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56話 団欒

 スーリアの修行が終わり、自分の家の庭に戻ってきた俺がまず感じたことは、全身に伝わる痛みだった。

「痛っ!?痛い痛い痛い…!?何この痛み!?」

 電気が伝わるような痛みに俺は声を我慢できずに騒いだ。何これ、痛過ぎる!?どうなってるの!?

「あ、みな兄帰ってきた!?おかえり!」

「おかえりなさい、先輩。やっぱり先輩もこうなってましたか。」

 騒いでいると家の方からひよりと桃花がやってきた。痛みで喋ってる余裕がない。でも何か知ってるようだ。顔だけなんとかひよりの方に向けて何事か目で訴えた。

「ネリネさんもミルちゃんも帰ってきた時に動けないほど痛かったんだって。ミルちゃんなんて女の子が出しちゃいけない声だしてたからね。しばらくしたら動けるくらいにはなるみたいだよ。」

「二人とも今は部屋で眠っています。先輩も動けるようになったら部屋へ移動してくださいね。」

 この痛みは修行の弊害らしい。魔力貰った反動でこの痛みは起こっているのだろうか?とにかく痛い。

「っ!いつっ!痛っ!」

 喋ろうとしても痛みでうまくしゃべれない!それを見たひよりは

「無理して喋らない方がいいよみな兄。ネリネさんですら喋れなかったんだから。痛みが引くまで待った方がいいよ。」

 ネリネですらダメだったか。それなら俺でもダメな気がするな。

「動けるようになるまではここにいますから安心してください、先輩!」

「私はSNS確認しないといけないから部屋に戻るね!じゃねみな兄!」

 桃花は優しいなぁ。ひより、後で泣かす。

 動けるようになるまで5分くらいかかりました。拷問かよ…。


 その日の夜。一眠りして回復した俺はリビングへ降り立った。そこにはネリネとミルがいた。ひよりと桃花はキッチンで料理を作っているようだ。スーリアは姿が見えないが近くにはいるんだろう。

「おはようミナト。無事に修行を終えられたようで安心したわ。」

「ありがとうネリネ。ネリネとミルも無事でよかったよ。」

「ホントですよねー。私にとっては辛すぎる修行でしたよ。なんですかあの連戦は!こっちは魔法使いなんですから、もうちょっと合った内容があったと思いますよ!」

 確かにあの修行内容ではミルのような後衛タイプは辛かっただろう。凄いことだ。

「前衛の私でもギリギリだったのに、流石だわミル。アナタと同じパーティにいられて嬉しいわ。」

 ネリネも素直にミルを褒めている。どうやら俺と同じ気持ちのようだ。

「!!そうストレートに褒められると照れちゃいますね〜。褒められても何も出ませんよ!」

 顔を赤くしてもじもじするミル。うん、わかりやすいやつ。

「ともかく全員強くなったんだ。これで里見さんにも勝てるはずだ。」

「そうね。私も大分強くなれたと思うわ。彼女のスピードに負けはしないわ。」

「私も魔力を貰いましたからね。あのワンちゃんもイチコロですよ!」

 俺たちのやる気は高い。自身もある。今なら負ける気はしない。

「魔力と体力、両方回復したら打って出ましょう。これ以上負けっぱなしなのは性に合わないわ。」

「そうしよう。作戦はどうする?前回同様ポチを先に倒してから里見さんと対峙するか?」

「いえ、里見咲良とは私が戦うわ。あのスピードだとポチとの戦闘で消耗してからだと勝てるかわからないもの。だからポチに二人で相手して欲しいの。大丈夫かしら?」

 ネリネの言っていることは理解できる。俺も里見さんの超スピードは見ている。今の俺なら見ることはできるがついていけるかはやってみないとわからない。それならネリネの言う通りにした方がいい。

「私もそれが良いと思います。大丈夫です。私とミナト君でポチは倒せます!それこそ余裕勝ちですよ!安心してネリネちゃんはあのイカれ女を倒しちゃってください!」

「俺もそれに賛成だ。里見さんはネリネに任すよ。頼んだ!」

「ええ、任せてちょうだい。必ず倒してみせるわ。」

 作戦も決まった。後は回復して戦うだけだ。

「お話しは終わった?こっちも料理できたよ〜。」

 と、キッチンの方からひよりがやってきた。晩御飯が出来たようだ。匂いから今日の夜はカレーのようだ。

「ネリネさんとミルには馴染みないかもだけど、日本の食事で有名なカレーだよ。ご飯とルーを合わせて食べる料理で、とても人気なの。お好みで辛パウダーをかければ辛さを調節できるよ。」

 皿にカレーをよそって桃花が言いながら配膳している。俺は辛口でもいいからパウダーかけよう。

「辛さの調節ですか…。カレーだからかれぇなんてギャグじゃないですよね?………えっ空気が冷めた!?私のせいですか!?ええーん、ネリネちゃん、みんながいじめます〜。」

「はいはい、ミルが変なこと言うからでしょ、まったく。でもどう言う味かわからないわね。興味あるわ。」

 異世界組の二人もどういう料理か興味津々みたいだ。俺も久しぶりのカレーでテンションあがっている。

「ではみんなの分よそったから食べましょう。先輩、スーリアの分はよそわなくていいですか?」

「近くにはいると思うんだけど今いないしな。出てきたらたべさすよ。だから大丈夫だ。」

「わかりました。ではみんなで食べましょう。いただきます。」

「「いただきます!」」

 俺たちはカレーを食べ始めた。久しぶりに食べたが、カレーは美味い!

「ちょっとピリ辛でおいしいわね。このルー?がご飯によく合うわね。」

「これなら何杯でもいけますね!ちょっと辛さ足したいのでパウダーください!…ごほっ!かけすぎました!辛いです…!」

「ミルちゃん大丈夫!?これお水!飲んで飲んで!もうあんなにかけるからだよ。ちょっとずつかけなくちゃ。」

「ひよりも初めてパウダーかけた時辛すぎて泣いてただろう?二人は一緒だ一緒。」

「なんで言っちゃうのみな兄!?意地悪だよ!」

「ひよりはわかるけどミルもドジだよね。これから気にしてあげないと。」

「桃花ちゃん!?私は見えないかもしれませんがしっかり者です。大丈夫ですから!」

 俺たちの夕飯はこうして過ぎていった。楽しい夕飯だった。

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