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48話 帰宅

 学校での時間はいつも通り過ぎ、部活も終わり帰りの時間になった。俺とひよりと桃花の三人は、凪沙先輩に挨拶してから部室を後にした。外はまだ夕方というにはちょっと早い時間。夏に向けて日がどんどん伸びてくる時期だ。まだ暑くなく過ごしやすい環境だ。俺はこの季節が好きだった。まぁ、嫌いな人はあんまりいないだろうけど。三人で校舎を出て学校の坂道を降る。相変わらず急な坂道にうんざりするが仕方がない。

「今日はネリネさんとミルが迎えに来てくれるんですよね、先輩。大丈夫なんですか?校舎前だなんて。」

「ああ、朝も大丈夫だったし、放課後も大丈夫だろう。みんな自分のことばかりで周りは見ていないって。」

 俺自身ひより達に言われ、その考えになっていた。

しばらく歩くと校門の前にちょっとした人だかりができていた。なんだか嫌な予感がしながらも人だかりへ近づいていく。人だかりの中心ではネリネとミルが誰かと話をしていた。

「あのー、人を待っているので、そろそろ解放していただけると嬉しいのですが…。」

「まだ来てないみたいですよね!私たちともっと写真撮りましょう!お姉さん達超美人だもん!」

「そうだよそうだよ。ねぇ、SNSにあげてもいい?」

「えすえぬえす?それって何かしら?写真ならあげてもいいけれど。」

「やったー!話がわかる〜!もっと撮っちゃおう!」

 ネリネとミルは被写体になっている様だ。言われたままのポーズをとってみんなと写真を撮っている。何をやっているのだ一体。

「というかこの後遊びに行こうよ。待ってる人たちも一緒にさ!みんなで楽しく行こうよ!」

 そこには水谷の姿もあった。水谷も何やっとるんだ何を。

「あ、ミナト君!やっと来てくれましたね!もう、大変だったんですよ!」

「ようやく来てくれたわ。何を言われてるのかわからないから苦労したわ。」

 ミルとネリネに見つかった!話を振られた瞬間みんながこっちを向くからびっくりした。ってか怖かった。

「ん?湊じゃないか。なに?この方達の待ち人ってのは湊のことだったのか?」

 人だかりの代表としてか、水谷が話しかけてくる。

「そこにいる人たちは俺たちを待っていてくれてたんだ。じゃ、そういうことで!またな、水谷!」

「ちょいちょいちょいちょい!待つんだ、湊!湊だけこんな素敵お姉さんと超絶かわい子ちゃんと一緒だなんて許せないぞ!俺たちにも紹介しろよ〜!」

 ちょっとウザいな、水谷。

「こっちの長身の方がネリネで小柄の方がミルトニアって言うんだ。二人とも俺の両親の知り合いでな。その縁あって仲良くしてるんだよ。」

 テキトーに嘘並べといた。ネリネとミルにも目配せしたからわかってくれるだろう。

「ヘぇ〜そうなのか。よろしくお願いします!ネリネさん!ミルトニアさん!」

 水谷が元気ににこやかに二人に挨拶する。こういうところがモテるところなんだろうか。

「それでさ、湊が来る前に言ってたんだけど、これからみんなで遊びに行かないか?」

 水谷が提案する。楽しいこと好きな水谷らしい案である。だが、

「悪いんだけど、この後用事があるんだ。だからまた今度な。」

「なんだよ、つれないなぁ。ちょっとだけもダメなのか?」

「お前と一緒でちょっとだけで済んだ試しがないからな。悪いけどまた今度で。」

「じゃあせめて連絡先だけでも!」

「ネリネ達はスマホ持ってないんだよ。だからなにか有れば俺に言ってくれ。」

 えーと言う周りの声に謝りを入れて人だかりから抜けた。なんだかんだ言って付いてくる人もいなかった。

「いやぁ、ちょっと予想外だったね、みな兄?まさかあんなにネリネさん達が注目されちゃうとは。」

「やっぱり俺が最初に思った通りだったじゃないか!朝は見る人がいなかったからじゃないか。」

「まぁまぁミナト。私もちょっと予想外だったけど、悪い注目じゃなかったわよ。みんな好意的だったし。」

「そうですね。写真撮られまくったのは恥ずかしかったですけど、皆さんよくしてくれましたよ。」

「そういう問題ではなくてな。目立たない学校生活が送りたかったのに…。」

「みな兄目立ちたくなかったの?その割には映研にいるよね?」

「俺はカメラマンだからいいの。」

 そう、撮るのはいいけど撮られたくない的な。そんな感じ。

「でも先輩。目立つのはネリネさん達であって先輩ではないですよ。考えすぎなのでは?」

「まぁ、確かにそうなんだけど。毎日送り迎えされてたら俺まで目立っちゃうかなと。」

「それこそ、みな兄のことなんて見ないんじゃない?ちょっと自意識過剰なんじゃないの??」

「なにおー!」

 言い得て妙だった。確かにネリネ達が目立つからと言って一緒にいる俺まで目立つという理屈にはならない。あれ、なら問題ないのか。

「二人ともじゃれてないで帰るわよ。私たちが来た目的は護衛。護衛対象が外で遊んでたら意味ないじゃない。」

「うっ、すみません。」

 ネリネに怒られてしまい素直に謝る。こういう時のネリネには何も言えない。正論の塊だ。

「じゃあ、このまま帰りましょう!まっすぐお家へ帰りましょう!」

 ミルの号令の元、俺たちは帰宅するのであった。


 家に帰った後、俺たちは昨日と同じ様に修行を始めた。俺とネリネは空を飛ぶ距離を伸ばすため。ひよりはファイアーボールの威力を上げるため。桃花はファイアーボールの威力を下げるため。ミルは空を飛びながらみんなの様子を見るため。それぞれに合った修行を行なっている。

「だいぶ空を飛べる様になったぞ。イメージトレーニングの効果も出てる。」

 俺も昨日よりも高い距離3メートル近くまで飛べる様になった。後少しで制限なく飛べる様になるだろう。ネリネは今日も飛ぶ時間があったためかほぼ自由に飛んでいる。スピードはさほど出てないが、高さはほぼ無限に近いだろう。元々魔力の使い方がうまかったネリネらしい成果だ。

『炎纏し眷属よ、その身を持ちて我が敵を燃やせ、ファイアーボール!』

 ひよりと桃花が同時にファイアーボールを出現させる。ひよりのファイアーボールはまだ小柄なボールくらいの大きさだ。桃花のファイアーボールはサッカーボールくらいの大きさまで小さくできている。二つの火球が木にぶつかり焦げ目をつけた。二人ともファイアーボールは慣れてきた感じだ。

「ふむふむ。皆さん上手になってきましたね!私も負けてられません。炎纏し眷属よ、その身を持ちて我が敵を燃やせ、ファイアーボール。」

 ミルも負けじと空を飛びながらファイアーボールを出現させる。大きさはミルと同じくらいの大きさだ。そのファイアーボールを空へ飛ばせ数メートルのところで消した。流石はミルだ。

 全員目に見えて成長している。このままいけば、暫くすれば目的達成できるだろう。毎日の積み重ねが成長につながる。やっぱりできるようになるっていいな!

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