84話 出発前
放課後。部活も終わり帰宅する時にネリネとミルと合流した。いつかの日みたいに生徒に囲まれているということもない。まぁ、周りの視線はスゴイが。
「お出迎えご苦労様。そちらは何事もないようですね。」
「そちらの方こそ何事もなかったでしょうね?それと私たちはあなたの従者じゃないわ。」
「二人とも喧嘩腰にならない!こっちは平和そのものだったよ。今日のところはね。」
「そう、それはよかったわ。ならこの後は予定通り。」
「ああ、予定通りお出かけしよう。時間帯も暗くなる時間でちょうどいいだろう。」
「やっとですか。私も今回の件にははらわたが煮えくりかえってますからね。思う存分やらせてもらいますよ!」
「その前に桃花達を無事家に送り届けてからな。帰り道に襲われる可能性だってある。」
「普通に考えたらこんな美少女だらけの集団が強いだなんて思わないですよね。みんな誘拐されちゃいますよ〜。」
「自分で言うか…。」
帰り道も警戒は緩めない。流石に見えないところから狙撃されたら避けきれない。桃花を中心にして自転車を走らせる。自転車のない人は走りだがみんなついてきている。そのまま何事もなく家まで帰ってきた。今回の帰宅は問題なかった。
「じゃあ帰ってきたし行きますか!ネリネ、ミル行こう。」
「先輩!」
出かけようとした時桃花に呼び止められた。
「先輩すみません。私のせいで危険な目に遭わせてしまって。」
「いいっていいって。桃花は大事な後輩だ。助けるのが当たり前だよ。」
「大事な後輩…ですか。」
その言葉が気に掛かったのか復唱し俯く。
「私にとっても先輩は大切な先輩です。無理だけはしないでください。」
顔を上げこちらを見る。その目は少し潤んでいた。
「ああ、わかった。無茶はしないよ。約束する。指切りでもする?」
少しおどけてそんな事を言ってみる。すると、
「はい、是非。」
桃花にしては珍しく乗ってきた。子供っぽいことはやらないのに。
『指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます。指切った!』
指を絡ませて指切りをする。したのは久しぶりだ。
「なんですか針千本飲ますって!嘘つくだけでそんな処刑みたいなことするんですか!?」
ミルが驚いている。そんなミルを見て俺と桃花は顔を合わせて笑った。
「え、なんで笑われたんですか、私?」
「ミル、帰ってきたら教えてあげるね。」
「どうして先伸ばすんですか!?」
ひよりも含めて俺たちは笑った。
「じゃあ里見咲良。後は任せるわよ。桃花達に何かあったら容赦しないわよ。」
「こちらの事はご心配なく。きっちり守らせていただきます。そちらこそミスらないでくださいね。」
お互い目をバチバチさせている。なんで二人とも顔を合わせるたびにこうなんだ。
「じゃあ行ってくるよ。ちゃんと帰ってくるから待っててな。」
「はい。夕飯作って待ってますね。」
そして俺たちは家を出た。さぁ、行動開始だ。




