44話 買い物③
買い物をある程度済ませた俺たちは昼ごはんを食べることにした。みんな何が食べたいか聞いたところ以外にもラーメンということだった。ネリネ達はこの国の食べ物をあまり知らないはずだが初日に食べたカップラーメンの味が忘れられなかったらしい。ひよりと桃花も久しぶりにがっつりたべたいようだ。俺もラーメンは好きだから反対する必要はない。モールに入っているラーメン屋に入った。テーブル席に案内されてそれぞれ席についた。店内に漂うスープの香りでお腹はもうぺこぺこだ。
「さぁ何食べようかな。まずネリネ達の分から決めちゃおうか。この間食べたカップ麺よりも美味しいと思うよ。何か希望はある?」
「希望って言われても、何もわからないわ。メニューを見ても写真はついているけど味まではわからないもの。ミナト達と同じのにするわ。」
「私もそうします。下手に冒険するよりも知ってる人の物を真似た方が正解だとおもいます!」
「私も湊と同じでいいかな。」
「わかった。じゃあ俺は中華そばにする。このお店のおすすめが中華そばみたいだし、楽しみだ。」
俺は中華そばに決めた。ネリネ達にも食べやすい味だと思う。
「じゃあ私も中華にしよう!桃花は何にする?」
「私も中華そばにしようかな。みんなと同じもいいよね。」
ということでみんな中華そばに決まった。注文をして出来上がるまで、みんなと喋る。この待っている間が待ち遠しいよね。すると、
「お待たせしました〜、中華そばです!お熱いのでお気を付けて召し上がりください!」
ついに中華そばが届いた。いい香りがする。
「ありがとうございます。すみませんフォークを三つもらってもいいですか?」
ネリネ達はまだ箸が使えないのでフォークを借りる。外国人客も多い店なのかすぐに持ってきてくれた。
「じゃあ食べようか。いただきます!」
そう言って一口麺をすする。すると口一杯に鶏ガラの味が広がる。うん、美味しい!
「ミナト。このラーメン美味しいわ!カップラーメンを超える衝撃よ!」
「本当に美味しいです!スルスルと食べやすいですしこのスープも美味しくて…。とろけちゃいます!」
「私も長いこと生きているけど、ここまで美味しい物は久しく食べてなかったよ。湊の国は美味しいものがたくさんあるね」
異世界組の反応は満足そうだ。
「先輩。ここの中華そば美味しいですね。女性でも食べやすい感じがします。」
「食の細い私でも食べきれそうだよ、みな兄!」
「食が細いとかどの口が言うんだか。でもおいしいな、このラーメン。いままで食べてきた中でもトップクラスだ。」
現代組も満足そうだ。みんなでおいしいおいしいとすするラーメンほど美味しいものはない。そう思いながらラーメンを食べすすめた。
お腹も膨れた俺たちは少しぶらぶらすることにした。欲しいものはあらかた買えたので、ウインドウショッピングを楽しむことにした。色んなお店が出店しているので見ていて飽きることはない。しばらく歩いているとひよりが突然、
「あっ!忘れてたよ!買わなきゃいけないもの!」
と叫び始めた。どうやらこの先に見つけたお店がその忘れていたものが売っているところらしい。そこは…。
「ひより。俺はここ入らなくていいか?ちょっと周り見てくるから。」
「何言ってんの?だれが今日の財布役だと思ってるの?一緒に来なさい!」
「ひより!財布は私が預かるから先輩を中に入れないで!」
そうそこは女性用下着売り場だった。なんとも目に毒だ。ネリネ達がそれをつけるところを想像すると鼻血が出そうだ。桃花の援護もあり、入らなくて良さそうだ。と思っていたら、
「我が契約者様よ。私は湊と一定の距離を離れることができないんだ。だからここにいてほしいんだけど、だめかな?」
と、ニヤリと笑うスーリアがそこにいた。状況は分からずとも何やら面白そうな雰囲気を感じ取ったのであろう。これを聞いた桃花も
「くっ、そんなことがあったんですね。それならしょうがないですね。でもキョロキョロするのはだめですよ。」
桃花、陥落。このままでは恥ずかし空間に居なきゃいけなくなる。どうにかできないものか。
「あ、そうだ。こっちに戻ってきた次の日。スーリアおいて学校へ行ったじゃん。あのくらい距離が離れてても大丈夫なんじゃないか?」
そう、あの時は家と学校ほどの距離を離れていたのである。それならこのショッピングモールくらいなんともないはずだ。
「あー、それがねぇ。ペンダントの形にするのに私の魔力だけじゃ変形できなくてね。湊の魔力も借りたんだよ。そうしたら湊とペンダントの縁が強まっちゃって離れることはできないんだ。どのくらいの距離かは測ってないから分からないけどね。」
終わった…。もう反論の余地がない。
「言い訳タイムは終わった?行くよみな兄!」
そうひよりに言われて、男子禁制の地へと突き進む。
「ミナトがなんで抵抗しているのかわからないわ?ただの布じゃない。何がいけないのかしら?」
「そうだよね、ネリネさん。全くこれくらいのことで何を狼狽えてるんだか。」
「まぁまぁ。ミナト君もお年頃ということですよ♪わかってあげてください!」
「私は異性に下着選んでるところを見られるのは恥ずかしいですよ。みなさん羞恥心はないんですか?」
「桃花。異性って言ってもみな兄だよ?意識する必要もないでしょ。」
「それはひよりだからだよ!」
桃花が顔を赤くして突っ込む。俺も桃花の意見に賛成ですね。
「見た感じこの国の下着は布面積が広いですね。私たちの国ではこれと同じくらいの面積の服を着ている人もいましたよ。」
「それって痴女だよ、ミルちゃん!恥ずかしいよ!」
「別におかしいことではなかったですけどね。ねぇ、ネリネちゃん。」
「ええ、そういう服を着ている人もいたわ。動きやすさを重視するとそういう格好になるのもわかるわよね。」
「oh…」
桃花が信じられないという顔でネリネを見ている。桃花が歳上をそんな顔で見るなんて初めて見たな。
「なぁ。なんでもいいから早く決めちゃわないか?居心地が悪くてしょうがない。」
「みな兄のためにも早めに決めちゃいますか。まず店員さん探さないと。」
「どうして店員さんを探すんだ?自分たちで決めるんだろ?」
「みな兄じゃわかんないか。胸のサイズを測んないと買うもんも買えないでしょ!」
確かに。自分のサイズもわからないと選べないもんな。
「だから店員さんが必要なの。私たちじゃ測る道具もないしね。あ、店員さーん!サイズお願いします!」
店員さんを捕まえてきて、まずはネリネと一緒にフィッティングルームに入ってもらう。
「お姉さんすごく綺麗ですね!スタイルも抜群にいいですし、モデルさんですか?」
「モデル?よくわからないけど、モデルではないと思うわ。まだ何もしてないもの。」
「?ええっと、測っていきますね!トップが…cmでアンダーが…cmですね!これだと○カップですね。このサイズでお探しください!」
数字のところは小さい声で聞こえなかったがサイズが測り終わったらしい。その後ミルとスーリアの分も測って、計測は終わった。トラブルないとはわかっているけど居心地が悪すぎる。
サイズが測り終わった後はみんなの分の下着を見ることになった。と言っても俺は凝視するわけにもいかないのでみんなを見てることにした。
「ネリネさんはやっぱり黒とか紫とかが似合うかなぁ。セクシーな感じだよね、やっぱり。」
「ミルは水色とかオレンジとか可愛い色があってるかな。」
「スーリアちゃんは髪の色と合わせて赤色がいいかな。でもピンクも捨て難いよね!」
ひよりと桃花が言い合いながら決めていく。試着しながら決めていくようだ。俺は後ろ向いててと桃花に言われてしまったので後ろを向いていた。背後でネリネやミル達が試着していると考えると少し悶々とする。やはりここから離れていたい。
「みな兄〜!どっちがいいと思う〜?」
「こら、ひより!湊先輩を巻き込まないの!」
もう、勘弁してください!




