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神の視点 カレー戦争

作者: 乙乙

私は(デブ)である。


(ライス)(ルー)の軍勢に埋め尽くされたこの戦場(大皿)を上空から見下ろしている。


この白と黒の2種族はお互いに憎み合い、最期の一兵まで命をかけて戦い、神の御許()()されることになる。両軍の撤退(お残し)を神は許さない。


魔道兵器(ささみカツ)を擁し質量で勝る(400g)白軍と、巨人族(野菜トッピング)と共闘し個の力に優れた黒軍。神としては、両軍が均衡を保ちつつ全滅する悲劇がお望みである。


役者は出揃った。



戦争(食事)の開始である。




両軍の境界線ではそれぞれの兵が混じり合って戦い、力尽きた者が次々と召されて消えていく。


白軍は物量で押す作戦であり、戦線を押し上げて黒軍を包囲する動きを見せる。


ここで、膠着した前線に魔道兵器が投入された。

魔道兵器はその力を遺憾なく発揮し、白黒両軍の兵を大量に巻き込んで消えていく。



魔道兵器の力もあり、戦況は終始白軍が有利な状態で展開されている。



黒軍も巨人族の奮闘で一時は戦線を押し返すが、白軍の圧倒的な物量によって包囲網が完成してしまった。

黒軍は成す術もなく、徐々に包囲を狭められている。


このままでは、白軍の圧倒的な勝利となってしまう。

神の力でどうにかして戦場のバランスを保たなければならない。


そこで神の奇跡として、白軍の後方で出陣を待つ魔道兵器に向かって(ソース)を降らす。

雨に降られた魔道兵器は爆発し、白軍のみを巻き込んで消えていく。


後方で大量の白軍が消えたことによって、両軍の物量的なバランスが保たれようとしている。


少ない兵でなんとか包囲を維持しようとする白軍。

戦線を食い破ろうと猛攻を仕掛ける黒軍。


一進一退の攻防が繰り広げられる。



そして...



両軍の最期の部隊が相討ちとなって消えた。

見事に全滅(完食)である。


神の御心に導かれ、絶妙なバランスを保ち全滅した両軍。

神によって作られた予定調和の悲劇。


神大満足。

誰もいなくなった戦場に感謝の念を送る。


運命に導かれ散っていった兵たちに、神の祝福を(ごちそうさまでした)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みました カレーを食べてるだけなのに、面白かったです笑
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