87話 VSヘリ
アジトを出た俺たちは車へ戻った。車では運転手さんが外で待っていた。
「お待ちしておりました。無事終わった様ですね。」
「はい。お待たせしました。では帰りましょう。」
挨拶もそこそこに車に乗り込む俺たち。今日は拍子抜けするくらいあっさり上手くいった。こちらは無傷。必要な情報は少ししか得られなかったが、まぁ仕方ないだろう。
「それで、得られた情報というのはどうゆう…」
そこで運転手さんが言葉を切る。?なんだ。運転手さんは車を急発進させた。
「うわっ!」
「きゃっ!」
いきなりの発進で変な声が出た。でもそれも仕方ないと思う。後ろでも変な声聞こえたし。
「いきなりどうしたんですか?急発進だなんて。」
「背後を見てください。理由がわかります。」
俺たちは車の後ろを見るそこには、空を飛ぶ一機のヘリがいた。そのヘリには無骨なガトリングが付いていた。
「まだ気絶してない組員がいたのか!?」
「懲りない連中ですね。」
「まったくね。どうしてくれようかしら。」
「悠長に言ってる場合か!ガトリングついてるんだぞ!今までの銃より威力が格段に上の銃だぞ!」
「こっちには私の魔法があるんですよ?銃の攻撃なんて防いで見せますよ!」
あ、フラグ建てやがった。背後ではヘリが高速で近づいて来ており車の背後にぴたりとくっついた。そしてくっついているガトリングがくるくる回り始めて…。
ガガガガガガガガガガガッッッッッッッッ!!!
車目掛けてぶっ放して来た。ミルが背後で魔力を溜めている。そして、
「ロッカシールド!」
くるまの斜め後ろに、シールドを展開した。ミルが得意とする盾の呪文。詠唱無しでもその効力はお墨付きだ。だが、そのシールドにガトリングの弾がどんどん当たる。次第にピキピキと音を立てるシールド。
「おい、ミル。シールドが変な音してるんだが大丈夫か?」
「大丈夫ですよ!私のシールドは簡単にはこわれませんって!」
「ミル!盾が!」
ミルの盾は大きい音を立てて破壊されてしまった。その後もガトリングの攻撃は続き、車の後ろの部分と屋根の部分に当たっている。このままではマズイ!俺も盾の魔法使うべきか!
「ふふふふふ」
不気味な声が背後から聞こえた。ミルの声のようだ?
「プッツン来ちゃいましたよ。ええ、私をコケにしてくれましたね。許しませんよ。」
ミルの怨嗟の声が響く。珍しくネリネも顔を青ざめている。
ミルは窓を開けるとそこから外へ出た。
「ミル!危なっ!」
そのままミルは車の天井へ行った。そして首飾りから杖を取り出した。しかしこの間もガトリングによる攻撃は続いている。それを
「クリアプロテクション・デュアル」
透明な壁を二重に張り巡らせたらしい。これなら防御力は二倍。完全に壊されるまで時間がかかるだろう。
「よくも私の魔法を破ってくれましたね。この仕返しはとんとやらせてもらいますよ…!」
そしてミルは詠唱に入った。おそらく上級魔法…!!
「全てを飲み込む破壊の権化、具現せざるは炎の魔人、人の罪を裁いて滅さん。」
ミルの周りに赤い魔力が見てとれる。可視化できるほどの魔力。相当密度は高そうだ。
「デビルフレイム!」
ヘリの正面から大きい炎の塊が現れた。それは人の形をしてるように見える。腕のような部分を振るい針を炎に巻き込んだ。炎に巻き込まれたヘリは空中で燃えている。そして次第に空中に居続けることができなくなり、そのまま落下した。中の人大丈夫かな。
「火力はそんなに高くありません。あの炎で死ぬことはないでしょう。うまく着陸していれば後遺症も残らないですよ。」
と冷静なミルさん。いや、今の魔法見てそういう感想にはならんて。
「ふぅ、久しぶりに高位魔法を使ったらスッキリしました。さぁ、帰りましょう。」
ミルを怒らせると怖いということがわかった。




