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89話 突かれた隙

 アレから四日経った。その間、桃花が襲われるということもなく平和に過ごしていた。このまま何もなければいいのだが。気になる点があるとするならば、桃花を襲った連中の逮捕やアジトの連中の逮捕が、テレビで放送されないことだ。何か特別な規制でもされているのだろうか。それとも逮捕される前に助けられたのだろうか。わからないことだらけだが方針は変わらない。俺たちは桃花を守る。それだけだ。


 そして今日は金曜日。今日が終われば明日は休みだ。そして後一週間で夏休みだ。夏休み前までにはこの誘拐騒動を解決したいけど難しいかな。そういえば日曜日の夜から毎日桃花が俺の部屋で寝ている。そうとう心細いようだ。朝は早くから布団から抜け出し朝食の支度をしてくれている。交代でやろうと言ったのだが、今は助けられてるからこのくらいはやらせて欲しいと言われてしまい、それならとお願いしている。桃花の作るご飯は俺の好みにも合っていてとても美味しい。他のみんなも絶賛している。褒められると少し照れてしまう桃花。そんな桃花を微笑ましくみつめる。この日常がずっと続けばいいなと、思わざるを得ない。そのためには例の組織をどうにかしなくてはな。今日もいつものようにネリネとミルを追加しての登校。このメンツなら正直、桃花が連れて行かれることは想像しにくい。放課後はさらに里見さんが追加されるので更に守りは磐石だ。だからか、油断が少し合ったのかもしれない。

「おかえりなさい。今日の学院も無事終わったみたいね。」

「ああ、無事に終わったよ。学校内は今日も平和だ。」

「そう。それはよかったわ。こっちも今の所怪しい雰囲気はなかったわ。」

 ネリネが言うのである。なら間違いないだろう。

「じゃあ皆さん帰りましょう!ここにいると視線が気になるので!」

 いつもの校門前で集まっているためか、下校中の生徒たちの視線が痛い。

「そうだな、さっさと帰ろう。この場にとどまってもいいことないしな。」

 そうして俺たちは移動を始めた。薄っすら夕焼け色に染まった空を見ながら俺たちは歩く。夕方でもこの季節、暑い。この暑さを受けミルがぼやき始める。

「暑いです…。こんなに暑いなんて異常ですよ…。私の国ではこんなに暑くなることはなかったですよ。ミナト君達の国は異常ですよ…。」

「この国に住む俺たちですらこの暑さに耐えられてないからな。ここ数年で気温が上がったらしいからな。でも里見さんは涼しそうにしているね。汗一つ見えないけど。」

「ええ、どこぞの雌猫達と違って鍛えていますので。この程度の暑さなら大丈夫です。」

「あら、安い挑発ね。確かに暑く感じるけど耐えられないほどではないわ。アナタだけと思わないことね。」

 気づくとこの二人はバチバチさせている。いい加減にしてくれ。俺がこの二人の間に入って仲介をした、その時。背後から黒い車が俺たちに向かって突っ込んできた。だいぶスピードを出していたようだが全員端によけたので、なんともなかった。俺とネリネと桃花が左側。右側に里見さんとひよりとミル。というふうに避けた。黒い車は俺たちの前に止まり窓を開けた。黒い車から黒い球が、俺たち左側に投げられた。その球に対してネリネが手刀で弾いた。だがこれが不味かった。球からもくもくと白い煙が出てきて俺たちを包み込んだ。かなり白い煙で視界が見渡せない。目の前に何があるのか全くわからない。そして何よりもまずいのがこの煙を吸ったせいかわからないが体が痺れる。即効性の強い毒性の煙。これはマズイ。

「みみんなぁ!こののけめめりをすすううなぁ!!」

 まずい!呂律も回らない。これはかなりまずい状態だ。今敵の攻撃を受けたらピンチだ。なすすべなくやられる!しかしその後俺に衝撃が来ることはなかった。そのかわりに、

「風よ、我に仇をなす者を吹き飛ばせ!ウインドブレス!」

 突風が吹いて煙を吹き飛ばしていった。そこで視界が晴れる。まだ痺れているから動くことはできないが周りは見渡せる。近くには俺と同じように痺れているネリネが膝をついていた。ネリネも苦悶の表情を浮かべている。そして右側にひよりが一人手を前にして立っていた。ということは今の魔法はひよりが?

「邪悪なる災いよ、退け。プリズメイト!」

 ひよりが魔法を詠唱する。すると俺の体に輝く光が包み込み、痺れが取れた!状態異常回復の魔法を覚えていたのか!

「みな兄大変!桃花が攫われちゃった!今ミルちゃんと咲良先輩が追いかけてる!私たちも追いかけよう!」

「なんだって!?」

 桃花がいない時点で嫌な予感はしていたんだ。今の煙幕に乗じて連れ去られるとは。護衛していてなんて様だ。

「邪悪なる災いよ、退け。プリズメイト!」

 俺と同じように回復魔法を受けるネリネ。その後ゴンッと地面を殴った。

「私ともあろう者が!こんな小細工に引っかかってしまうとは…。」

 と、後悔していた。それは俺も同じ気持ちだ。

「ネリネ、行こう!桃花を連れ戻そう!後悔は後で沢山しよう。」

「ミナト。わかったわ。早く追いつかなくちゃね。」

 さぁ急いで探しに行こう。

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