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従者になること3

サティラさんから話があるそうで、僕らは夕食に呼ばれている。うわー、何かやらかしちゃった?全然そんなことないと思うよ、多分いやきっとそう。ここにきてから1日も経ってないはずだし。それよりも心配なのは、夕食が口に合うかだ。紅茶は美味しかったから大丈夫だとしても料理の方は良くわからない。美味しいものであることを期待しよう。やっぱり異世界だから見た目がヤバそうでも味は美味しいとかあるかな。僕が食べ物のことを考えているとクレさんが、

「おい。真剣な顔してどうしたんだ?。なんか聞きたいことでもあったら相談に乗るぞ。」

えっそんなに真剣な顔してたのか…。まぁ、美味しいものは好きだしね。

「はい。夕食が元いた世界のものとどこが違うのかちょっと気になりまして。」

「そうか。味の好みとかあるか?。辛いのが好きとか甘いのが好きとか。」

「それなら、酸っぱいのが好きです。」

酸っぱいのって言ったけど分かるのか?。

「なんとなくイメージは掴めた。キュルテとかコーネルみたいな味か。」

クレさんが言っているのは、料理なのだろうか。

「アオバ、お前ここにきてから何か食ったものとかあるか?。」

「それなら、キョウカさんに紅茶を貰いました。」

「あぁ、不味くはなかったか?。」

「すごく美味しかったです。」

「あら、嬉しいですわ。」

そういえば本人の前だった。

その後、料理についてあれこれ話していたらとんでもなく広い屋敷の食堂に着いた。絶対この屋敷使ってない部屋あるだろ…。でも、キョウカさんに案内してもらった時にどの部屋も埃一つなくてとても綺麗だった。まぁ、異世界だしそんなこともあるか。

「さあ、着きましたわ。私はこの後仕事がありますので失礼させていただきます。」

「ありがとうございました。」

「ありがとう。」

扉を開けると、サティラさんが長いテーブルの向こう側に座っていた。僕らが座るであろう席にはフォークやスプーンがセッティングされていて、元の世界と外国風だということ以外は変わらなくて少しホッとした。座ってからふと思いついた。食器は、多分見た目も同じなので使い方もおなj…僕、テーブルマナー分からない。どうしよう。高級レストランとか行ったことないし、とりあえず他の人のを見て考えようかな。

「あっアオバくん食器とか使い方わかる?。知らないなら好きなように食べて良いよ。」

サティラさん優しい!。正に僕が言って欲しかったことを言ってくれたよ。

「はい。使い方は元の世界と同じように使うなら似たようなのがあったので大丈夫だと思います。ただ、マナーの方が…。」

「あはは、マナーなんて気にしなくて良いよ。えっとね〜、これは、こう掬うのに使って、これは刺して口に運ぶのに使うよ。」

スプーン、フォークの順に指で指したり、動作を交えて教えてくれた。ナイフは無いみたいだ。

「使い方同じだ。良かった。」

「アオバくん、似たようなのがあるってことは違うのもあったってこと?。」

「はい。そうです。僕がいたところでは、箸って言う二本の木の棒みたいなのでものを掴んで食べてましたね。」

「おぉ!。色々と聞きたいこともあるけど、そろそろ本題に入ろうか。」

本題…か。一体何なんだろう?。

「私も調べて初めて知ったんだけどここ5年のうちに規則が変わったようでね。主従契約したことを国に報告しなきゃいけないんだよ。」

良かった。怒られるとかそんなんじゃなさそうだ。

「それで、国の首都に申請するところがあるからそこまで行って欲しいっていうのと、もう一つ、従者の育成…と言われてもピンとこないと思うんだけど国が用意した新しい機関で新しく従者になった、未だ主従契約を結んだことがない子が契約後に行く学校に入って欲しい。」

まぁ、理解はできる。主従契約って気軽に結ぶようなものじゃなさそうだしね。

「その関係で、明日ここに商団が来ることになってるんだよね。」

そう聞くと、クレさんが目の色を変えた。

「フェアリア商団か?」

「うん。そうだよ。クレは、ここに来る前にちょっと居たことがあったよね。だから、アオバくんに色々と教えてあげられると思って。まぁ、この土地と繋がりが深いっていうのもあるけどさ。」

「そうか。明日、だよな。そういえば、アオバの能力試験はどうする?。やはり、キョウカに任せるのがいいと思うが。」

「うん。そうするつもり。」

何やら知らない名前がたくさん出てきた。

2人の話が盛り上がっている最中に料理が運ばれてきた。運んでくるのはマルタさんでどの料理も見た目が綺麗だ。僕が思っていたのと違ったところは、どれも一口サイズが多くて種類が豊富だったことだ。それと、海鮮料理が多い。海が近いのかな?。2人の方をチラッと見ると少し話が落ち着いてきたようで、料理を食べ始めていた。それにしても料理の見た目が素晴らしい。写真が取れないのが申し訳ないくらい…僕、スマホ持ってるんじゃ?。そうだよ。今学生服だしいつもポケットに入れてる!。ポケットに手を入れると…入ってない。代わりにスチームパンク風のカメラのようなものが入っていた。この世界風にものが置き換わっているのかも…。

「アオバくん、何持ってるの?。」

「えっ?。ポケットに手を入れたらなんか入ってました。」

「ちょっと見せてもらっても良い?。」

そう言われたので手渡すと、サティラさんはカメラ?をいろんな角度から見ていた。その後、また返してくれたら

「不思議だね。それ、うちの国の特定の地域でしか造られてないやつだよ。多分君が持っていたものがここにあるものに置き換わっただけなんだろうけど。雑誌をテレポートさせた時は内容は変わらなくても、紙質は違うようだったから君もそんな感じだと思ってたんだけどこの説をここまで立証するとは…。」

「どうやって使うんですか?。」

「あぁ、そのレンズを撮りたいものに向けて、ここのボタンを押して風景を撮影するんだ。国のお偉いさんが視察の時とかに使ってる。試しに撮ってみたらどうかな。」

「やってみます。」

料理にむかって写真を撮ると撮れた風景が目の前に浮かび上がりデジカメを彷彿とさせた。

「すげぇ。魔法のカメラって感じだ。」

「カメラってなんだい?」

「元の世界で風景を撮影するのに使われる機械です。」

多分、スマホに似たものはなかったからカメラ機能だけ残ったんだな…。まぁ、一番よく使ってたしね。

その後、料理を食べ終わるとクレさんとサティラさんからこれからについての説明があった。

「明日は、朝から能力試験っていって従者の能力…従者が主人を守るために使う能力を見極めるためにするんだけど、キョウカと対戦して欲しい。」

対戦ってバトルしろってことかな。

「まぁ、一時間あれば終わるから。それが終わったらフェアリア商団…商団って分かるかな。一つのギルドなんだけど、動くデパートみたいな感じ。そこの代表が来るから、その人にクレと一緒について行って欲しいんだ。詳しい話はクレに聞けば分かるよ。」

「今じゃなくても、今日は同じ部屋で寝るからその時でもいいんだぞ。」

「そうか。二人だけの方が話すの楽だろうし、まだお互い知らないことの方が多いしそっちの方がいいよね。じゃあ、食べ終わろうか。」

「あぁ。」

「「今日も世界のどこかでの犠牲により私達は生きています。女神の慈悲がいつの日もこの世界に降り注ぎますように。」」

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