表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/122

71話 引越し

 試験開けの土曜日。午前中は部活があり活動をしていたが午後はフリーだ。本来ならのんびり過ごすところだが今日は予定がある。今日から桃花がウチに引っ越してくるのだ。そう、桃花は親の許可を得て俺の家に住むことになった。どうやって許可を取ったのか聞いても、

「内緒ですよ、先輩。」

 と言って、話してくれなかった。年頃の娘を若い男の家に出すってよっぽどの事だと思うけど。俺は一度親御さんにご挨拶をと思ったのだが、それは相手の都合でできなかった。ご両親共仕事で忙しいらしく、会える日がなかった。そんなこんなで桃花が今日引っ越してくるのでその準備をしている。客間の一つを掃除してそこを桃花の部屋にしてもらう。元々客間が二つ余っていて、そのうちの一つをネリネとミルが。もう一つを桃花に使ってもらう。それを聞いてひよりが、

「私も桃花と一緒に住む!みんなと一緒に過ごしたい!」

 と騒いでいたが、無論許可が降りるわけもなく、泣く泣く通いになった。隣の家なんだからいつでも来れるだろうに。

 桃花と二人で部屋の掃除をする。掃除といっても普段何もない部屋だから雑巾掛けくらいしかすることはないが。

「ふんふんふーん、ふんふんふん♪」

 なにやら桃花はご機嫌だ。鼻歌を歌っている。ここまで上機嫌な桃花は珍しい。普段感情の起伏に乏しい方だからな。表情もなんだか楽しげだ。年相応に見えてとても可愛らしい。

「ふんふーん♪…どうかしましたか?先輩?」

 手が止まっている俺を見て不思議そうにする桃花。

「なんでもない!なんでもないよ、桃花!」

「?」

 まさか見惚れてたなんて言えるはずもなく俺はごまかした。危ない危ない。雑巾掛けが掛け終わってしばらくするとピンポーンと音が鳴った。玄関に向かい誰が来たか確認してみると、桃花の荷物を持った引っ越しセンターの人だった。

「お世話になってます!柚木桃花さんの荷物をお持ちしました!どちらに運びますか?」

「はい。こっちの部屋でお願いします。よろしくお願いします!」

 軽く言葉をかわし部屋に荷物を運んでもらう。事前に棚などがないから必要なら持ってきてくれと言ってあるから大きい荷物が多そうだ。次々に運ばれていく荷物達。棚やベッド、小物などが入った段ボール。数十分足らずで荷物を移動し終えると引越しセンターの方々は帰って行った。流石プロだ。部屋に戻ったら先ほどまでと雰囲気が全く変わっていた。タンスと勉強机と棚とベッドが置かれているだけだが、どれも女の子らしい色合いをしておりちょっとドギマギしてしまう。女の子の部屋って入ったことないんだよなぁ。ひより?誰それ?

「先輩?顔が赤いですけど、どうかしましたか?」

 またしても桃花に指摘されてしまった。先輩として平常心が保ててないぞ、情けない。

「いや、なんでもない。じゃあダンボールの荷解しちゃうか!」

「…あ、先輩、待って!」

 俺が手早く近くにあった段ボール開ける。開けるとそこにはヒラヒラしたレース状の布が入っていた。こ、これは!?拾い上げてみるとそれはパンツだった!?その後真っ赤な顔をした桃花が下着をひったくり段ボールに戻した。

「…あの…今見たモノは忘れてください…お願いですから…。」

「ああ!俺もすまん!確認してから開けるべきだった!まさかパンツだとは思わなくて!」

「………!?忘れてください!」

 桃花の絶叫が俺の家に響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ