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PROBLEM STUDENTS  作者: OIL
2/2

準備って大変ですね【ハロウィン特別編】

今回の登場人物:添田洋、結城李星、加賀美智葉


添田洋Side

僕は今ここ、部室に結城ちゃんと2人きりだ。いや、2人きりと言っても何も深い意味も雰囲気も無いからね、うん。あって欲しくない。何故2人でいるかって言うとハロウィンパーティをするのにじゃんけんで準備の役割を決めた所僕と結城ちゃんと智葉先輩が部室の飾り付け係になったからだ。あ、智葉先輩は職員室に用があったらしく先程そっちへ行ったっきり帰ってこない。それでさっきから何も喋らず折り紙でかぼちゃとかコウモリとかを作る作業を黙々としている。(幼稚園児かよ)くそう、早く帰ってきてくださいよ。結城ちゃんと2人とか正直嫌なんだよ。話通じないし何言い出すかわかんないし怖いんだよ。っていうかそもそもこの部活のハロウィンパーティが毎年盛大過ぎるんだよ。やめようよこの恒例行事。

考えると止まらないこの文句を吐き出すところも無く憂鬱な思いに浸っていた時、不意に僕の思考が止まった。意外に真剣に作業をしていた結城ちゃんのアホ毛が立ったからだ。これはなにか思いついた時の合図。(もうアホ毛じゃないだろ電波受信してるだろ)取り敢えず僕は構える。

そして彼女は言った。



李星「YO先輩、もし、明日人類の1部が夜になるとゾンビになる現象が起きたらどうする?」



はい、きました電波発言。まずは何処から突っ込めばいいのかな、これ。まあ落ち着け、僕。冷静に突っ込むんだ。うん、対処するんだ。話が噛み合わなくなるのは普通だからな。動揺してはダメだ。



洋「いきなり何の話?それに僕は(よう)じゃないよ(ひろむ)だよ」


李星「でも、ゾンビは他の人間には一切手を出してはいけないんだ。」


洋「どんな設定だよ。」


李星「だからゾンビは人間達に挑発されるんだ。」


洋「ゾンビメンタルやられちゃったよ。」


李星「それでもゾンビは決してめげてはいけない。皆を楽しませる為に。」



ここで少し整理しよう。何故ゾンビになった人間が他の人間に挑発されてそれでもその人達を楽しませなきゃ行けないのか…。普通に考えたら意味が分からない。うーん…ゾンビ…人…楽しむ…。あ、何を言っているのかわかった気がする。



洋「要するにユニバーサル・スタンド・ジャパンのハロウィンホラーナイトの事だね!」


李星「さっすが相棒!!話が分かるね」


洋「いつ僕が結城ちゃんの相棒になったんだよ」


李星「という事で李星をUSJへ連れてけ眼鏡。」


洋「命令形!?僕先輩だけど!?僕わざと突っ込まなかったけど今までの会話全部結城ちゃん敬語使って無いからね!!違和感無さすぎて読者の皆僕が先輩って事忘れてただろうけど!!あと眼鏡だけど眼鏡って言うな!!」



しまった。つい取り乱してしまった。何時もの様に突っ込んでしまった。だって色々限界だったんだよ。やっぱりこいつ相手じゃ無理だよ冷静でいろとか。

するといつの間にか迫っていたらしく彼女の顔が目の前にあった。顔近い目力半端ない怖い。



洋「ちょっと結城ちゃん顔近い」


李星「李星ホラーナイトの時期はずっとUSJに居れる役割がしたい」


洋「分かったから離れて怖い」



ついでに僕の後ろは壁だから逃げる事が出来ません。どんな少女漫画のシチュエーションだよ。全然ドキドキしないよ。あ、ドキドキはしてる違う意味で。

僕が目で暫く訴えていると(伝わったのかどうか分からないけど)離れてくれた。というか本棚の上に登った。いや、なんでだよ。



洋「…どうせ結城ちゃんの事だからレアなゾンビ役でもやりたいって思ったんでしょ」


李星「ううん、ゾンビと一緒に出てくる警備員がやりたい」


洋「なんでだよ!!」


李星「さっきから煩いよ眼鏡先輩。あと作業が捗ってないよ。李星はもう折り紙の段階は終わったよ。」


洋「誰のせいだ誰の!!」



こいつは何処まで自由人かつマイペースなんだ。お前のせいでまだあと3割ぐらい残ってるよ。その割にこいつは人を振り回しておいて何気に作業も早いし。

僕は作業に戻る為先程の席について残りを確認した。ついでに結城ちゃんが作ったのをチラッと見ると…本当に終わってた。しかも完璧かよ…って。



洋「何この千羽鶴」


李星「折り紙余ってた奴見てたら気づいたら折ってた。可哀想な部長といっちー先輩の頭が少しでもマシになるように2人のロッカーに貼り付けとこうかな」


洋「気づいたら折ってたってどういう事?それにこの千羽鶴になんで足がついてるの?…2人のロッカーに張り付けたら余計に頭が残念になる気がするよ。」



足がついた千羽鶴って…というか足の形がもの凄く間抜けなんだけど。エリマキトカゲの足みたいなんだけど…。無駄に器用だな…。あ、今さり気なく部長と直哉君の事貶したけどそこは忘れて下さい。まぁ事実には違い無いですけど。

結城ちゃんが本棚から飛び降りたと同時に(こいつ何気に運動神経いいんだよね)部室の扉が開いた。職員室に行って中々帰ってこなかった智葉先輩が帰ってきたみたいだ。良かった。智葉先輩も色々と怖いけど話が通じない結城ちゃんの方が僕にとっては最凶だからね。これ以上2人きりだったら電波に巻き込まれるかもしれないし。移りそうだし。智葉先輩に感謝…



智葉「ごめんね2人とも〜。先生とちょっと話つけようと思ったら意外にも手間かかっちゃって。準備何処まで進んだ〜?」


李星「あ、おかえりなさいやし副部長!後は壁に貼るだけ!!」


洋「お前はな。僕は後少しでこの段階終わりそうです…って…あの…先輩…その顔についてるのって…まさか…血…?」


智葉「まぁ…"ちょっと"ね」



前言撤回。この人が最恐だった。めっちゃ笑顔で"ちょっと"とか言った。顔に血(返り血です。先輩は傷一つありません)付けながら。もうこの人に逆らってはいけないな…僕の本能がそう言ってる。…やだ…怖い…帰りたい…。すると突然結城ちゃんがタオルを持って智葉先輩の所に。流石結城ちゃん。血を見ても動揺すらしていない。こういう所は尊敬出来るんだけどな…



李星「副部長、顔がケチャップで暴れてまっせ。っていうかケチャップ丼の早食い選手権の練習するなら李星も呼んで欲しかった。」



前言撤回。何言ってんのこいつ。それがケチャップなわけないじゃん。先輩も何もつっ込まずにタオルありがとうとか言って受け取ら無くていいから。タオルで顔ふく前に顔洗ってきてよ。タオル赤くなっちゃうじゃん。…あ、



洋「…そのタオル…僕の…です…。」





END



ハロウィン時に書いたものです。

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