表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/18

困惑

「っざけんなぁ!!!……ん?」


桜城さんの恨みつらみの言葉を携えながら体を起こすと闇に落ちて言ったはずの私の目の前に広がる風景は自室だった場合どうすればいいんでしょうか。誰か教えてください。


「えっと、なんだ夢か」


やけにリアルな夢だったなぁ…なんて思いつつベッドから降りて精一杯のびをする。ベッドの近くで私の大声で吃驚したレオにごめんごめんと謝りつつもまだ鳴っていない目覚まし時計を見る。時刻は6時2分、目覚ましが鳴るのはあと28分後だ。


「に、してもホラーゲームもびっくりの夢だったなぁ」


そういいつつ机に腰かける、誰かに見られれば行儀が悪いと怒られるかもしれないが、今この場にいるのはレオだけなので構うことはない。

ぐるぐると首を回してもう一度伸びをする。何気なく見た方向にかかっているのは一城高校の制服だ。


「……え?」


状況を整理しよう、最悪の夢を見た私は起きたら一城高校の制服を目にする。うん、ここまでは何ら普通だ、よし、言葉を足そう。

最悪の夢を見た私、一城中学2年の高野弥生は朝起きたら自室に掛けてある一城高校の制服を目にする。

いやおかしいだろ!!

あれっ、記憶違いでなければ私は一城中学2年生だったんですがそれは。

もしかしてまさかまた変な方向に話が動いた?


「う、嘘でしょ?」


震える手で制服に手を伸ばす、そしてその制服の胸ポケットに入っている生徒手帳を取り出す。もうこの時点で高校仕様です。

生徒手帳の表紙に書いてある文字は、『一城高等学園』の文字、一城、高等学園?

た、たしか私が通っていた一城中学校の隣に建ててある高校は、『一城高校』だけだったような…あれぇ?

だんだんと顔から血の気が引いていく、まさか変に干渉させられたせいで、こんなにも世界が作り変えられてしまったなんて…でも桜城さんに底まで力があるとは思えないし、もしかして世界線を飛び越えてる説あるな、こりゃ。

とにかく、他にも変わっていることがないか探らないとね!でも今からすることを許してくれ、怒られてもいい、だから


「勘弁してよもおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


叫ぶと同時にドタドタドタッ、という音が聞こえてバンッ、とドアが開けられる。おい、鍵、仕事しろ、ノックしろ。


「うっるさい姉ちゃん!!」

「…んんんんん!?」


てっきり豊あたりが飛んでくるかと思えば違った、豊にどこか似た雰囲気を持っている、あの生意気1年こと、兎野沙月が立っていた。


「何騒いでんのさ!」

「あ、えっと、どちら様?」

「はぁ!?ふざけてんのか寝ぼけてんのか知らないけど、しっかりしなよ高野沙月!姉ちゃんの弟!ったく…」


う、兎野が弟!?私の!?ないないないない!!!

そんな現実があってなるものか、それにじゃあ豊は、豊はどこに行ったっていうの?


「と、豊、は?」

「豊姉なら昨日の夜、東京に帰ったじゃんか、それに呼び捨てはやめろよな」

「あ、え、ごめん、東京?」

「そう、東京」


大丈夫?重傷なんじゃないの?という言葉を残して兎野…じゃなかった、えっとなんて呼ぼうか、さ、沙月?は部屋から出ていく。


「ど、どうなってんの」


様々な疑問を残したまま、私の新たなスクールライフが始まった……今の所、生存フラグは生きているようです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ