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82話 協力

 俺とひより、桃花、ネリネ、ミルの五人はテクテク学校へ向かって歩いていた。俺とひより、桃花に追加してネリネとミルがいる理由は桃花の護衛の為。誘拐されかけた桃花がまた狙われないようにする為だ。俺が里見さんに狙われていた時といい、ネリネとミルに護衛されるケースが多いな。だがやらなければ危険性が高くなる。七月も中盤に差し掛かる今日この頃。まだ朝早いおかげで、比較的涼しいのんびりとした朝を迎えられている。だがいつ敵が来るかわからない。気は張っておかないと。もう少しでウチの高校生最寄りの駅に辿り着こうとした時だった。人がこちらを向いて立っていた。誰が待ち人でもいるのだろうか?段々近づくにつれて立っている人が誰か判別できた。そのひとは、里見咲良さんだった。

「誰かと思えば里見さんか。おはよう。今日は朝早いんだね。」

「おはようございます、片桐君。それとその他の方々。今日はまた勢揃いでどうしたんですか?」

「相変わらず言い方に棘があるわね、里見咲良。あなたこそ何故こんなところで待ち伏せているのかしら?」

「最初に質問をしたのは私です。答えてくださいますか?雌猫さん。」

「咲良ちゃんの中で私たちはまだ雌猫なんですね…。」

「俺から答えるよ。ちょっと事情があってネリネ達には護衛を頼んでるんだ。」

「護衛…ですか。もう私のように愛を追求する人はいないと思いますが…。」

「いや、そういう人は後にも先にも君だけだと思うんだけど…。」

 里見さんが少し顔をしかめてそう言う。うーん、ああいった経験はもうしたくないなぁ。

「と言うわけよ。次はあなたが答える番よ。何故ここで私達を待っていたのかしら?」

「別に特別な意味はありません。普段ならひよりちゃんと二人でくる片桐君が、大勢で来ると報せが入ったので理由を聞こうとしただけです。なので目標は達せられました。」

 どうやら俺の行動は誰かに監視されているらしい。恐ろしい話だ。

「ところで、片桐君。ちょっとした事情というのはどういうことでしょうか?もしよろしければお聞かせください。」

「あー。それはね。」

 ここで正直に答えてしまってもいいのだろうか。なるべく大勢には知られたくない内容だしな。

「それなら私から説明します。」

「と、桃花!?」

 桃花が自分で説明すると言い出した。思い出すのも辛いだろうに。それにいいのだろうか他人に話してしまうのは。

「里見先輩なら大丈夫です。基本的に先輩以外には興味ない人ですから。」

 うーん、確かにそうなのかもしれない。それなら話しても大丈夫なのか?

 と、言うことで桃花は先日あった出来事を話し始めた。


 先日起きた誘拐騒動の話を終えた。桃花の様子を見るに普通そうにしていた。当時のショックが薄れたのならいいが。

「そうですか。桃花ちゃんが攫われそうになったんですね。」

「はい。先輩とネリネさんのおかげで助かりました。」

「…。」

 そこで黙り込む里見さん。何か考えているようだ。

「確かに一度の失敗で引いてくれるならいいですけど、銃で武装した人たちに襲われたんですよね。ならもう一度襲撃にくると考えるのが普通ですね。」

 里見さんも俺たちと同じ考えに至ったようだ。そう、一度で諦めてくれるようならいい。だがそうでない可能性があるから対策を練らなくてはいけない。

「それで、今後の対策はなにかあるんですか?」

「登下校中の護衛。それと敵アジトへの襲撃よ。」

「襲撃?アテがあるんですか?」

「ええ。捕まえた下っ端が言っていたわ。…下っ端のアジトらしいから上層部への手がかりがないか探すことになるけど。」

「そうですか。なら一緒に敵組織の名前を見つけてください。見つけてくれれば私の家の方で情報を探してみます。後襲撃してる際に桃花ちゃんのことは私がガードします。」

「里見さん、協力してくれるの?」

「ええ。桃花ちゃんが困っていると片桐君も困ってしまいますからね。旦那の悩みの種を解決してあげるのも良き妻の務めというものですから!」

「そ、そうなんだ、ははは。」

 妻うんぬんには反応困ってしまうが、これで新しい道が開けた。これは心強い!

「と、言うわけなので足を引っ張らないでくださいね、雌猫さん達。」

「喧嘩うってるのかしら?」

「ムキー!その雌猫呼びをやめてくださいー!」

 仲良くいこうぜ?

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