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19話 遺跡

 クルミさんに教えてもらった遺跡へと足を運んだ俺たち。遺跡というだけあって古びた建物が沢山建っていた。殆どの建物が一階だてで、たまに二階建てがある。どの建物も樹の蔓などがはっているが、崩れる気配のない立派なものだった。遺跡には何人かの人たちがいた。この人たちは遺跡を調査している人みたいだ。考古学的にも価値のあるものなのだろう。もちろん俺たちのように古代の出土品を探している人もいるだろう。基本的には遺跡の中のものは早い者勝ちで、取った人に権利があるそうだ。どんな物があるんだろうか。その中に転移の魔導具があるといいのだが。

「私、遺跡って初めて来ましたけど、広いですね〜。この中から探すって考えたら途方もないですね。」

「私たち以外にも人がいるようだから、その人たちの邪魔にはならないようにしなくちゃね。」

「こういう景色も懐かしいなぁ。昔の街並みじゃないか。私はこういう街並みの方がすきだなぁ。」

「この遺跡の中に、転移の魔導具が眠っているといいんだけど。弱気になるな、俺!よし、がんばるか!」

 と、気合を入れる俺。みんなと一緒に魔導具探しスタートだ。

「どの辺りを探す、ミナト?」

「やっぱりこういうのは一番奥にあると思うんだよね。お約束的に。だから遺跡の最深部を目指すよ。」

「遺跡の最深部ってどこです?街並みが広がってて、どこが最深部かわからなくないですか?」

「この遺跡も昔は人が住んでた街なんだ。魔導具が宝物扱いなんだとしたら、高位の身分の人が住んでいたところにある可能性が高いと思うんだ。そういう人が住んでそうな場所が怪しいと思うね。後は神殿だ。だから、大きい建物を探せばいいと思うね。」

「なるほど、筋は通っているわね。その線で探してみましょうか。」

 ここの遺跡自体はかなり広い。目星をつけて探していかないと、いつまで経っても探しきれない。だから大きい建物を探すことにしたのだ。昔の人もそう思考は変わらないだろう。偉い人はその権力を見せるために大きい建物を建てるだろう。その中にお宝が残っている可能性はある。

「あの丘の上の建物がちょっと大きそうですよ。行ってみませんか?」

 ということで、丘の上の建物を目指す。遺跡は所々崩れていて、真っ直ぐ丘の上に行くことができない。周り道をしながら進んでいると、

「ウルフだ!ほんとにどこでも出てくるな。」

「ウルフだからって油断しないで!普通より強いミドルウルフよ!」

「ミドルウルフ?」

 現れたのはミドルウルフと言われる、ウルフだった。見た目は殆ど普通のウルフと変わらないが、よくみると筋肉がモリモリだ。なんだそりゃ、筋トレしたウルフってこと!?

「湊!ぼけっとしてないでいくよ!」

「ああ、わかったよ。頼むよスーリア!」

 現れたミドルウルフは2体。それぞれ、素早い動きでこちらへ向かってくる。

「私が一体やるから、残り一体は二人でお願い!」

「わかった!」

 向かって右側のミドルウルフに向かう。まずは、

「炎纏し眷属よ、その身を持ちて我が敵を燃やせ、ファイアーボール!」

 ミルが牽制の意味も込めて、ファイアーボールを放つ。ミドルウルフに真っ直ぐ飛んでいったが当たる直前に軽いフットワークでかわした。確かに今までのウルフよりは強いようだ。かわしたミドルウルフ目掛け、俺は剣を振る。当たりはしたが、浅い。少し皮膚を切ったくらいだった。そこで終わりにせずに、連続で剣を叩き込んでいく。その攻撃はミドルウルフの爪で塞がれてしまう。どんだけ硬いんだ、こいつ!

「炎の槍よ、我に仇をなす敵を貫け!フレイムランス!避けてください、ミナト君!」

 ミルの魔法の次弾の用意ができたようだ。ミドルウルフの頭上に赤い魔法陣が現れ、そこから炎の槍が数本降り注いだ。炎の槍に貫かれミドルウルフがもがいている。そこを、

「炎を纏え、マスデバリア!でえぇぇぇい!」

 精霊剣に炎を纏わせ、ミドルウルフを袈裟斬りにする。それを受けたミドルウルフはその場に崩れ落ちた。

「ナイス、ミル!相変わらずミルの魔法は冴えてるな!」

「ミナト君こそ、動きがよかったですよ。こちらも集中して詠唱できました。」

 二人でハイタッチをかわす。少し強い敵でも倒せるようになってるな、俺たち。

「そっちも終わった?怪我は無いかしら?」

 涼しい顔でネリネがこちらへ歩いてくる。どうやら余裕だったらしい。

「こっちは怪我は無いよ。それにしても遺跡内でもモンスターってでてくるんだな。」

「モンスターが入ってこないようにするための結界が張られていないからね。モンスターも入り込めるようになっているわ。」

 恐らく昔はその結界もあったのだろう。ここに住んでいた人たちがどうなったかわからないが、いなくなってしまい結界が維持できなくなってしまったか。いや、逆かもしれないな。結界が壊れたからここにいる人たちが移住したのかもしれない。

「まぁ、この先も用心しましょうってことだね。はてさて、この先何が出ることやら。」

 マイペースなスーリアの発言。確かにこの先何が出てきてもおかしくない。引き締めて行こう。

「それにしてもウルフって種類があったんだな。そしてどこでもでてくるな。」

「まぁ、ウルフですからねぇ。ウルフだけじゃなくて、大抵のモンスターは複数種類がありますよ。今回のミドルウルフは普通のウルフよりもパワーとスピードがあります。普通のウルフと見間違えて痛い目を見る冒険者も少なくありません。今後も気をつけてくださいね。」

「ミドルウルフの見分け方は、筋肉の発達具合ね。遠目からじゃわかりにくいけど近くで見ると凄いからわかるわよ。」

 筋肉の発達具合だけって、見分けのポイントになるのか?マッスルポーズとか取ってくれたりしないかな、わかりやすく。

「ミドルウルフくらいなら対処は難しくないけど、他に強いモンスターが出てくるかもしれないから用心しましょ。宝探しに気を取られて背後から…なんて笑えないわ。」

「宝探ししてる間は、私が結界を張っておくよ!いつものより簡易的なのにするからすぐに張れるよ!」

「助かるよ、スーリア。よろしく頼む。」

 モンスターが出てくるトラブルはあったが、今後の作戦が決まった。モンスターが大量にでてこないといいな。

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