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25話 クエスト終了

 俺は覚悟を決めて洞窟の入り口に立った。目の前から盗賊団と思われる男が四人ほどこちらに歩いてきている。前の四人もこちらに気づいた。

「なんだお前は、ええっ!?」

「俺たちのアジトでなにしてんだっ!」

「悪いけど、お前達を中に入れるわけにはいかない!ここで倒れてもらう!」

 先手を取るべく俺は剣を抜き、四人に向かった。四人も剣を抜き俺と対峙する。四人にぶつかる直前、足に魔力を溜めて高速で動いた。四人のうち一人を捉えて剣を突き刺す。

「炎波っ!」

その攻撃は剣の峰で防がれてしまったが剣が当たった瞬間剣先から炎が出てその勢いで遠くへ飛ばす。飛ばした後すぐに残った三人を見やり次の攻撃に移る。左の敵の正面に瞬時に移動し剣を振るう。この攻撃は剣で防がれてしまったが、こちらの力が上だったようで相手の剣が手から離れた。その隙に峰で腹を撃ち男を吹き飛ばす。背後から音がする。残った二人の攻撃だろう。振り返って確認する時間はなさそうだ。

「はぁぁぁ!防炎陣!」

 俺は剣を地面に突き刺した。すると地面から炎が円形の形に現れる。これで背後にいる男たちの攻撃も炎で防げる。俺は振り返り男たちを見やる。突然現れた炎に戸惑っているようだ。俺は炎から飛び出して、右側の男へ剣を振るう。炎の中からは出てこないと思ったのか、男は驚き反応が遅れている。

「はぁ!!!」

 魔力を限界まで剣に込めその男の肩に剣の峰で攻撃した。そのまま男は地面に叩きつけられた。メキッってすごい音がしたけど気にしないことにした。次の男を攻撃しようとしたところ、逆に男に斬りつけられた。それをなんとか剣で受け止める。そのまま何度も斬りつけられるが剣で受け止める。鋭い攻撃に手がジンジンしてきた。このままではやられる!剣に炎を纏わせてその炎を相手にくらわせる。

「炎刃!燃えろぉぉぉぉ!」

 剣に炎を纏わせて相手の剣に叩きつける。目の前の男本体に炎が伝い、男を燃やす。

「あがぁぁぁぁぉぁぁぁぁ!!」

 男が気を失ったところで炎を消す。これで、全員倒したか。と思ったが、最初に吹き飛ばした男が戻ってきた。こいつは意識を奪えなかったか。

「死ねぇぇぇぇい!」

 叫び声をあげて斬りつけてくる男。剣で受け止めたが重い…!そのまま膝をついてしまった。その様子にニヤリと笑う男。

「わあああああああ!!!」

 明らかなピンチに俺は気が動転してしまった。このままでは死ぬ。死ぬ恐怖に勝てない。怖い。怖い怖い怖い痛いのは嫌だ怖い怖い怖い。ネリネを助けた時は無我夢中で怖いと感じる暇がなかった。だけど今は違う。死という終わりが目の前に迫っている。

「湊!落ち着いて湊!」

 スーリアが剣の中から話しかけてくれる。それでハッとなった。そうだ。俺一人で戦ってるんじゃない。ひとりぼっちじゃない。頼れる仲間がいるのだから!そう考えると不思議と恐怖が消えた。むしろ考えが冴え渡ってきた。今は目の前の敵を倒すことに集中する。どうすればいいかはわかりきっている。

「うおおおおおおおおおお!!」

 腕に魔力をありったけ込めて、盗賊男の剣を弾き返した。そしてその無防備な体目掛けて剣を振るう。峰で打つ。

「がはっ!」

 男は膝から崩れ落ちた。これで最後の男も気絶した。全員倒すことができた。


 後から来た四人も全員気絶させる事に成功した俺は全員を縛り上げる。そうして、ネリネたちのところへ戻った。すると、ネリネは眠っていた。

「ミナト君!解呪は無事成功しましたよ〜!今は眠ってますけど、すぐ目が覚めると思います!」

「よかった!ありがとう、ミル!こっちも残りの盗賊達を無力化してきたよ。さてと、転移の魔導具をさがすとしますか!」

 気を失っているジャケツの元へ向かう。ジャケツの懐をまさぐり魔導具がないか探す。すると腰の部分に袋がぶら下がっていた。その中に古めかしい道具が入っていた。これが転移の魔導具であろう。

「ミル!あったぞ、魔導具っぽいのが!多分これだ!」

「よかったですね!これでミナト君が元の国に帰れるかもしれないんですね!」

 そうだ。元々転移の魔導具を探していた理由が元の世界に帰るため。今手に入れた魔導具で帰ることができるかもしれない。なにやら、感慨深いものがあるな。

 探している間にネリネも目を覚ましたようだ。

「ネリネ、大丈夫か?今どういう状況かわかるか?」

「えーと、ジャケツを倒したところまでは覚えているのだけれど、その後の記憶が曖昧だわ。黒いモヤのようなものが目の前に現れて…。」

「それで合ってますよ、ネリネちゃん。ネリネちゃんは呪いを受けてしまったんです。ジャケツの最後の抵抗ですね。そのあと私が解呪したので、もう大丈夫ですよ!」

「そうだったの。呪いを受けるなんて、私もまだまだ未熟ね。ありがとう、ミル。ミナトも心配かけたわね。」

「ネリネが無事で良かったよ!」

「ネリネが呪いにかかった時はちょーっと心配しちゃったよ。でも無事で何よりさ。」

 俺たちはみんなの無事を喜び合った。

「さて、これからどうしたらいいんだ?盗賊達はどうしたらいいんだ?」

「ギルドにお願いして、引き取りに来てもらいましょう。牢屋もギルド内にあるし。」

「じゃあ私が呼んできますよ。ネリネちゃんとミナト君はここで待っていてください。もしかしたら盗賊の残党がいるかもしれないですし。」

「わかったわ。じゃあミルお願いね。あ、そうそう。奪われていた魔導具は見つかった?」

「俺が見つけておいたぜ!」

 そう言い、見つけた魔導具をネリネに見せつける。

「それは、よかったわ!じゃあクエストは完了ね!」


 ギルドに報告した後はギルドの人たちが大勢やってきた。洞窟内で捕縛されている盗賊達を全員連れて行った。仕事の早い人たちである。その後俺たち全員がギルドに行きクエストの完了手続きを行った。これでクエストは完了である。

「ようやく終わったわね。さて、遺跡の探窟家さん達のところへいきましょうか。転移の魔導具を渡しに行かなくちゃね。」

 ということで、遺跡の探窟家のところへ向かう。彼らは昨日の怪我が原因で今日は家で療養すると聞いている。探窟家の家に向かった。探窟家の家はイルフ街にあった。

「すみません、昨日お会いした冒険家です。お時間よろしいですか?」

「ああ、昨日の方々ですか。その節はありがとうございました。危うく死んでしまうところでしたからね。どうぞ中へお入りください。」

 家の中に案内される俺たち。探窟家の家は色々な発掘品で埋め尽くされていた。よくぞ、ここまで集めたものである。と、言いたいくらい所狭しに置いてあった。

「今日は一体どういう用件で?まさか昨日の今日で奴に会ったわけではないでしょう?」

「いえ、そのまさかですよ。今日、昨日の男から魔導具を奪い返してきました!こちらがその魔導具です。」

「おお、おお!素晴らしい!あなた方は本当に素晴らしい!一度は諦めた魔導具をまた見ることができるとは!」

 探窟家の男の喜びようは凄まじいものだった。目の前で小躍りしているくらいだ。相当嬉しかったのだろう。

「そこで実はお願いがありまして…。その魔導具がこちらの期待している効果だったとしたら、一度使わせていただくことはできますか?」

「それは構いませんよ!一度と言わずに何度でもいいですよ!それで、その期待している効果とは?」

「国から国への移動が可能かどうかです。遠い距離の移動も可能にする転移の魔導具を探していたんです。」

「そうだったんですか。わかりました。昨日発掘したばかりで効能がまだわかりません。調べてみますので、わかりましたらあなた方に知らせに行きます。ですので、少々お待ちいただければと。」

 ということで、俺たちは待つ事になった。俺の望む結果であることを願いながら宿屋で待つ。

 探窟家さんが知らせを持ってきたのは2日後のことだった。

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