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31話 ドラゴン③

 ネリネがパーティに合流したので、後はここから逃げるだけ。とはいえ、ドラゴンから逃げ切るのは至難の技だ。最初にネリネが一人囮に残ったくらいである。それでもうまくいかなかった。そうなるとできる手立てが限られてくるが…。

「ネリネ、どうする?囮もダメとなるともうお手上げか?」

「いいえ、まだやれることはあるはずよ。とはいえ、絶望的な状況であることには変わりはないけれどね。」

 弱気な発言をするネリネ。このままではマズイのは俺でもわかる。しかし、いったいどうすれば?

 こちらが考える時間をドラゴンは与えてはくれない。ドラゴンの前足の攻撃がこちらへ迫ってくる。ネリネは軽々、俺はなんとかそれをかわす。ドラゴンの動きは素早い。こうなったら…

「こっちの最大火力で攻撃して、ひるんだ隙に逃げないか?それなら僅かでも可能性があると思うんだけど。」

「それは確かに効果ありそうだけど…。」

「他にあるなら、そっちを尊重するけど?」

 むむむと少し考えるネリネ。しかしすぐに考えがまとまったのか面をあげて、

「それでいきましょう。それに賭けましょう!こうなったら!」

「それきた!というわけでミル!この後全力で攻撃して怯んだ隙に逃げるぞ!最大火力でいくぞ!」

「急に何か決まってます!?はいはい、わかりました、やればいいんでしょ!やれば!やってやりますよ!私の最大はそんじょそこらの魔法とは違いますよ!」

 ミルもやる気になってくれたようだ。俺たちに出来る手立ては少ない。その手立てをやれる内にやるしかない。

「ネリネには悪いけど力を溜める時間を稼いでくれ!スーリアと協力して力を溜めるから。」

「OKよ。まかせといて。囮役にも慣れたわ!」

 勢いよく飛び出していくネリネ。ドラゴンの前に飛び出し引きつけてくれる。その間に俺は力を溜める!

「スーリア。そういうわけだから力を貸してくれ!俺達の最大のピンチだからな。」

「私も可能性低い賭けだと思うけどしょうがない。他に作戦もないからね。私の最大に湊が耐えられるかな?」

「大丈夫!耐えてみせるよ!みんなのためでもあるからな!いくぞ!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 俺は力を溜め始める。遠くを見ると、ミルも詠唱を始めていた。これが俺たちの最後の攻撃だ!



 私は二度目の囮役としてドラゴンの前にでた。ミナトとミルの攻撃の準備が整うまでの時間稼ぎだ。今回の作戦の成否は二人の力にかかっている。私では素早い攻撃は出来ても、威力の高い攻撃は出来ないからだ。だからこそ二人が力を溜めている間、私が囮として二人を守る。

 とはいえ、ドラゴンの攻撃を避けるのは相変わらず難しい。一つ一つの動作が早いのだ。その大きい体からどうしたらそんな速度が出るのかというくらいだ。呼吸を整える時間をさほど与えてはくれない。避けながら私自身も次の攻撃に備えて力を溜める。避けながらなので、僅かにはなるがないよりはずっとましだろう。再びドラゴンと一対一で対峙する。大きい爪の攻撃を避け、尻尾の攻撃を双剣でいなす。それも魔力を溜めながら。我ながら器用だと思う。避けて避けて避けて避け続け、ようやく、

「ネリネ!待たせてすまない!ようやく溜まった!」

「ネリネちゃん!こっちも大丈夫です!いつでもいけます!」

 二人の準備ができたようだ。三人の連携攻撃。うまくいってよね!


 三人の準備ができてそれぞれが攻撃を始める。

「全てを燃やし尽くせ!紅蓮火焔刃!!くらえええええ!」

「はぁぁぁぁ、金剛光波!!」

「渦巻く焔。焼き尽くす炎。全てを灰塵とかせ!フレイムドラゴン!いっけぇぇぇぇぇぇ!!」

 三人の攻撃が一つになりドラゴンへ直撃する。その火力は自分が思う以上のものがでた。これならきっとドラゴンも怯むはず。なんなら倒すつもりで撃ったのだ。何か起きなきゃ嘘だ。当たった部分から煙がたちドラゴンの顔が見えなくなった。怯んだかどうかわからないがこちらが見えないということは、あちらも見えないだろう。

「今のうちに逃げましょう!煙が晴れる前に!」

 ネリネがそう叫ぶ。俺とネリネがまず走り出しミルのところにたどり着いた。その後逃げようとしたその時だった。咆哮が鳴り響いた。ドラゴンの咆哮だ。俺たち三人の攻撃をくらったはずだが、まったくの無傷。怯みすらしなかったのである。こうなってしまってはこちらに手段は残っていなかった。

 俺は立ち止まってしまい、ネリネも同じだ。ミルは膝を地面についた。三人とも気力が尽きてしまった。

 ドラゴンの口が光り輝く。何か大技を放とうとしているようだ。俺たちはそれをただただ見ていた。

「ブレス…。」

 誰かがそうつぶやいた。ブレスという攻撃のようだ。それを食らってはひとたまりもないだろう。そのブレスが俺たちへと放たれようとしている。だが俺たちは動けない。そして、そのブレスが放たれて俺たちは飲み込まれた…。





 どこかふわふわした感覚があり、地に足つかないような状態だった。それが安定し始め地に足がついた。ドラゴンのブレスという攻撃に巻き込まれたはずだが…?視界が晴れ目の前が見え始める。目の前を見ると、ネリネとミルが同じように立っていた。俺は感極まって二人に抱きついた。

「よかった!二人とも無事で本当によかった!」

「ええ、よかったですね、ホントに!もう死んだかと思いましたよ!今回ばかりは奇跡ですよ!」

「ええ、本当に。助かってよかったわ。みんな大きな傷らしい傷もないものね!本当によかったわ。」

 と、三人で無事を喜び合う。助かってよかった。そんな俺たちを見ている人達がいた。

「みな兄?」

「湊先輩?」

 俺たちを見ていたのは、ひよりと桃花だった。え?ひよりと桃花!?辺りを見渡すと俺に馴染みが深い、校舎へと続く道だった。ちょうど俺が変な鏡に飲み込まれた場所だった。ということは、ここは現代?何故俺たちは現代に来ているんだ!?

これで第一章は終わりです。

ここまで見ていただきありがとうございます!

二章からは更新スピードが落ちますが、お付き合いいただけると幸いです。

少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマークと評価、感想をお願い致します!

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