64話 ケル③
ケルの放った火球が俺たちに対して降り注ぐ。俺とミルは素早く移動し火球を避ける。一つ、二つ、三つ…。次々と降り注ぐ火球。これはもう災害のレベルだ。この火球を何とかしないと!
「地の呪縛からその身を解き放て、フリューゲン!」
背後でミルが呪文を完成させる。空を飛ぶようだ。相手も空を飛んでいるから同じ舞台に立とうと言うわけだ。なら俺も、
「地の呪縛からその身を解き放て、フリューゲン!」
俺も魔法を完成させて空へと飛び立つ。避けるばかりでは埒があかないのでケルに接近する。
「ミナト君行ってください!援護します!」
「わかった!任せた!」
火球が飛んでくる。それを俺はギリギリかわして先へ進む。かわした先にもう一つ火球が飛んできた。これはどうする?
「我らを守る守護の盾、生命の源!アクアシールド!」
ミルが魔法を完成させ俺の前に展開してくれた。水の盾が目の前に展開され火球をかき消した。これなら先へ進める!
「うぉぉぉぉぉ!くらえぇぇ!爆炎刃!!」
通常の炎刃よりも範囲の広い攻撃。これでケル全体に攻撃ができる。
「落ちろよぉぉぉぉ!!」
ケルに向けて技を放つ俺。うまくケルに当てることはできた。
「わううーーーーん!」
ケルが悲鳴を上げる。しかしケルは倒れない。ダメージはあったようだが落とすまでには至らなかった。ケルは翼を羽ばたかせ、風を起こした。俺はそれに煽られて背後へ吹き飛んだ。
「うあっとと!」
空中でバランスをとる。これが隙になった。ケルが口を開け、次の攻撃に移った。先程のケルも使ったビームだ。俺目掛けて飛んでくる。
「まずい!フレアシルド!」
目の前に炎の盾を具現化させる。それにビームが当たった。しかし普段使う魔法でもなく、詠唱もしていないため盾の耐久値が低い。盾は壊されビームは俺に直撃した。
「ぐあぁぁっっ!!」
俺は地面へと落下する。気を失ってはいない。何とかバランスをとって宙に浮かなくては。
「ミナト君!癒しの力をここに示さん、ヒール!」
ミルが回復魔法をかけてくれた。これでダメージが少し引いた。おかげで地面に着くギリギリで体勢を直すことに成功した。そのまま上昇し、ミルの隣に並ぶ。
「難敵だぞ。どうする?」
「強力な一撃を与えて倒すのがいいと思います。ダメージをちまちま与えてたんじゃこっちが先にやられちゃいます。」
「俺もそう思う。ならやってみますか、同時攻撃!」
「タイミング、ミスらないでくださいよ。」
「そっちこそ。」
俺たちはニヤリと笑い行動に移した。俺はケル目掛けて飛ぶ。ケルの火球がこちらへやってくる。それを俺はかわす。そして二発目が、やってくる。それを、
「炎刃!」
炎刃をぶつけて火球をかき消す。そして
「剛炎刃!」
ケルにぶつけてひるませる。大したダメージが入らないことはわかっている。少しでも怯ませることができればいい。
「凍える水、凍てつく水、凍る水!フリーズウォーター!」
ミルが魔法を放つ。冷水が放出されてケルに降りかかる。当たったところから徐々に凍っていく。これでケルの動きを鈍らせることができればいいのだが。しかし思ったよりケルにダメージは与えられていない。
「いくぞ!ミル!」
「やりますよ、ミナト君!」
俺はケルの頭上に飛んだ。ミルはケルの正面に。
「燃え上がれ豪爆の炎剣!彼の者を焼き尽くせ!」
俺は精霊剣に炎を纏わせる。魔力を大量に込めた。いつも使う炎刃など比べ物にならないくらいの火力になっている。
「雷鳴轟く我が剣、破壊の王ここに現れる!」
ミルは持っている杖に電撃を纏わせている。普段することのない直接攻撃!
『スターダストクロス!!』
俺はケルの頭上から真下へ落下しその体を貫いた。ミルは正面から移動しケルを正面から貫いた。俺とミルの合体技。十字の形になる俺たちの攻撃。渾身の力で攻撃したからこれが大ダメージになってほしい。俺たちの攻撃を受けてケルは地面へと落下していった。着地もできずに地面に叩きつけられた。動きはない。どうやら生き絶えたようだ。よっしゃ!倒した!
「ミナト君やりましたね!やったやった!」
「うあっとと!」
ミルが抱きついてきた。おかげでバランスをくずしそうになった。ミルも嬉しいようだ。俺たちは空中で喜んだ。




