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5:3人目の兄弟

「いいか、よく聞けよ。おれのプランその二を話すからな」


 俺と圭はいつも通り、山小屋に来ていた。

 しかし今日はいよいよ兄の計画が聞けるのだ。

 

 俺はまじまじと兄のプランその二とやらを聞いていた。

 

「今から話すことはとても重要だからな。誰にも話すなよ」


 うんうん――


「一度しか言わないから、耳の穴かっぽじってよく聞けよ」


 それで――


「プランその二、それはずばり……」


 どんなものなんだ

「『もう一人の兄弟を捜そう』だ」


 は?


「どういうことだよ。ちゃんと説明してくれ。兄さん」

「だから言っただろう。一度しか言わないって。よく聞いていなかったお前が悪い」


 だから――


「『もう一人の兄弟』についてなにか情報をもっているとか、どんな人なのかとかないのかな」


 俺の代わりに圭が質問した。

 

「全然」


 どうやって捜せっていうんだ。

 

「ただひとつ分かっていることは、彼がエリクスの持ち主で、俺たち同様にムンドゥスに狙われていると言うことだけだ」


 エリクス……なんだろうか?


「エリクスは魔王の力を受け継いだ者の拳に宿ると言われている。ただあまりにも強力なパワーなので専用の拘束具が必要になる」


 よくわかったような、わからなかったような。

 

 なんとか、計画遂行のためにも兄弟全員が、合流しなくてはならない、だから必ず見つけろ。

 

 と言われたがどうしていい物かわからず、結局学校に登校している。

 

 この前のフラッターとの一件で、大きく校舎が壊れたことで、学校は休みになるはずだったんだけど、なぜか生徒全員登校しなければならないという何ともがっかりことになっている。

 

「面倒臭い。仮病使って学校休めばよかった」


 つぶやいた。すると――


「さすがに仮病はいけませんねぇ」


 後ろからいきなり声がした。

 

 振り向く――

 そいつは磯野匡だった。


「休みたい気持ちはわかります。校舎が半壊になってるのに学校があるというのは間違ってますよね。学校側もなにも無理に学校再開する必要無いと思うんですがね」


 匡は学年トップクラスに入るほどの、超インテリ君でその黒縁眼鏡の底の瞳は氷のように冷たく、ナイフのように鋭い。

 顔に筋肉がないのではないかと思うほど無表情で普段不気味で何考えてるかわからないので、誰も好んで近づいては来ない。

 

 普段なら俺も避けているのだが……。

 なぜかそいつがおれに話しかけてきているのだ。

 今日は雪でも降るのか?

 とりあえず無視して、早足で歩いて行く。

 

 しかし何の因果か。

 朝、放送で俺と匡が校長室に呼ばれた。

 

 圭は例のごとく、俺を心配していた。

 圭は俺がフラッターを残忍に殺した時も、俺を信頼して何も言わなかった。

 今回もそうだ。

 信頼してくれている。

 

 校長室前に2人で待っていることになった。

 

 気まずい……と思いきや――


「しかし、不自然なんですよね」


 匡が話を切り出してきた。

 

「なにが?」

「校舎の壊れ方といい、とても不自然だ。まるで巨人が戦っていたかのような跡がある」

「そしてどうして同じ時刻にアナタは、失踪したのか」


 一瞬冷や汗をかいた。

 こいつはやばい。

 話をそらさないと――


「いやー、バレたか。実は俺ちょうどトイレに行ってたんだ」


 しまったと思った。

 俺は焦りのあまり、今どき小学生でも使わないような低レベルな嘘をついてしまった。

 

「あなたはちゃんと授業を受けていた。そしていきなり、ふっと姿が消えた」

「いやだからさ……」


 何とか弁解しようとする。


「まるで、辺獄におとされたかのように」


 そのワードを聞いた瞬間、背筋がぞくっとして立ち上がった。

 

「お前、どうしてそれを……」


 硬直――


「やっぱりアナタだったんですね」


 匡がにんまりとする。


「お前何者だ」

「アナタと同じですよ」


 まさか……。


「魔王の血族!」


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