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69話 友との時間

 俺は今危機に瀕していた。今までにない絶体絶命。この危機を乗り越えることができるのであろうか。助けはいない。孤立無援。俺は一人で立ち向かわなくてはならない!

 キーンコーンカーンコーン。

「はーい、ペンを置け!後ろから前にテスト用紙を回せ!片桐!往生際が悪いぞ!ペンを置け!」

「ああー、先生!あと一問!一問だけだから!」

 そう今はテスト時間。いや、テスト時間が終わった。今週の月曜日から木曜日にかけて俺の高校はテスト期間に入っていた。今日はその木曜日。最後の教科が終わったところだった。手応えはない。恐らくボロボロだろう。異世界に行っている間、直前に習っていたことを全て忘れていたのが原因だ。その後里見さんとのアレコレもあり勉強をするのをすっかり忘れていたのだ。それはテストもボロボロになるというもの。赤点は無いといいなぁ。赤点があると追試がある。追試も落とすと夏休みに補習がある。補習はなんとしてでも避けなければならない。来年は受験があるし遊べる夏休みは今年が最後だ。高校生活の夏を灰色にするわけにはいかない!でも今はテストが終わってホッとした気分である。この気持ちを大事にしよう。

「片桐君、テストどうでした?」

 黒髪の美少女が話しかけてきた。彼女は里見咲良さん。俺たちの高校に転校してきた女の子だ。彼女とは色々あった。俺は彼女に好かれており命を狙われていた。何故命を?と思うかもしれないが事実だからしょうがない。今は考えが変わって俺の嫁になり子供を作ることを目標にしているらしい。こんな可愛い子に好かれるなんて羨ましいと思われるかもしれないが、あの殺意を知っているからか素直に喜べない。今は実質無害だけど。

「いやぁ、見ての通りボロボロだったよ。里見さんは?転校したてだったけど大丈夫だった?」

「はい。もう習っていたところだったので問題ありませんでした。もっと早く知っていれば片桐君に勉強を教えられたのに、残念です。」

 ちょっとしょんぼりする里見さん。俺に勉強を教えるのは大変だと思うけどな。

「うぃっす、湊、咲良ちゃん!今日でテスト終わりだし、遊びに行かない?」

 そう割り込んできたのは樫村だった。コイツもテストはギリギリ派で先程まで俺と同じ苦悶の表情だったが、テストが終わり解放されたらしい。テストはもう過去のことになってるらしい。それは俺も同じ気持ちだが。

「片桐君が行くなら私も行きます。」

「相変わらずだね、咲良ちゃんは…。湊死ね。」

「うるさいぞ樫村。悪いけど今日はパスだ。先約があるんだ。」

「先約?それってひよりちゃん達か?それともネリネさん達?」

「どっちもだ。なんかやりたいことがあるらしくてな。それに付き合ってほしいんだと。」

「そうですか、あの雌猫達と。相変わらず仲良くしてるんですね。ふふふ。」

「怖いぞ、里見さん…。そういうわけなんで今日は無理だ。また今度な。」

「そういうことなら仕方ないな。だってさ、立花ちゃん。残念だったね。」

 樫村は近くの席で帰りの準備をしていた立花に話しかけた。なんだ立花も行くつもりだったのか。

「べべべ別に残念なんかじゃないわよ。別の日に行けばいいってだけじゃない!変なこと言わないでよね!」

「そうそう、立花の言うとおりだ。でもせっかくだから三人で遊びに行ってきたら?里見さんと交流を深める意味も込めて。」

 里見さんは転校してから一貫して俺の近くにいる。俺がいないところでの友人も作ってもらいたいものである。

「交流を深めるも何も私と咲良はもう友達よ。」

「そうそう俺たちは友達だぜ!仲良しだぜ!」

「七海ありがとう。樫村君とはそこまでなかよくないので、片桐君、安心してくださいね。」

「そりゃないっしょ、咲良ちゃん!」

 樫村がいじられたところで俺たちは笑う。うん、里見さんも馴染めているようだ。

「でも、そうね。湊が来ないなら三人で出かけましょうか。荷物持ちが一人いるから買い物しましょうよ、咲良。」

「そうですね。片桐君に見せる私服とか欲しいです。ついでに下着も新調します。いつ見せてもいいように。」

「むっひょお!俺もそこまでついていっていいんですか!?荷物持ちいくらでもやります!」

「アンタは店の外で待機よ。それと咲良?私たちまだ高校生なんだから見せる機会なんてそうそうこないわよ?」

「何を言うんですか、七海は!女はいつどこで勝負になるかわからないんですよ!備えあれば憂いなしですよ!」

「そ、そう言うものなのね。なら私も新調しとこうかしら…。」

「ははは、なんだか楽しそうだな、お前ら。」

 俺は話についていけず空笑いする。なんだろう背筋がゾクっとする。

「それに夏休みもすぐ近くだから水着も欲しいのよねぇ。夏休みなら湊も時間取れるでしょ?」

「補習にならなきゃ大丈夫だ。部活はあるけど、毎日じゃないしな。そうだな、プールには行きたいな。」

「プールですか。私は行ったことないのでどういうところなのか気になりますね。」

「プール行ったことないってマジ?県最大級のプールが近くにあるのに?勿体無い。今年は絶対行こうね、咲良ちゃん!」

「宗弥、下心が見え見えよ。」

「ドキン!そんなことないよ立花ちゃん!俺は純粋にみんなと楽しみたいと思って…。」

「はいはい、わかったわよ。そう言うことにしといてあげる。」

 ここでは樫村が図星を当てられたが、俺も里見さんと立花の水着を想像した。これは楽しみだ!

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