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影闇の刺客


数十年前のソノ頃、伯母は、嫁ぎ先と派手にモメていた……


手間掛けて捕縛(ゲット)した夫は、金持ち土建屋ジョブの長男坊で

気弱で無口、ヨダレが出る好物件だった。

が、人生ゲームは目論み通りニャいかないものらしく……


本家宗家の長男(旦那)が、土建ギルドをソックリ丸っと引き継げる。

のかと算段(おもい)きや……当主がれをゆるさず。

何故なら……

長男にゃ、商才/人才/博才/魅力/根性/野望/泥臭さといった

経営必至スキル才覚が全て無かった。


んで、土建の長(当主)は、稼業を分家次男坊と三男坊へと引き継がせ、

長男坊はディフェンスされ一切関わらせて貰えない。

まっ、そもそも長男坊にゃ、そんな大それた出世野心野望など湧きゃしない。

れを真横でグギギギギリギリボロボロ歯軋りする伯母。


旦那を足場に玉の輿、本家宗家分家もろとも土建ギルドをブン捕り乗っ盗り、

社長夫人かつ影の支配権力者(フィクサー)としてノシ上がり、

高クラスチェンジする計算していたからこそ、ワザワザ面白味無ぇ男の遠方(もと)

我慢して来たのに……このザマだ。


しかも、伯母の敵将(ライバル)は次男三男だけじゃなかった。

次男の嫁、三男の嫁も政敵(ライバル)すぎる。

「嫁いで来た外様同士 仲良く徒党パーティー組みゃ善いではないか?」

とゆーのは女(ども)の強欲さを知らない小僧(わっぱ)(やっこ)台詞(セリフ)


次嫁と三嫁は、土建事務方にコンクリートや白蟻(シロアリ)よりも

ガッチリぐっちりギチギチ喰い込み、互いに共謀共闘し

長嫁(伯母)にも一切、土建業(シノギ)に関わらせない。


苦境(ソコ)で伯母はどうしたか?

かろうじて、土建屋敷地内に滑り込み、雌伏したまま屈辱過ごし、

好機刻(チャンス)を窺い狙った。


やがて、土建城当主が病に倒れ「老い先短し」と知るや、

母屋へ駆け込み、殴り込み。

先んじて遺産目当で看病してた分家女中連中(ども)を、薙刀でバッサリ

バサバサ薙ぎ払い。病床で気弱に成った当主に優しく取り憑き、取り入り、

土建城を我が物にしようとした。


がっ! 当主の嫁であり、大奥の政処(マンどころ)大御婆様が、当然

善く思わず、赦さず。大御婆様は宗家名代軍代陣代として

全分家連合軍を従え、伯母と全面合戦となった。


伯母の手札(てもと)にゃ、役立つ武将無く(おらず)

一瞬にして孤軍、アッという間に敗色濃厚。


賊軍夫婦の僅かな戦利品は、当主が没したドサクサに、

幾ばくかの金品を持ち逃げした程度。


賊軍敗軍(伯母夫婦)にゃぐに追っ手が掛かり、

落ち武者狩りと相成って、平塚の地を追われた。


(伯母)のせいで在野に下る事と成り、

より一層落ちぶれてしまった宗家当代候補者(伯母の旦那)は、

嫁《伯母》と共に隣國秦野エリアへ命からがら落ち延びた。


「盗んだ金員も 汚れたゴールドマネーも カネカネ

伯母は戦利品を頭金に突っ(ブチ)込んで、月賦(ローン)で山砦を築いた。


一方――

横濱城の城下町。人口減の住民減、少子化影響モロ被り。

日々客が死に絶え、減ってゆく。


追い打ちに、大資本大型店舗の超時空スーパーいなげ()、築城。

との噂。領土侵略、古風寂れ古び、辛気臭ぇゴースト商店街は消滅の危機急落。


才覚有ったいくさ上手の母は、引き際見極め。

借金を問屋と銭両替屋(銀行)に返し終わるや否や、

城解体を土木普請商の友に頼み、融通利かせ解体費用を圧縮削減。


城を畳んだ。


とはいえ…… 既に母独りで、300~400万両の債務返済(働き)をしていた。

人の上に立つ才覚在れど、心労(かさ)む。

他所(よそ)に仕官し、御気楽余生ゲーム過ごそう、と母。

……を襲う影闇の刺客(モノ)が、ヒタヒタとおとすら立てず、

忍び寄っていた。

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