86話 アジト②
隠し扉の先には下りの階段があった。何が待ち受けているかわからないが先ほどの男を問い詰めなくてはならない。俺たちはかけ下りた。しばらく進むと広い空間に出た。高さは普通の建物の1階分程度だが、広さが体育館並みだ。台がありその先数十メートル先に的が見える。どうやらここは射的場になっているらしい。縦の奥だとしたら、横の奥の方で先ほどの男がいた。男の前には大きめな銃を構えた男達が数人こちらをみていた。
「お前らが誰かは知らないが、今度こそお終いだ!撃てぇぇい!」
男の号令により一斉に発射される銃弾。先ほどと違いアサルトライフルの様なので威力も銃弾数も段違いだ。だが、
「クリアプロテクション!」
ミルがそう言い魔法を展開させる。透明な壁が目の前に展開させ銃弾を阻む。透明だからこれでどう言う状況になっているか把握できる。相手の男達は銃弾が阻まれているのを見て驚愕している。そりゃそうだ。側から見たら何もないのに弾かれているのだから。そして弾も尽きた。弾丸を入れ替えてる隙を狙って俺とネリネは駆け出し男達の意識を刈り取っていく。拳で。上の階にいた男だけを残して、他の男達は全員気絶させた。最後の男は顔を青ざめさせて尋ねて来た。
「お前らは一体?本当に人間か?化け物と何が違う?」
「失礼しちゃいますね。私たちはれっきとした人間ですよ。」
「普通の人間は銃に対して一方的にやられるんだよ。俺はそうして死んでいった人間をたくさん見て来た。だがお前達の様に一発も銃弾を喰らわずに生き延びてるやつは初めてだ。」
「まぁ俺たちちょっと普通じゃないかもしれないけどね。」
「そんなことはどうでもいいわ。アナタ。私たちの質問に答えてもらえるかしら?いいえ、答えてもらうわ。でなければ。」
そこまで言うとネリネは首のペンダントに手を当てて剣を出した。
「答えなければ、どうなるかはわかるわよね?」
こないだも思ったけどネリネさん怖すぎません?本当はネリネが悪役なんじゃないかと思う。
「ミナト、質問して。」
「ああ。先日俺たちの友達、柚木桃花がお前達の組織に狙われた。その理由はなんだ。」
「実行部隊が警察に捕まったやつか。お前達だったんだな。それなら納得だ。」
「いいから答えなさい。」
「悪いが理由は知らない。特別任務で俺を介さないで実行部隊に命令が下ったやつだからな。実行部隊も理由までは知らなかったんじゃないか?」
その通りだ。実際に桃花を攫った奴らも理由までは知らなかった。
「じゃあ次の質問。お前達に指令を与えている者達がいるアジトはどこだ?」
「それも知らない。俺たちには一切所在は知らされていない。恐らくこういう時にバレない様にするためだろうな。」
この質問もダメか。相手の組織は恐ろしく保身に長けている。ありとあらゆる情報がカットされている。
「じゃあ次。お前達の組織の名前はなんだ。」
「組織の名前?そんなの知ってどうする?」
「いいから答えるんだ。」
「俺たちの組織の名はアンダーコア。」
「アンダーコア。」
里見さんから言われていた敵組織の名前はゲットできた。これで進展すればいいが。
「なぁ、答えるだけ答えただろう。見逃してくれよ。」
「いや、見逃すことはできない。警察に引き渡す。」
そう言い俺は男の意識を刈り取った。
「思ったほどの成果は得られなかったわね。」
「そうだな。敵組織の名前が分かっただけでも良かったとしよう。ここは警察に任せて俺たちは帰ろう。」
警察に連絡を入れて俺たちはその場を後にした。




