始まりのお話
すこし改稿しました。
一城中学校、この中学校はどこにでもあるようないたって普通の中学校、普通じゃないかどうかなんていうのは分からないがとなりには一城高校と連携しておりたった一本の通路でつながっている。
私はそこに通う中学2年の高野弥生、いたって普通の中学生、だと思いたい。普通じゃないところがありすぎてもう普通だと思い込もうとしている。
何が普通じゃないか、そんなの簡単だ私がまた中学校生活を繰り返さなければならないということだ。中学校を繰り返せるなんていいじゃん、テスト1位になれるじゃん!まったくもってその通りだ、それはいいし何もかもわかるのはいいでも許せないことがかなりある、私は乙女ゲームとか恋愛シュミレーションゲーム、それらがまったくもって大っ嫌いなのだ、ほんとうに嫌い、なぜか簡単だそれが日常で繰り広げられているからに決まっている。恋愛なんてよそでやってくれ!学生の本分は勉強だ!
そんなことを思っていても仕方ない、だって私はこれから一番迎えたくなかった中学2年生を始めなければいけないのだから。
中学1年生はまだよかった、悪女も主人公も登場しなければ恋愛フラグ乱立なんてのもなかった。なのに、なのに…中学2年生からは、
「おい、全員席に着けよ転校生が紹介できねえじゃねえか」
「えー、先生転校生なんて聞いてません!」
「言ってないからな」
そう、この学校に『主人公:悪女』という子が来るからだ
「よし、じゃあ入れ!」
「はーい、せんせっわかりましたぁ!」
この無駄に元気のよい声を聴くのは何年ぶりだ?1年ぶりか
「えっとね…わたし桜城胡桃って言います、よろしくお願いしますね!」
「だ、そうだみんな仲良くするように」
「はい、みんなっよろしくね?」
先生、それに男子諸君見えてないのか女子のドン引きした姿、見えてないならいい眼科を知っているから今すぐにいったほうがいいと思う
はぁ、とため息をつく私の前の席では小鶴さんが険しい顔をしている。それもそうだ、なんたってこの中高間をループして男を落としまくっている至極面倒極まりない子だからであり彼女がループ(?)を引き起こしているのだから。
このことを知っているのは私と小鶴さん、神崎先輩、そして元凶である桜城さんだけだ。小鶴さんと神崎先輩はこのループを止めようとしているらしいけど私は正直言ってどうでもいい、むしろ乙女ゲーム的展開にならなければ永遠にループしていてもらいたいものだ、なぜそこまでこだわるかそんなの簡単だ私はなぜかまあ言葉は濁しておくがこの世からいなくなってしまうからだ、いつだってそうだった何回も繰り返してきたからわかる。小鶴さんが何をしようと、神崎先輩が何をしようと、必ず桜城さんはバッドエンドに導き、そして学園を崩壊させる。学園崩壊エンドを迎えれば私はお亡くなりになる、何でそうなるの?と思ったことはいつもある、でも崩壊を迎えれば必ず私はうん、もう言わないでおく、学園崩壊をさせなきゃ生き残れるじゃん!そんな可能性がどこにある、ただ単にいままで崩壊しか迎えなかったからそう思っただけで幸せになっても結果が同じだったら意味がないに決まってる。
だから私はループしていてもらいたいのだ、ちなみにただ単に大人になりたくないという願望もある、けど言わないでおく。
「おい、高野お前今の話聞いてたか?」
「はい?えっと…そのですね」
おっと、いけないいけない、とりあえず言いつくろっても仕方ないからここは素直に言っちゃえ!
「すいません全然聞いてません」
「お前なあ…」
兄貴が絶句してこちらをしらーっとした目で見てくる、やめてくれ、そんな目で見ないでくれ見つめられても困るので言い返しておく
「いや、先生の話しとか死ぬほど興味ないんで…重要なこと以外は」
「高野、お前放課後職員室な」
上の空で注意聞いてたけれどその発言でびしっ、と固まって反論する
職員室なんて目立ちたくないんです、本当に
「え、いやに決まってるじゃないですか、行きませんよそんなもの、先生一人で行けばいいじゃないですか、はいはい行ってらっしゃいませ」
「あのなぁ…俺は教師だぞ、そんな態度とっていいと思ってんのか?内心下げるぞそれともあれか、お前の親呼べばいいのか?」
「やめてください、職権乱用です。それ貴方の母親なんですけれども自分の母親呼んで女子生徒の前で何がしたいんですか、事後報告ですか」
「おまっ…もう家族じゃなくなったとしてもそんなことするわけないだろ?よし、やっぱり職員室な」
「セクハラで訴えますよ、私のクラスの先生がどこかの部屋に連れ込んであんなことやこんなことしたって」
「おい、やめろシャレになってないからな」
「ちょっと、やよ~目立ってるよ~自重しなされ~」
兄貴とそんな言い争いをしていると後ろで小町がシャーペンでつついてくる、よく見ればクラスの何人かもクスクスと笑っている。恥ずかしい
でもセクハラで訴えますよ、らへんからは小声でぼそぼそと話しているので全体の人が笑っているわけではない。この私たちの担任でみんなの好意の目を向けられている先生は私の兄貴現在26歳の高野翔なのである。やりにくいったらありゃしない。でも唯一の救いなのが私の母と父が離婚していて私は母に引き取られ兄貴が父に引き取られたという点である、だからこそ学校生活でやっていけるわけだが
「まあ仕方ないから教えてやるよ、今年は新入生の都合のため午後から入学式をやるからな、それまでは学校で自由に過ごしてろ」
「え、そんなの学校的にありなんですか?問題を起こしてくれと言ってるようなもんじゃあないですか」
「ありだからこうして言ってるんだろ、こっちも問題起こすのは勘弁してもらいたいけどな」
「何ですかそれ、暴れろってことですか?そういう希釈でいいですか」
「その歪んだ解釈の仕方をやめろ、とにかく問題は起こさないでくれよ。こっちの責任になるんだからな…だからその暴れようとか考えてる目はやめろ!」
兄貴がぶつくさ言いながら教卓に戻って解散宣言をする、私はたぶん問題を起こさないと思うけど桜城さんのことは保証ができないな、あのパワフルっ子が何もしないとは限らないし…そうして自由時間が始まった。みんな大騒ぎしてるけどこれ、本当に大丈夫なのか?そして質問してくるクラスメイトをやんわり断りながらどこかに歩を進める彼女、元気なのはいいことだね…いやまあ、こっちに被害がなければいいか
「やよ~、ラッキーだね、自由時間なんて~、何して遊ぼうか?だるまさんが転んだ?それとも…かくれんぼ?かごめかごめもいいよね~、あと花一匁とか」
「う、うんそうだね…っていうか何で遊ぶこと前提なの?そんな小学生みたいな遊びもうやらないよ、しかも2人じゃできないものばっかりだし!」
「え~、じゃあ小鶴さん一緒に遊ぼうよ~暇でしょ?あ、忙しいならいいけどね…ってどうしたの~?険しい顔して教室の入り口睨んじゃって~」
「えっと…何でもないよ?でもごめんね遊ぶのは出来なさそうかな」
小鶴さんが動揺している、その理由はコレだろう。なんたって今おこっていることは前回のループではなかったことなんだから。
私も驚きはしたが一番驚いているのは桜城さんだろうなんたって彼女は整列するときに兄貴と恋愛フラグをばっちり立てるはずだったのだから。
まあでも今回この展開が変わったことで私も少し動揺してるかな…なんとしてもループは続けてもらいたいからね
「小鶴さんどうしたの?気分が悪いなら先生に言って保健室に行くか早退した方がいいと思うよ?」
「ううん、私は大丈夫少し気になることがあっただけで…なんで、これじゃあうまくいかないよ」
「うん?最後の方なんて言ったかわかんないや、もう一回言ってもらってもいいかな…って小鶴さん?」
うーむ、やっぱり気づいてる人だな、でもなんでいきなり小鶴さんはだんまりなんか決め込んじゃってるんだろう…と思い視線を動かせば3年生の神崎先輩が立っていた
「あ、神崎先輩じゃない?あれ」
「え、本当だ神崎先輩っ…!なんで1年の教室にいるんですか?」
小鶴さんの顔がパッと輝く、そしてパタパタと神崎先輩の方に駆けていく
でも、一体なんで展開が変わったんだろう?展開が変わられると心配しすぎのせいでストレスだらけになっちゃうんだけどな…