家に上がる。


 「おかえり。今日は何を作ってきたんだい?」と最初に出迎えてくれたのは、おじいちゃん。


 「ふっふっふ!今日は、いつもよりも上手くできたんだよ!」と鍋の蓋を開けて、「肉じゃがだよ!」とおじいちゃんに見せる。


 おじいちゃんは、朗らかな引きつった笑顔で「こりゃ、うまそうだ!」と喜んでくれる。


 私とおじいちゃんが玄関から居間に向かって歩いていると、台所からおばあちゃんが現れる。


 「おかえり。今ご飯できたところだから、居間に運ぶのを手伝っておくれ」

 「うん!私も鍋に肉じゃがを作って入れてきたからちょうどよかった!」


 肉じゃがと聞いておばあちゃんがピクっと反応する。


 「ちょっと見せてごらん」とおばあちゃんが言うから上手くできた自信作の肉じゃがを見せつける。


 「どう?今日の肉じゃがは上手くできたんだよ!油が少し多いけど、試食してとても美味しかったんだ!」

 「あんた、この肉じゃがに使った肉って牛肉かい?」

 「?そうだよ?それがどうしたの?」


 おばあちゃんは、こめかみを抑えながら、

 「この前も言ったけど、私たちは、あんたと違って若くないの!油っぽいものを食べると胃もたれしやすいの!」とおばあちゃんが怒り出す。


 おばあちゃんは、普段は優しいけど短気なところがある。


 そんな、怒り出したおばあちゃんに、おじいちゃんが、「余計なことを言うでない!可愛い孫がせっかく仕事で疲れとるのに作ってきてくれたんじゃぞ!」と私を庇ってくれるおじいちゃん。


 台所から箸を持ってきて、鍋の中の肉じゃがを食べてくれる。


 「うん!結構!しょっぱくて甘くて油っぽいがなかなか上手くできておるぞ!」と引き攣った笑顔で褒めてくれる。


 おじいちゃん!庇うために誉めてくれるのは嬉しいけど、それってかなり料理の出来が失敗してるってことだよね?


 「無理するんじゃないよ。全く……」とおじいちゃんを見て呆れるおばあちゃん。


 「ごめんね。ちょっと強く言いすぎちゃったよ」とおばあちゃんが私に謝ってくれる。


 「私の方こそ、気が利かなくてごめんね」と仲直りをしてから3人で仲良くご飯を食べた。


 肉じゃがは、おじいちゃんと私で半分にして美味しくいただきました。


 次の日、夕食を食べに行くと、おじいちゃんはお腹を押さえながら、「まだまだ若いもんには、負けんつもりじゃが、もうちょっとあっさりしたもんが食べたいな……」とおばあちゃんに聞こえないように私に耳打ちしてくる。


 夕食後に、お皿を洗いながら肉じゃが食べた後のおじいちゃんの様子をおばあちゃんが教えてくれた。


 肉じゃがを食べた後から、胃が気持ち悪くなり、眠る頃になるとお腹を下すほど体調を崩してしまったらしい。


 おばあちゃんが「だから言ったじゃないか」と声をかけると、


 「お腹を下しているのは、断じて肉じゃがのせいではない!わしの胃袋が歳をとって孫の愛情を受け止めきれんかっただけじゃ!悪いのは、歳をとったわしの胃袋じゃ!」って言ったらしい。


 おじいちゃんごめんね!肉じゃがには、そこまで愛情は入ってないんだ!


 その後、しばらくの間、肉じゃがは禁止ワードになった……


 つづく……

 

 

クスッと笑える物語になっていたでしょうか?

笑顔になっていただけたら幸いです。

次回もお楽しみにー(^^)

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