43話 買い物②
電車を降り、徒歩で数分歩くと目的地であるショッピングセンターに着いた。県内でも大きめなショッピングセンターでここにいけばほとんどのものが手に入る。ここでネリネ達に必要になりそうな物を揃えてしまおうと言うわけだ。大きいものは配送もできるしちょうどいい。
「この大きな建物に色んな商店が入ってるっていうの!?ヨルア商会の建物の何倍もあるじゃない!」
「ひよりちゃんがなんでも揃うって言ってましたけど、この大きさなら納得です…。ミナト君の国は何でも大きいですね。」
「そうそう、こういうのを見たかったんだよ!流石は湊の国!スケールが大きいな!」
異世界組は圧倒されていた。異世界の建物から比べると大きい建物が多くて圧倒されてもしょうがないだろう。
「なぁ、ひより。買うものたくさんあるわけだけど、何から買う?」
「うーん、何から買おうか。私的にはグルーっと回って目についた物を買っていくのでもいいかなぁって思ってたけど。」
「順番に見ていきましょう先輩。買うものが多いわけですからあっち行ってこっち行ってだと大変だと思います。」
「それもそうだな。じゃあ、順番に見て行こうか。」
入り口から順番に見ていくことになった。最初にあったのは寝具売り場だった。あらゆる布団やベッド、枕などが売られていた。枕を特注で作ることもできるらしい。布団とかは家にあるからここはスルーだなと思っていたら、ひよりが、
「ちょっと見ていこうよ。布団は夏場だから今あるものでいいと思うけど、枕なんかは好みがあるんじゃない?寝心地って大事だと思うんだよね。」
と言う。確かに枕の柔らかさで寝やすさが変わってくる。俺も今の枕にしてから快適だったもんなぁ。スーリアは剣の中に入っちゃうから必要ないけど、ネリネとミルには必要かもしれない。
「と、いうわけなんだけどどうかな、二人とも?」
ひよりが聞いてみる。
「枕ね。今まで考えたことなかったわ。旅してる時は枕は適当にバッグとかタオルとかだし、宿屋の枕もそれぞれだったもの。枕一つでそんなに変わるものかしら?」
「その意見には同意ですね。枕なんてどれでも同じじゃないですかね。眠れればいいわけですから。」
と、ちょっと否定的な二人。異世界人からすると眠りの質にはあまり拘らないのかもしれない。
「それは勿体無いよ、二人共!」
ひよりが答える
「どの枕も寝る人の為を思って作られてるの!色んな柔らかさがあるから触ってみた感触で選んでみてもいいと思うんだ!体験してからでも遅くないからやってみない?」
いつになく本気なひよりに押された二人は枕体験をしてみることになった。枕はいくつも種類がある。異世界では羽毛のタイプしかなかったからそれ以外の枕は珍しく見えるだろう。羽毛、パイプ、そばがら、ウレタン等があるからそこから選んでみるのが良いだろう。どれが良いとかは好みの問題なので本当に触った感触で良いと思った物をかってみるのがいいだろう。
「枕っていっても色々種類があるんですね。どれどれ。」
「私も触ってみようかしら。」
ミルとネリネが枕を触ってみる。
「このパイプの枕は触った感じが面白いですね。柔らかいのに凹凸のある感じで頭を程よく刺激しながら包んでくれそうな感じです。高反発の枕もいい感じですね。めちゃくちゃ沈みますが、それでいて優しく包んでくれる感じがいいですね!」
「私はパイプとそばがらの硬い感じがいいわ。沈む感じに抵抗があるから、硬い方が寝やすいと思うわ。敵からの襲撃があった時もすぐに行動起こせそうだしね。」
二人とも思ったよりも好印象な模様。興味のな買った分野でも実際に触れてみると興味持ち始めるパターンってあるよね。
「どうどう?今まで触れてきた枕もいいと思うけど、違う種類の枕を触ってみるのもいいと思うんだよね!そうすれば違った寝心地が楽しめるし!」
いつになくご機嫌なひよりだ。こんなに枕が好きだったとは。
「私はパイプの枕にしたいわ。私にあってる硬さだと思うわ。」
ネリネが選んだのはパイプの枕だ。パイプは通気性に優れており、劣化のしにくい素材なので耐久性にも優れている。枕の中でも硬めの部類だ。ネリネは硬めの枕がいいみたいだ。
「私はコレがいいです!高反発!この弾力がいいですね!早く寝てみたいです!」
ミルが選んだのは高反発のウレタンだ。高反発なだけあって押した時に沈む。寝返りも打ちやすい最近人気のタイプだ。
「二人とも決まったね!これで寝るのが気持ちよくなるよ!」
ひよりも満足そうだ。むしろ一番喜んでるかもしれない。会計を済ませて、商品は配送にしてもらった。まだ買い物があるから荷物になるしな。
その後も色々と見て回った。雑貨コーナーではちょっと安めの財布を購入した。流石に異世界の財布を使うわけにはいかないからな。ミルとネリネも初めてみる形状にワクワクしていたみたいだ。書籍コーナーではネリネの希望もあり、小学生向けの教育本を買った。この国の数字や文字を覚えてこの国の捜索の範囲を広げたいようだ。ネリネはどこでも真面目だ。
その次に訪れたのは洋服のコーナーだ。俺は洋服に関しては全然詳しくないので、ここではひよりと桃花の出番だ。ネリネとミル、スーリアに次々に服を着せていく。お店で試着せずに服を買うのはありえないらしい。ネリネもミルもスーリアも日本では目立つ容姿をしている。それもとびきりの美形ときている。なので、周りのお客さんも立ち止まってみている人もいる。
「ネリネさん!次これ着てみて!絶対似合うから!」
「ええ、わかったわ。でも、これスカートが短すぎないかしら?ねぇ?」
ネリネの言い分を無視して試着室へ押し込むひより。一方。
「私の服はネリネちゃんと比べてセクシー度が足りなくないですか?いいんですよ、もっと派手なやつでも?」
「ミルちゃんにはこういう奴が似合うから大丈夫。セクシー系はもうちょっと後にしよう。」
桃花もミルの言い分をやんわり否定している。服に関しては女性は強い。
「我が契約者様よ〜。私はちょっと疲れたよ。休憩してもいいかな?」
「スーリアちゃんは次こっちね。とっても可愛い奴見つけてきたよ!」
「助けて〜湊〜!」
スーリアはひよりに捕まって抜け出せなくなっている。ああなっては助けられない。
俺はというとみんなの服を見て感想を言う係だ。
「ネリネその服似合ってるな。ネリネはちょっと明るめの服の方が似合うんだな。そっちの方がより綺麗に見えるよ。ミルもその服可愛いな。年相応の女の子って感じだ。スーリアもとっても似合ってるぞ。いやいや、幼いって言ってるんじゃなくてさ、見た目よりもお姉さんに見えるって言ってるんだよ。」
俺の言葉なんて参考にならないと思うけど、ここで黙っているよりマシだろう。このショッピングモールにはたくさんの服屋がある。その服屋を何軒も見て洋服を買ったので両手いっぱいになってしまった。その服を一旦コインロッカーに預けて次の場所へ行くのだった。




