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『終末のシンデレラは、ガラクタのマイクで夢を見る』 ―今日のライブの成功報酬は、きれいな水と缶詰一個!―

作者:トムさん
文明崩壊から二十年。すべてが錆びついた世界で、人々はただ生きるために廃品を漁っていた。

かつて数々のヒット曲を生み出した元音楽プロデューサーのアキラも、今やその一人。夢も希望も、そして愛した音楽さえも「ガラクタ」だと吐き捨て、無気力な日々を送っていた。

そんな彼の前に、一人の少女・ノアが現れる。
瓦礫の中から偶然見つけた古い音楽プレイヤー。そこから流れた『歌』は、生きる術しか知らなかった少女の心を、生まれて初めて激しく揺さぶった。

「これを、教えて」

――無邪気にそう願うノアに、アキラは過去のトラウマから冷たく言い放つ。
「この世界では、夢を見る奴から死ぬ」と。

歌を求める少女と、歌を捨てた男。
錆びついた世界で、止まっていた二人の時間が、かすかな音を立てて動き出す。
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