表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/43

4:DoS

「そう、そのまさか。つまり俺はお前とフラッターを戦わせて、お前の実力がどれほどのモノか試そうとしてるのだ」


 あれ?一瞬唖然とした。

 しかし意味を理解するとともに感情は転化した。

 

「そ、ソレを先に言え。バカ兄貴!」


 つくづく殴りたくなる兄貴だ。

 だが、その方が話が早い。

 

 ここで逃げおおせたとしても、この追跡者はまたどこかで襲ってくるだろう。

 ならいっそ――


「ここでケリをつける!」


 駆ける――

 フラッターもご自慢のナイフで、飛びかかる。

 

 俺はその攻撃を紙一重でかわす。

 続いて反撃、ジャンプして顔に直接攻撃しようとしたが――


「悠君危ない!」


 と同時に回避。

 直後フラッターのどでかいナイフが、体をかすめるのが分かった。

 

「ちっ、すばやい!」


 またそのパターンを繰り返し、同じ結果を繰り返した。

 

 俺は若干、焦っていた。

 

 コレじゃ持久戦じゃないか。

 何かいい手は無いのか。

 

 フラッターの方も「つまらん!」と吐き捨て、高く跳躍、遠くに身を置き、口から黒い煙を出した。

 

「まずい!そのフェーズは……」


 兄が何か言おうとしたが俺の360度黒い煙に覆われ、外部の声が全く届かなくなった。

 その上真っ暗で何も見えない。

 

 ふと、何かがこちらへ回転してくる。

 

 おれは反射的に避けた。

 だがその判断は正解だった。

 

 ソレは紛れもなくフラッターのナイフだった。

 ソレが今度は横方向の回転になって、こちらに飛んできた。

 

 俺は縄跳びの容量で、軽くジャンプして回避する。

 

 しかし、またソレは回転しながらこちらめがけて、飛んでくる。

 

 コレの繰り返しじゃあ、さすがに疲れる。

 不利だな……。


「あの、悠君はどうしたんですか?あの黒いもやもやの中に包まれちゃったみたいだけど……」


 フラッターはニヤニヤしながら、その黒いもやもやにナイフを投げては取り、そのやりとり――


「あれは『死合い』といってフラッターの切り札というか、必殺技みたいなもんだ」

「そんな、じゃあ悠君は大丈夫なの」

「それは何とも言えないな。あのなかで生き残れるかどうかはアイツの実力次第だからな」

「そんな」


 圭は泣き出した。

 

「こんな時に私に力さえあれば、悠君を護ってあげられるのに……」


 まだフラッターがナイフを投げてるってことは、アイツも無事ってことだな。

 


 くそ、きりがない。

 

 何度も何度も避けているが、これじゃあ……。

 イヤ待てよ!あのナイフは毎回あの位置で方向転換してこっちに向かってくる。

 てことは……。


「そこだ!」


 エイボニー&アイボニーを連射した。

 

 とたん、煙が晴れた。

 予想通りフラッターがその位置で、ひるんでいる。

 

「死合いを見切ったか」


 さすが我が弟――

 だがまだだ、フラッターは高く跳躍して、校舎の上に立った。

 

「なんだ、戻って戦えよ」


 フラッターはワイヤーガンを撃ってきた。

 

「避けて!駆君」


 放たれたモノは巨大な手の形になって、掴もうとしてきた。

 

 だがそれも難なく避けられる。

 俺もエイボニー&アイボニーを構え連射する。

 距離はあってもこの銃から発射される弾丸は、悪魔に対してある程度のホーミング機能を持っているから、俺が素人だろうが、命中率は変わらない。


「頭を狙うんだ!」


 そうは言われても、この距離で正確な射撃を、求められても困る。

 俺は跳弾するエネルギー弾を放つリコショットを放った。

 

 フラッターの目にまぐれで命中した。

 

 フラッターがバランスを崩して、校舎から転げ落ちる。

 

 おれは倒れて弱っているフラッターをこれでもかとばかりに、斬る、斬る、斬る

 俺はそれがとても楽しくて仕方がなかった。

 

 フラッターが悲痛の低いうなり声をあげる。

 

「demon even feel pain?」


 俺は一切の慈悲もかけずに、切り刻む。

 

 ははは、これは楽しい。

 こうやって悪魔を痛めつけるのは、楽しくてたまらない。

 いつの間にか、思い切り笑っていた。

 

 その様子があまりにも、圭は一方的すぎて見ていられなかった。

 

「こんなの違うよ。悠君はこんなことをする人じゃないよ」


 あまりに現実離れした現実から、圭は目をそらした。


「いや、アレが彼の本性だよ」


 兄はとても嬉しそうにニヤリとする。

 

「あいつをdestroyer of sky。つまりDOSとして覚醒させること。それが今回の目的だ」


 ようやく、本当の目的を、つぶやいた。

 しかし、悠太には本当の目的は聞こえていなかった。

 ただ、悪魔を残虐になぶる。

 それだけだった。

 

 その行為を屋上から見つめる人影があった。

 

「あれが俺の『お兄ちゃん』か。おもしろそうじゃん」


「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!

ぜひよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ